■初代シルビアと未来のシルビアEVの共通点と相違点とは
メキシコ日産は2021年10月21日に、欧州日産が「日産における1960年代の象徴的なモデル『シルビア』を電動化させて未来に蘇らせたら」というテーマのビジュアルデザインをお披露目したと発表しました。
まさしく新型シルビアEVを示唆するモデルともいえそうですが、どのような経緯でデザインしたのでしょうか。
【画像】これが未来のシルビアだ! 初代イメージのデザインとは?(25枚)
シルビアは、1965年に初代(CSP311型)が登場したのち、2代目(S10型)、3代目(S110型)、4代目(S12型)、5代目(S13型)、6代目(S14型)、7代目(S15型)と歴史あるモデルです。
S15型は、「平成12年排ガス規制」などの影響を受けたことでが2002年に生産終了。それ以降、2021年現在まで「復活する」という噂が出れば消えるという状態が続いていました。
今回、初代が現代風に登場した場合を過程して制作されたビジュアルは、 欧州日産のデザイン担当副社長であるマシュー・ウィーバー氏のコメントと共に「NISSAN STORIES(欧州版)」でお披露目されています。
前述のテーマとなる1960年代のシルビアとは、初代(CSP311型)です。
CSP311型は、高級なスペシャルティカーとして誕生しており、途中の「デートカー」はS13型のイメージ、スポーツ走行やドリフト走行は、S13型からS15型に代表されるイメージとなり、そのモデル毎に異なっています。
CSP311型は、1964年の東京モーターショーにダットサン「クーペ1500」として出展され、その後市販化されました。
オープン2シーター「フェアレディ」をベースとし、エンジンも同じく1.6リッター直列4気筒OHVエンジンがフェアレディのものが搭載されています。
CSP311型のエクステリアは、開口部以外に継ぎ目をつくらないことを重視してデザインされた美しいスタイリングが特徴です。
さらに、インテリアではウッドステアリングやレザーシートなど当時の高級スポーツカーをイメージしていました。
しかし、エクステリア&インテリアのデザインを重視した結果、人による作業が多くなったことで、当時の高級車となる日産「セドリック」を超える価格が設定されていたといい、約3年間の生産台数は554台と幻のクルマといえます。
※ ※ ※
そうした歴史的な名車となるCSP311型をマシュー・ウィーバー氏は「日産の歴史上のクルマを電気自動車の未来に向けて再構築する」という依頼を受けたことで今回のビジュアルの制作に至りました。
現在、モビリティの電動化が進むなか、ほとんどのカーデザイナーは、それぞれのブランドのレガシーを注入しながら、クルマの可能性とあるべき姿を再構築するという課題に直面しています。
カーデザインは、スケッチや2Dデザインを経て、デジタルクレイや3Dデザインを作成します。
これは、電気自動車の時代になっても、デザイナーは同じ技術を使って新しいアイデアを生み出すことができますが、その際にはまったく新しいルールが必要だといいます。
これまでのクルマのデザインは、デザイナーとエンジニアが一緒になって、内燃機関やラジエーター、エキゾーストなどをいかに搭載するかを考えていました。
しかし現在では、これらの必須部品がバッテリー、インバーター、モーターに置き換えられています。
また、最近のエンジニアは、レーダー、カメラ、センサーなどの新しい機能性とそれを実現するデバイスについて考えなければなりません。
こうした背景もあり、デザイナーの日々の仕事が大きく変わることになりますが、これまでとは違うやり方で、ドライバーに新しい体験を提供する絶好の機会でもあるといいます。
今回の未来のシルビアといえるモデルは、従来のCSP311型とおなじくフロントフェイス上部が前に張り出していることや、エッジの際立つサイドラインがCSP311型を彷彿させています。
しかしながら、薄型のヘッドライト&テールライト、大径ホイールやなどはEVらしさを印象付けるデザインです。
また、パッケージは空力特性を向上させるために、わずかに低く、広く、長くなっていますが、従来のセダンやハッチバックと同等の室内空間を維持し、高い着座位置を実現しているといいます。
今回のデザインを手掛けたマシュー・ウィーバー氏は、カーデザインの変化について次のように語っています。
「電気自動車の主要部品は、内燃機関車とはまったく異なり、パッケージも異なるものになります。
そのため、今回のシルビアでは、エクステリアから想像できる以上に広い室内空間を実現しています。
このシルビアを未来に向けてリ・デザインするにあたり、私たちはその伝統に敬意を表したいと考えました。
シルビアの特徴的なポイントは、ボディ上部と下部をつなぐクリーンなサイドラインで、これはボディ上部をすっきりとシャープにカットすることで、その存在感をさらに際立たせています。
多くのユーザーは、実際にクロスオーバーEVの日産『アリア』によって、その効率的なパッケージングのおかげで、そのインテリアがいかに広々としていて快適であるかを理解するでしょう」
※ ※ ※
かつて、東京モーターショー2013では、次期シルビアと噂された「IDx(アイディーエックス)」と「IDx NISMO(アイディーエックス ニスモ)」が公開されましたが、その後の大きな動きはありませんでした。
今回、CSP311型をベースに未来のシルビアEVを示唆するデザインを公開していますが、本格的な「シルビア復活」への動きに繋がってほしいものです。
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みんなのコメント
上手く生かしててカッコ良いと思う。
夢はあるね