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バッテリーとモーターを強化 アウディA8 L 60 TFSI e クワトロへ試乗 快適至極

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バッテリーとモーターを強化 アウディA8 L 60 TFSI e クワトロへ試乗 快適至極

駆動用バッテリーとモーターを強化

2022年という時代に、アウディA8のようなラグジュアリー・サルーンへ乗ると、不思議と古風な趣を感じる。BMW 7シリーズや、新しいメルセデス・ベンツSクラスでも同様かもしれない。

【画像】フェイスリフト アウディA8 欧州で競合する上級サルーンと比較 全126枚

依然として、それらはブランドのフラッグシップに位置している。アウディA8は、モデル中期のフェイスリフトを受けた。しかし、純EVやSUVの方へ注目が集まっていることが、その理由に思える。

とはいえ、内燃エンジンを搭載した最新のA8は非常に心地良い。ドライバーとしても、リアシートのパッセンジャーとしても。極めて穏やかな気持のまま、自動車移動を叶えてくれるモデルだということを、改めて実感させられた。

確かに、話題を集めるほどの新機能はないかもしれない。だが、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)となる60 TFSI e クワトロには、イマドキなアップデートがしっかり施されている。

その1つが、駆動用バッテリーの大容量化。グロスで17.9kWh、実容量で14.4kWhへと大きくなり、EVモードで最長58.9kmを走行可能となった。

もう1つは、3.0L V6ターボエンジンと組まれる、駆動用モーターのパワーアップ。フェイスリフト前と比べて、システム総合での最高出力は20ps増しの、462psへ強化されている。

リアシートは快適至極な移動空間

スタイリング面では、フロントグリルが僅かに変化。トップグレードとなるフォアシュプルングの場合、デジタルマトリックスLEDヘッドライトが標準装備となっている。夜間の視認性を大幅に向上できる。

ちなみに、フェイスリフト後のA8でPHEVがお好みでなければ、別のパワートレインも選べる。英国では、3.0L V6マイルドハイブリッド・ターボが、ガソリンとディーゼルから選択可能。S8として、571psのV8ツインターボ・ガソリンもある。

今回試乗したのは、A8でもロングホイールベース版となる、A8 L。夜中に運転すると、まるで雇われ運転手の気分になれる。

リアシート側を振り返ると、広大な空間が広がっている。体型に合わせて細かく調整できる、マッサージ機能も付く。快適至極な移動空間といえそうだ。

さらにリアシート・パッケージを選べば、フロントシートの背もたれ裏に、大きな液晶モニターを追加できる。テレビやネットフリックスなども視聴可能だ。洗練されたシャシーのおかげで、映画館のように落ち着いた視聴空間が生まれる。

少しロードノイズが聞こえるかもしれない。ベントレーやロールス・ロイスにまでは、確かに及ばない。だが、Sクラスを含めて、これより心地良いリアシートはそうそう見つからないはず。

プラスティック製のフットレストのほか、ドアハンドルの仕上げや小物入れ、ボタンに触れた感覚など、いくつかの部分が最上のラグジュアリーさとは一致していない。手頃なモデルなら許されても、リムジンとして少々残念ではある。

加速は鋭く、驚くほど俊敏に身をこなす

乗り心地は、英国での試乗まで印象は保留としよう。フェイスリフト前のPHEV版のA8へ試乗した時は、標準装備のエアサスペンションが想像以上に多くの振動を車内へ伝えていた。今回は、少なくともドイツの平滑な路面では、不快に感じることはなかった。

試乗車が、賢明な19インチ・ホイールを履いていたことも影響しているだろう。平穏な乗り心地だったが、21インチなら変わってきそうだ。

A8のドライビング体験は、訴求力が強い。コンフォート・モードでは、ステアリングが軽すぎ曖昧さが目立つものの、スポーティなモードを選べば一気に改善する。巨大なサルーンにも関わらず、四輪操舵システムの効果と相乗し、驚くほど俊敏に身をこなす。

システム総合で462psもあるから、極めて速い。ラグジュアリー・モデルとして重要なことは、速く走らせても気張っていることを感じさせないこと。PHEVらしい、小さなエンジンと駆動用モーターの頑張りを、伝えてはいけない。

A8なら、そんな素振りをまったく見せない。リアシートに座っていると、V6エンジンが燃焼しているのかすら、感取できないことも珍しくない。

回転域が高まると唸るエンジンノイズが伝わってくるが、意図的なものだろう。快適性が損なわれることはない。

駆動用バッテリーの残量がなくなっても、パワー不足は感じられない。EVモードでの現実的な走行可能距離は、45kmほどのようだ。

値段はドイツ御三家でほぼ横並び

PHEV版のアウディA8の英国価格は、8万6960ポンド(約1348万円)から。ロングホイールベースのA8 Lでは、9万5690ポンド(約1483万円)からとなる。価格設定は、BMW 745 Leとメルセデス・ベンツS 580e Lとの中間に位置する。

といっても、このクラスの場合、オプションを少し追加すれば1000ポンド(約16万円)くらいは簡単に上下する。値段は、ドイツ御三家でほぼ横並びと考えていい。

選択を左右しそうなのが、ライバルの電動化技術。S 580e Lの場合、EVモードで最長101kmも走れてしまう。これは、745LeやA8L 60 TFSIeを凌駕する。

ただし、英国では税制区分が同じ。お好みの銘柄から選んで問題はないだろう。

アウディA8 L 60 TFSI e クワトロ(欧州仕様)のスペック

英国価格:9万5690ポンド(約1483万円)
全長:5320mm
全幅:1945mm
全高:1488mm
最高速度:249km/h
0-100km/h加速:4.9秒
燃費:47.6-55.5km/L
CO2排出量:49g/km
車両重量:2385kg
パワートレイン:V型6気筒2995ccターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:17.9kWh
最高出力:462ps(システム総合)
最大トルク:−
ギアボックス:8速オートマティック

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みんなのコメント

1件
  • まだモデル中期でのフェイスリフト?
    なんか、すごーく古臭く見えますが、、、、
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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