この記事をまとめると
■マツダの新型SUVモデル「CX-60」のライバルについて解説
後ろ足で蹴り出すような「FR」らしさを表現! これまでのSUVとは似て非なる「マツダCX-60」のデザインの秘密
■完全にバッティングする車種は存在しないものの、欧州のSUVモデルが数台挙げられる
■国産車ではトヨタ・ハリアーがもっとも近い存在と言えそうだ
グレードで性能と価格が大きく異なるマツダCX-60
新開発のFRプラットフォーム「ラージ・アーキテクチャー」を採用した、マツダの新たなる2列シートのDセグメントクロスオーバーSUV「CX-60」(シーエックスシックスティー)。
パワートレインは2.5リッター直列4気筒ガソリンNA「SKYACTIV-G 2.5」と、これにマツダ初のプラグインハイブリッドシステム「e-SKYACTIV PHEV」を組み合わせたモデル、新開発の3.3リッター直列6気筒ディーゼルターボ「SKYACTIV-D 3.3」と、これに48Vマイルドハイブリッド「M HYBRID BOOST」を組み合わせたモデルの計4種類を設定し、トランスミッションはいずれも新開発のトルクコンバーターレス8速ATとなっている。
このなかで純内燃機関モデルはコストパフォーマンスと使い勝手を重視、電動モデルは車両本体価格500万円以上の高価格帯ながら高級感に満ちた内外装を備え、プレミアム性を強く押し出したキャラクターが与えられている。
その結果、価格帯も299万2000~626万4500円と幅が広く、マツダ車としては類を見ないほど裾野の広いモデルとなっている。だがそうした戦略が功を奏したのか、9月15日の販売開始時点で、月販計画台数の4倍超にあたる8726台の受注を得て、好調なスタートダッシュを切っている。
果たしてこの、マツダの新機軸SUVに、競合するライバルは存在するのだろうか? 結論から言えば、完全にバッティングする車種は存在しないものの、駆動方式、ボディサイズ、価格帯など個別の切り口からピックアップし、比較してみたいと思う。
プレミアム路線のSUVモデルがライバルの筆頭に挙げられる
まず、価格帯はCX-60よりも遥かに高いものの、FRをベースとしたDセグメントのクロスオーバーSUVという点で共通しているのは、メルセデス・ベンツGLC(768~1076万円)、BMW X3(721~931万円)、ジャガーF-PACE(759~1430万円)だろう。
いずれも2リッター直4ターボのガソリンおよびディーゼルエンジンを主力とし、電動モデルも設定。また、3リッター直6ターボエンジン(GLC、X3)や5リッターV8スーパーチャージャーエンジン(F-PACE)を搭載するホットバージョンもラインアップする。
このなかでX3は直線的なデザインでスポーティなテイストが強いものの、GLCとF-PACEはシンプルかつモダンな曲線基調の内外装を備えている。とりわけF-PACEのインテリアはイギリスの高級車らしい落ち着きのあるもので、CX-60に対しキャラクターがもっとも近いモデルといえるだろう。
では国産車はどうか。ベースとなる駆動方式はFFだが、312万8000~620万円という価格帯、そしてDセグメントクロスオーバーSUVにおける大衆車ブランドのプレミアムモデルという希有なキャラクターにおいても、トヨタ・ハリアーはCX-60にもっとも近い存在だろう。
高級クロスオーバーSUVの元祖であるハリアーは、2020年6月発売の現行モデルで4代目。エッジの立ったラインとふくよかな曲面を組み合わせた都会的かつ上質な内外装、乗り心地と操縦安定性を両立した走りなどが高い評価を受け、発売1ヵ月後時点で約4万5000台の受注を得る大ヒット作に。
2022年9月には2.5リッター直4NAエンジンと組み合わせたプラグインハイブリッド車も追加され、ますますそのポジションはCX-60に近いものとなっている。
だがCX-60は、プレミアムブランドのライバルに勝るとも劣らない、あるいは凌駕したとさえ言える上質な内外装、FRベースならではの前後重量バランスとトラクションに優れた走り、そしてリーズナブルな価格を兼ね備えている。これらすべての面において、CX-60とがっぷり四つで戦えるライバルは、今後他社から現れるのだろうか……?
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