7月29日、スバル BRZが正式発表された。価格やグレード体系が明らかになり、全国のスバル販売店で注文を受け付けている。デリバリー開始は8月下旬となり、新型BRZが街中を走り出す姿を、9月頃から見ることができそうだ。
一方で、兄弟車となるトヨタ GR 86は、少し遅れたスタートを切るようだ。先ごろ試乗会がおこなわれ、走りの進化は疑う余地がなく、さらにクルマとしての質感も高まっている新型GR 86。
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今回は、筆者の取材により明らかとなったグレード体系や、それぞれの詳細な装備など、新型86の走り以外の部分にスポットを当てて、詳報をお伝えする。
文/佐々木亘
写真/池之平昌信、TOYOTA
【画像ギャラリー】10月に新型GR86登場!! 新型に生まれ変わったトヨタGR86とスバルBRZをみる
新型GR 86の登場は10月で確定
2021年10月下旬、新型GR86は正式発表される見込み。8月中旬には価格が発表され、同月下旬に予約受注受付開始されることが判明した
エンジン排気量が2.0Lから2.4Lへ上がり、0-100km/hの加速性能は7.4秒から6.3秒へと短縮されるなど、エンジンや走行性能に磨きをかけた新型GR 86。BRZと車両特性が少し変えてある点などは、既報のとおりだ。
7月末に登場したBRZに遅れること約1か月、ついにGR 86も予約受注が始まる気配が出てきた。新型86発表までのスケジュールは以下の通りだ。
●8月中旬/価格発表
●8月下旬:予約受注受付開始
●10月18日:GR 86生産開始
●10月下旬:GR86正式発表(記者発表)
(筆者調べ)
なお、各販売店への展示車、試乗車等のデリバリーは、記者発表より少し遅れる可能性がある。メーカーとしては、販売店での内覧会を11月中旬に、そして店頭発表会は12月初旬に行いたいようだ。
もうすぐ価格発表となり、トヨタディーラー営業マンの端末に、見積りや注文書を作成するためのデータベースが配信されるだろう。注文開始とともに、販売店に駆け込む86ファンも多いのではなかろうか。
新型BRZは2グレードだが86は3グレードで販売展開
新型BRZには2つのグレードが用意されており、AT仕様にはアイサイトが装備される。ボディカラーにはBRZを象徴する「WRブルー・パール」が用意されている
BRZは、スタンダードモデルの「R」、ハイパフォーマンスモデルの「S」という2グレードが用意されている。
対して86は、上位グレードから「RZ」・「SZ」・「RC」と、3グレードが用意される予定だ。2015年のマイナーチェンジで廃止された「RC」グレードが、GR 86で復活する。
全グレード共通で、2.4L水平対向D-4Sエンジンを搭載し、駆動方式はFRだ。トランスミッションは、「RZ」と「SZ」では6速MTか6速スポーツAT(パドルシフト付)のどちらかを選択でき、「RC」は6速MTのみの用意となる。
サスペンション形式はグレードごとに違いはなく、フロントにマクファーソンストラット式、リアにダブルウィッシュボーン式を採用した。
GR86には、3つのグレードが用意され、タイヤ・ホイールがそれぞれ異なる。最上級グレード「RZ」には215/40R18サイズのタイヤとマットブラック塗装を施したアルミホイールが装着される
タイヤ・ホイールは、各グレードで大きく異なる。「RC」では205/55R16サイズのタイヤに、6.5Jのスチールホイールを装着。「SZ」では215/45R17サイズのタイヤに、7.5Jの切削光輝+ブラック塗装のアルミホイールを装着する。最上級の「RZ」では、215/40R18サイズのタイヤに、7.5Jのマットブラック塗装を施したアルミホイールが装着される。
ヘッドランプは全グレードでLEDを採用。「RZ」にはリアフォグランプが標準装備され、「SZ」ではディーラーオプションの設定となる。(RCではディーラーオプション設定もなし)
「RZ」のシートは、本革とウルトラスエードのコンビシートが与えられ、「SZ」と「RC」ではファブリックが採用された。「RZ」にのみ、シートヒーターが標準装備される。また、「RZ」はドアトリムに毛足が短く、耐久性に優れた人工皮革のブランノーブ2を採用する。
写真は、GR86「RZ」グレードの車内。メーカーオプションとして、内装色ブラック×レッド(レッドステッチ)が設定されている。標準色はブラック、スケッチ色はシルバーとなる
目を引く内装色のブラック×レッド(レッドステッチ)は、「RZ」グレードでメーカーオプションとして設定される模様だ(標準色は、全グレードでブラック、ステッチ色はシルバー)。ペダルにはスポーツアルミペダルを標準装備し、室内のスポーティな雰囲気をさらに高めている(「SZ」はメーカーオプション)
ステアリングホイールは、全グレードで本革巻となり、シフトレバーとパーキングブレーキレバーには、「RZ」と「SZ」で本革巻が、「RC」ではウレタン素材が使われるようだ。メーターは全グレード共通で、デジタルメーターが装備される。
その他、「RZ」には8スピーカー、「SZ」には6スピーカー、「RC」では2スピーカーが装備される。クルーズコントロールは「RZ」と「SZ」のMTモデルでは定速仕様、ATモデルでは全車速追従式を採用した。「RC」にはクルーズコントロールの装備はない。
また、運転支援システムEyeSightをATモデルのみで採用(MT用は後発で設定予定)し、後側方警戒支援システムを備えている。
ボディカラーは全7色だ。有償色には、86専用色のスパークレッドと、BRZと共通色のクリスタルホワイトパールを用意する。
クリスタルブラックシリカ、サファイアブルー、アイスシルバーメタリック、マグネタイトグレーメタリックの4色はBRZと共通の標準色だ。さらにトヨタ専用色としてブラントブルーが、新しく追加された。
「86=レッド」を強く印象付ける
初代から86のボディカラーは赤、BRZは青というイメージが強い。今回の新型でも赤に対するこだわりが強く、86専用有償色であるスパークレッドを新規開発した
初代から、86といえば赤、BRZは青のイメージが強い。
新型GR 86でも、赤に対してのこだわりは強く感じられる。BRZとは異なる、86専用の有償色であるスパークレッドを新規開発し、最上級のRZにはレッドを印象的に配置した、エモーショナルな内装をオプション設定する。
レッドステッチを、シート、ドア、ステアリング、シフトブーツ、パーキングブレーキに採用し、専用のレッドカーペットを備える徹底ぶりだ。乗り味と同様に、BRZよりも派手さが目立つのがGR 86だろう。
兄弟車であるBRZとGR 86だが、走りも装備も、キャラクターは違う。特にGR 86は、カスタマイズやモータースポーツ、そして86オーナー同士のファンコミュニティを、初代から引き継ぎ、さらに育てていきたい考えに見えた。
BRZは大人のクーペとしても楽しめそうだが、GR 86はクーペというよりもスポーツカーという呼び方が似合いそうである。
注文開始まで、あと数週間。GR 86の新情報がわかり次第、またお伝えしていきたい。
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