現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 達成感ありまくり!! 激レア車種を売ったセールスマン奮闘秘話

ここから本文です

達成感ありまくり!! 激レア車種を売ったセールスマン奮闘秘話

掲載 11
達成感ありまくり!! 激レア車種を売ったセールスマン奮闘秘話

 期間限定や台数限定など、クルマにも希少性が高いモデルやグレードがある。また時に「誰が買うの? このクルマ」と思える個性豊かなクルマが発表される。こうしたクルマは極少数が販売され、すぐに生産終了し、後に希少車と呼ばれるクルマになるのだ。

 こうしたレアな車種は街中で見るだけでも難しい。ましてやそのクルマを売る機会に巡り合うのは、宝くじにでも当たったような気分になるものだ。自動車セールスの事情に詳しい筆者が、レア車種を売ったセールスマンの奮闘記を紹介していこう。

700万円超えでも6倍の申し込み!! GRMNヤリスは何が惹きつけるのか!? どんな人が買うの!?

文/佐々木 亘、写真/TOYOTA、LEXUS、ベストカー編集部

■激レア車種を売るセールスマンの共通点は「聴く力」

少数しか取り扱われない限定車や、一部のユーザー支持しか集めない不人気車。どちらも販売する機会は非常に少ないが、中にはそれらのレア車を何度も売るセールスマンもいる(画像はレース参戦車)

 少数しか取り扱われない限定車や、用途が限定され一部のユーザー支持しか集めない不人気車。どちらもレアなクルマであり、こうしたクルマを販売する機会は非常に少ない。

 しかし中には、何度も限定車や滅多に売れないレア車を売るセールスマンがいる。セールスマンの年齢、性別、性格などは様々だが、聴く力が高いという共通項があるのだ。

 クルマの営業にかかわらず、セールスマンにとって重要なのは「聴く力」(相手の要望や希望を聞き取る、想像する力)だろう。このスキルが高いセールスマンは、強めの営業をせずに、自然と商品が売れていく。

 不人気車や個性的なクルマたちを商談している間に、気が付いたら契約まで進んでいたということも多いそうだ。筆者の周りでレア車を売るセールスマンは、総じて聞き上手な人が多かった。

■超細かな仕様を間違えずに入力せよ! LFA販売の緻密な仕事

レクサス LFA。国内ではわずか165台が販売された希少車だ(画像はレース参戦車)

 ときに激レア車種の販売では、素早く正確に仕事をこなす技術が必要となる。筆者が見た、最高レベルに緻密な商談は、レクサスLFAだ。

 国内ではわずか165台の販売で、抽選により購入者が決められた国産スーパーカーである。3750万円(ニュルブルクリンクパッケージは4450万円)という車両本体価格にも驚くが、セールスマンとして閉口するのが、LFAの仕様の細かさだ。

 ボディカラーは標準色が10色で、オプション色が20色、ステアリンググリップやシート、ドアトリムやセンターコンソールは各12色、ホイールは3種類、ブレーキキャリパーは6色と、これだけで途方もないパターンになることがお分かりだろうか。

 これを一つ一つ注文書に手入力し、オーナーの要望と間違いないかを確認する。

 当時、旗艦店であったレクサス高輪には、LFAのミニカーが用意され、各種部品を取り外し、完成車と同じ仕様のミニカーを制作しながら商談を進めることができたが、これはレクサス高輪だけの話。

 その他の地方にあるレクサス販売店では、こうしたミニカーの用意はなく、カタログと一部のサンプル品だけを用いて商談を進めている。

 限定車の多くは、大まかな仕様があらかじめ決まっているものが多い。しかし、フルオーダーメイドに近いLFAでは、今までにない緻密な注文書の作成が必要となった。全国で約100回以上も、こうした細かい作業が行われていたかと思うと、想像しただけで胃が痛む。

 奮闘の結果、完成したLFAをオーナーと一緒に見る瞬間は、営業マンの感慨もひとしおだ。

■奇抜な限定車は売るのが怖い

いまだ記憶に新しいピンククラウン

 台数が限定されるレアなクルマには、高額車両が多い。例えばトヨタ・オリジンや記憶にも新しいピンクのクラウンがこれにあたる。

 こうした特別なクルマたちは、キャンセルを絶対に避けなければならない。筆者が思い出すのは、ピンククラウンの注文だ。台数限定ではなく期間限定で販売されたピンククラウンは、希望すれば誰でも購入できるクルマだった。

 クラウンでも色はピンク、誰もが気軽に乗れるものではない。また、ピンクという色から、数年後の査定金額もどうなるか分からなかった。ピンククラウンは各店で慎重に販売された限定車だ。

 bBのオープンデッキなども、慎重な注文を迫られたクルマだったという。

 当時このクルマを販売した先輩営業マンは、契約書を取り交わす際に、担当営業の自分、担当課長、副店長、店長など、上司が勢ぞろいして1人のお客様に対応した思い出を話してくれた。何度も注文していいのかと上司に確認され、最終的には上司が、その目で契約を確認しにきたという。

 最初は課長だけだったが、時間経過と比例して商談の席にはどんどんと上司が集まってくる。最終的にはお客様を囲むようになってしまい、お客様が裁判を受けている人のように見えて、なんだか申し訳なかったと語っていた。今もそのお客様はお得意様の一人で、当時の商談は笑い話の一つのようだ。

 筆者はクルマの販売現場で働き、様々なドラマを見てきた。その中に一つとして同じ商談は無い。中でも取り扱いが少ないクルマを売った記憶は、今でも鮮明に覚えているものだ。希少性の裏に隠れたリスクを背負いながら、激レア車種の商談は行われる。

 昨今はめっきりと減った激レア車種。こうしたクルマを販売する機会を与えられたセールスマンは、後にも先にも経験できない「貴重」な体験をさせてもらったのだろう。

こんな記事も読まれています

碓氷峠最速の男は俺だ! 新井大輝選手が堂々の総合優勝 でも一悶着あったってマジ?
碓氷峠最速の男は俺だ! 新井大輝選手が堂々の総合優勝 でも一悶着あったってマジ?
ベストカーWeb
酷暑日要注意! うっかりNG行為と夏本番までに必ずやっておきたい寿命を長くするメンテナンスとは
酷暑日要注意! うっかりNG行為と夏本番までに必ずやっておきたい寿命を長くするメンテナンスとは
ベストカーWeb
MotoGPマシンがスーパーバイクに負ける日は来ない? 排気量ダウンで懸念もFIM会長は自信示す
MotoGPマシンがスーパーバイクに負ける日は来ない? 排気量ダウンで懸念もFIM会長は自信示す
motorsport.com 日本版
トヨタ新型「スポーツコンパクト」発表! 全長4.3m以下ボディ&6速MTの設定アリ! ブレンボ製ブレーキも搭載の「GR86」墨に登場
トヨタ新型「スポーツコンパクト」発表! 全長4.3m以下ボディ&6速MTの設定アリ! ブレンボ製ブレーキも搭載の「GR86」墨に登場
くるまのニュース
シッカリと説明できる? 交通違反の罰金と反則金の違いを徹底解説
シッカリと説明できる? 交通違反の罰金と反則金の違いを徹底解説
バイクのニュース
ピニンファリーナ、ハイパーEV『バティスタ』展示…架空の億万長者「ブルース・ウェイン」の自宅に
ピニンファリーナ、ハイパーEV『バティスタ』展示…架空の億万長者「ブルース・ウェイン」の自宅に
レスポンス
工夫の塊[新型スイフト]はちょっと不便!? 正常進化も[リアに室内灯なし]!! トラウマになってるクルマって?
工夫の塊[新型スイフト]はちょっと不便!? 正常進化も[リアに室内灯なし]!! トラウマになってるクルマって?
ベストカーWeb
オコンの後任どうする? アルピーヌが重要視するのは“仲良しコンビ”にあらず「プロフェッショナルなドライバーが必要」
オコンの後任どうする? アルピーヌが重要視するのは“仲良しコンビ”にあらず「プロフェッショナルなドライバーが必要」
motorsport.com 日本版
クルマの個人売買で目にする「予備検」ってなに? 検査せずとも車検がとれる仕組みとは
クルマの個人売買で目にする「予備検」ってなに? 検査せずとも車検がとれる仕組みとは
WEB CARTOP
クラッチ操作不要の「E-Clutch」はDCTと何が違う? なぜ「CB650R/CBR650R」に初採用? ホンダ開発陣に聞いた
クラッチ操作不要の「E-Clutch」はDCTと何が違う? なぜ「CB650R/CBR650R」に初採用? ホンダ開発陣に聞いた
レスポンス
「めちゃくちゃ変わった」 宝塚IC接続の「尼宝線」大改造が完了 IC渋滞ゼロ「効果絶大」の声
「めちゃくちゃ変わった」 宝塚IC接続の「尼宝線」大改造が完了 IC渋滞ゼロ「効果絶大」の声
乗りものニュース
なぜ「ETCレーン」でバーがあがらない? “突破”しても良い!? 「正しい対処法」とは
なぜ「ETCレーン」でバーがあがらない? “突破”しても良い!? 「正しい対処法」とは
くるまのニュース
高速道路を乗り降り自由!? 料金も半額以下に!? ETC周遊割「ドラ割」「速旅」「みち旅」って何? 使い方と注意点とは
高速道路を乗り降り自由!? 料金も半額以下に!? ETC周遊割「ドラ割」「速旅」「みち旅」って何? 使い方と注意点とは
VAGUE
50ccエンジンバイクの新車が国内から消える!! 二重規制で2025年6月に前倒しか?
50ccエンジンバイクの新車が国内から消える!! 二重規制で2025年6月に前倒しか?
バイクのニュース
ルクレール、スペインGPでレッドブルの復調を予想。これからは四つ巴の優勝争いが見られる?
ルクレール、スペインGPでレッドブルの復調を予想。これからは四つ巴の優勝争いが見られる?
motorsport.com 日本版
フェラーリのカリスマ、ルカ・ディ・モンテゼーモロが成し遂げたこと 【第10回】フェラーリへの愛
フェラーリのカリスマ、ルカ・ディ・モンテゼーモロが成し遂げたこと 【第10回】フェラーリへの愛
AUTOCAR JAPAN
脱「コの字」型ヘッドライト採用! [新型フォレスター]は新世代スバルSUVの旗手となるのか?
脱「コの字」型ヘッドライト採用! [新型フォレスター]は新世代スバルSUVの旗手となるのか?
ベストカーWeb
FIAがスーパーライセンス規則を変更、17歳でF1参戦が可能に。注目されるアントネッリのF1プランへの影響
FIAがスーパーライセンス規則を変更、17歳でF1参戦が可能に。注目されるアントネッリのF1プランへの影響
AUTOSPORT web

みんなのコメント

11件
  • >>最終的にはお客様を囲むようになってしまい、お客様が裁判を受けている人のように見えて、なんだか申し訳なかった
    という箇所。
    このフレーズだけだったら、悪徳業者が気の弱い客をとり囲んでるように読めるけど、実際は真逆。
    売る側の方が『ホントに買う気?』て不安になってたってとこが意外。
    ピンククラウンって、騙すか脅すかして売りつけたんじゃないかと思い込んでいたけど。ここにお詫びして訂正します。

    人の趣味や嗜好って、ほんとに多様なんだなって、つくづく思いました。


  • ベストカーと言うだけで、まともに記事読む気が失せる

※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

3750.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

-万円

中古車を検索
LFAの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

3750.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

-万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村