2016年11月にデビューしてから8年も経過しているのにもかかわらず、相変わらず人気のトヨタルーミー/ダイハツトール。なぜこれほどまでに売れ続けているのか? しかし、さすがにスズキも黙っていない。もう間もなく、アルファード似の押し出し感の強い、ソリオ、ソリオバンディットが登場予定。ここではルーミー/トール人気の秘密と、マイナーチェンジ版ソリオ情報、さらに次期ルーミーのスクープ情報まで盛りだくさんの内容でお届けしよう。
文:渡辺陽一郎、ベストカーWeb編集部/写真:トヨタ、ベストカーWeb編集部
登場から8年経過しているのにトヨタ[ルーミー]はなぜ人気??? アルファード似の最強オラオラ顔新型ソリオが間もなく登場で反撃開始!!!!!
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■2016年11月の発売から8年経ってもなぜ人気継続なのか、その秘密に迫る
コンパクトサイズだが背が高いルーミー。写真は標準ボディのX。後席スライドドアは乗り降りや荷物を積載する際に便利。回転半径も軽自動車並みの4.6mなので取り回しが抜群によい
トヨタルーミー(ダイハツ版はトール)は、全高が1700mmを上まわる背の高いコンパクトカーで、後席側にスライドドアを装着する。今では発売から8年を経過するが、小型/普通車販売ランキングで上位に入る、ある意味化けモノ的だ。
トヨタルーミーは2016年11月に兄弟車タンク/トールとともに誕生し、2020年9月のマイナーチェンジを期にタンクが販売終了となり、ルーミー/トールに集約された。
その後、2023年12月に発覚したダイハツによる型式指定の不正の影響から販売が一時停止。2024年4月に販売が再開されたが、2024年10月には再び販売が一時停止となったが2024年12月9日、主に法規対応に対する一部改良が行われた。
具体的には、後退時車両直後確認装置の装着義務化に伴い、9インチディスプレイオーディオおよびバックカメラを全車標準装備。
また後面衝突時の乗員保護新規要件適用に合わせて後面衝突時に燃料タンクへ干渉する可能性のあるスペアタイヤ(メーカーオプション)を廃止したほか「助手席リストアップシート車Bタイプ(車いす収納装置付き)」を廃止し、「いつでもウェルキャブ車いす収納装置」へ集約した。
押し出し感の強い顔を持つルーミーカスタム
ルーミーの直近の販売データを見ると、2024年11月は順位を下げたものの、10月はヤリス、カローラに続く3位(1万2868台)だった。ヤリスやカローラは、複数のボディを合計した台数だが、ルーミーはボディ1種類のみ。そこも踏まえると、発売から8年を経て販売ランキングの上位(3位、4位)に入る人気は凄い。
2020年が約12.2万台、2021年が約13.4万台、2022年が10.9万台、2023年が10.0万台と、毎年10万台超も売れている。月販班台数では2022年4月にはヤリスを抜いて1位(1万1108台)に輝いている。あまり目立たない地味なクルマだが、実はバカ売れしている大ヒット車なのである。
なぜルーミーは、このように息の長い人気を得ているのだろうか? 販売店に尋ねると以下のように返答された。
「ルーミーはいろいろなお客様が購入されています。ヤリスや以前のヴィッツに乗っていた方も子供ができるとルーミーに乗り替える方も多いですね。ノアやシエンタのようなミニバンのお客様も子供が成長して、ルーミーに乗り替えることもあります。天井の高いミニバンに乗り慣れると、背の低いコンパクトカーは窮屈に感じてしまうからではないでしょうか。N-BOXやタントのような背の高い軽自動車を検討しながら、小型車が欲しくてルーミーを購入するパターンもありますね」。
コメントに出てきたホンダN-BOXは、全高が1700mmを超えるスライドドアを装着した軽自動車で、国内販売の1位でもある。そしてN-BOXのライバル車になるスズキスペーシアやダイハツタントの販売も好調で、このような軽自動車のスーパーハイトワゴンは、国内の最多販売カテゴリーでもある。ルーミーは人気の高いスーパーハイトワゴンの小型車版だから、好調な売れ行きも納得できる。
驚くほど広くてウォークスルーも可能なインテリア。収納も多く、後席に小さな子供を乗せる機会が多い子育て世代には、ベストなコンパクトカー。小さなお子さんならば車内で立って着替えることも可能
そしてN-BOXからルーミーまで、スーパーハイトワゴンが人気を高めた理由は、広い室内と優れた使い勝手だ。天井の高いボディは車内も広く、大人4名でゆったりと乗車できる。後席を格納すれば、自転車のような大きな荷物も積みやすい。
さらにスライドドアを装着するから、子供を抱えている時でも乗り降りしやすく、子育て世代のユーザーに適する。乗降時に腰などを捩らずに済むため、高齢者にも優しい。ボディがコンパクトだから運転もしやすい。
ルーミーはこのようなスーパーハイトワゴンの特徴を備えるため、運転免許を取得した直後でクルマの運転に不慣れな若年層、子育て世代、さらにシニア世代まで、ほぼすべてのユーザーが便利に使える。そのために販売店のコメントにあったように、ヤリスのようなコンパクトカーからのアップサイジング、ノアのようなミニバンからのダウンサイジングも多く、好調な売れ行きに結び付いた。
デッキボードを跳ね上げ、フックをリアヘッドレストに固定すれば高さのある荷物の積載が可能。リアシートをダイブインさせてボード裏面にある防汚シートを展開すると室内を汚すことなく積み込めて便利
なかでもルーミーは、スーパーハイトワゴンの機能をさらに際立たせる装備も採用している。荷室には多機能デッキボードが備わり、これを反転させると、汚れを落としやすい素材が貼られている。
タイヤが汚れた自転車を積んだ後も、荷室の清掃をしやすい。収納設備も豊富で、子育て世代のファミリーユーザーが便利に使えるように配慮した。スーパーハイトワゴンの性格に合った商品開発を行って、購入する価値をさらに高めた。
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■前モデルから17万~20万円のアップだがそれでも買い得感は高い
2024年12月9日の一部改良で、9インチディスプレイオーディオおよびバックカメラを全車標準装備
価格にも注目したい。最も安価なX・2WDは左側スライドドアの電動機能、ディスプレイオーディオなどを標準装着して174万2400円に収まる。2024年12月の一部改良前に比べると17万~20万円ほど価格アップしたが9インチディスプレイオーディオおよびバックカメラを全車標準装備した。G・2WDになるとLEDヘッドランプ、右側スライドドアの電動機能、エアコンのオート機能なども加わり、価格は193万9300円だ。
この価格は、N-BOXで最も安価な標準仕様の168万9600円、ヤリスで売れ筋になる1Lノーマルガソリンエンジンを搭載した1.0Gの179万9000円、あるいは排気量が1.5Lに増えるヤリス1.5Gの195万3000円に近い。背の高いコンパクトカーでありながら、背の低いコンパクトカー、あるいは軽自動車のスーパーハイトワゴンと同等の価格で販売され、買い得度を強めた。
さらにいえば、2001年に前輪駆動になって発売されたミニバンのノア&ヴォクシーは、ベーシックなXの価格が189万円、買い得なノアX・GセレクションとヴォクシーX・Gエディションは199万円であった。
つまり2001年に発売されたノア&ヴォクシーと現在のルーミーは、ほぼ同じ価格帯に位置する。そして今の日本の平均所得は、2001年頃と大差はない。ファミリーユーザーがクルマを買う時にイメージする価格も、約200万円でさほど違わない。それなのにクルマの価格は高まり、ノアで最も安価なXでも267万円に達する。
今の新車は、衝突被害軽減ブレーキ、運転支援機能、サイド&カーテンエアバッグなどが標準装着されて安全性は飛躍的に高まった。価格が上昇するのも当然だが、現実の課題として、予算を超過したら購入できない。そこで2列シートではあるが、背の高いボディやスライドドアなどミニバン的な機能を備えたルーミーが注目を集めた。同じトヨタ車でコンパクトミニバンのシエンタも、ルーミーに比べて価格は高まるが、同様の理由で売れ行きは好調だ。
ルーミーは全長3705×全幅1670×全高1735mmという子育て世代にとってはちょうどいいサイズ
このほかルーミーが好調な理由として、ライバル車が少ないことも挙げられる。全長を4m以下に抑えながら全高を1700mm以上に設定した空間効率の高いコンパクトカーは、ルーミーとその姉妹車を除くと、スズキソリオとOEM車の三菱デリカD:2だけだ。ソリオは軽自動車を売れ筋にするスズキ車だから、小型車の印象は薄く、トヨタブランドのルーミーが圧倒的な売れ行きになった。
ただし商品力になると話は変わる。ルーミーは、スーパーハイトワゴンを中心に売れ行きを急増させた軽自動車にストップを掛けるべく、トヨタの意向も踏まえて約2年間の短期間で開発された。
そのために2016年11月の発売時点で、走行安定性、乗り心地、動力性能、ターボエンジン車のノイズなどに不満を感じた。発売から8年以上を経過した今では、走りの不満はさらに高まり、後席の座り心地や安全装備にも古さが生じている。
■新型ソリオはどんなモデル?
2025年1月にマイナーチェンジ予定のソリオ。左が標準ボディのソリオ、右がソリオバンディット。両モデルともに押し出し感が強い顔で売れそうだ
ここでルーミー/トールの最大のライバル車、スズキソリオの最新情報をディーラーから入手したのでお伝えしよう。2025年1月10日、東京オートサロンで、ソリオのマイナーチェンジモデルが先行披露される予定だ。
ノーマルとバンディットという2本立ては変わらないものの、ノーマルモデルが横基調、バンディットが縦基調のかなり押し出しの強いデザインに変更。内装はほとんど変わらないものの、待望の電子パーキングブレーキにブレーキホールド機能。さらには側方の車両を検知するブラインドスポットモニターまで装備する。価格は20万円ほど価格アップされる模様。
特にソリオバンディットはアルファード並みのオラオラ顔
エンジンは4気筒から3気筒に変更されるものの、スイフトにすでに搭載されているエンジンで燃費には定評のあるものに。おそらくWLTCモードで20km/Lは優に超えると予想。
■次期ルーミー/トールはどうなるのか?
搭載されるパワーユニットは1.2L、直3+モーターになる可能性が高い。低燃費に期待(ベストカー編集部制作の予想CG)
文/ベストカーWeb編集部
では、次期ルーミー/トールはどうなるのか? ダイハツによる認証不正を受け、開発や認証に関しては、今後はトヨタが責任を持ち、ダイハツはトヨタから受託して開発を行う体制へ変更となる。ダイハツが小型車開発を行うことはこれまで通りだが、具体的にどのように変わるのか、まだ不透明だ。
現行モデルのパワートレーンは、ダイハツ製の排気量1L、直3エンジンで、WLTCモード燃費はターボ版が16.8km/L、NA版が18.4km/L。ちなみにヤリスは1.5L、直3NAエンジンで21.3km/L、ロッキー/ライズが1.2L、直3、NAエンジンで20.7km/L、現行のロッキーe-スマートハイブリッドは28.0km/Lだから、新型ルーミー/トールに積むことになればそれ以上の燃費になることが期待される。
ハイブリッドシステムは、トヨタのシリーズパラレル式ハイブリッドではなく、ロッキー&ライズで採用されたシリーズハイブリッド、e-スマートハイブリッド搭載モデルのみとなる。エンジン排気量はロッキー&ライズと同じ1.2Lもしくは1Lのどちらかになるだろう。
新型ルーミー/トールの発売は、ダイハツの認証不正問題の再発防止策として発表された「開発スケジュールを従来比1.4倍とした標準日程を制定」や「法規認証室(試験グループ)の人員を2023年1月比7倍へ増員」ということもあり、急がずにしっかりとしたクルマ作りが行われるだろう。
こうしたことを鑑み、早ければ2027年秋頃になると予想。つまり、現行モデルを2027年まで販売するということだ。最新情報によれば、そのまま販売するのではなく、2025年にビッグマイナーチェンジを受けるという。新生ダイハツが作るルーミー/トールに期待して待ちたい。
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ジャスティはともかくとしても、本家であるダイハツのトールすら実質的に同じクルマなのに影が薄い。