岩佐歩夢が、2025年も引き続きスーパーフォーミュラの参戦することになった。所属チームは今年と同じTEAM MUGENだが、HRC(ホンダ・レーシング)の渡辺社長によれば、マシンのカラーリングは”レッドブル”ではなくなるという。
岩佐は2024年シーズン、スーパーフォーミュラに参戦しながら、F1の週末にはイギリスのミルトンキーンズに赴き、シミュレータドライバーとしてRBを中心にチームの活動を支えた。日本GPとアブダビGPのFP1、そしてアブダビで行なわれたポストシーズンテストでは、RBのF1マシンを実際に走らせた。
■岩佐歩夢、スーパーフォーミュラでの1年に幕「悔しいが充実した1年だった。世界の頂点に向け、もっと速く強くなった自分をお見せできるよう頑張る」
そんな岩佐は、スーパーフォーミュラ最終戦を終えた直後、来季については「色々とお話はいただいていますが、確約はまだないです」「ただ、F1の舞台で戦い、そこでトップを狙うという目標は変わらない」と語っていた。
そして12月11日に都内で行なわれたHRCの2025年四輪モータースポーツ参戦体制発表会の場で、岩佐が来季もスーパーフォーミュラに、TEAM MUGENから参戦することが明らかにされた。
「今年スーパーフォーミュラでルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した岩佐歩夢選手は、スーパーフォーミュラへの参戦を続けながら、いつF1でのチャンスが巡ってきても戦える準備をしていきます」
発表会の壇上で、渡辺社長はそう明かした。
発表会終了後に、このことについてさらに詳しく尋ねると、渡辺社長はmotorsport.comに対して、次のように説明した。
「岩佐選手は、基本的には今シーズンと同じパッケージのクルマに来年も乗ります。しかし、レッドブルのリバリーではありません」
これまで岩佐は、ホンダの育成ドライバーでもあり、レッドブルの育成ドライバーでもあるという立場で活躍してきたドライバーだ。
しかしホンダとレッドブルの関係は、F1パワーユニット供給も含めて2025年末を最後に解消……2026年からホンダはアストンマーティンと、そしてレッドブルはフォードと、新たな道を進んでいくことになる。
それに伴い、ホンダとレッドブルはこれまで共同で行なってきたドライバー育成プログラムを2024年限りで終了する予定だが、渡辺社長は10月にmotorsport.comのインタビューに応じた際、岩佐に関しての部分のみ、レッドブルとHRCの協力関係が2025年も残る可能性について、「レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコ博士と相談している」と明かしていた。
この相談に決着がつき、岩佐の2025年の立場が明確になった。
「基本的には今年と同じように、レーシングブルズ(RB)でシミュレータドライバーという役割を中心にして、チームをサポートしていくことになります」
そう渡辺社長は語る。
「そしてスーパーフォーミュラへの参戦は、レッドブルとHRCの共同育成プログラムということではなくなります。ただ、彼がTEAM MUGENの15号車に乗るということについては、HRCもレッドブルも”了解した”ということです」
「ホンダの育成ドライバーであり、レッドブルの育成ドライバーであるということについては変わりません。ただ、TEAM MUGENの15号車がそういう位置付けのクルマではなくなるということです」
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