現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > アウディが「RS Q e-tron」でダカールラリー2022に参戦、好成績でゴール

ここから本文です

アウディが「RS Q e-tron」でダカールラリー2022に参戦、好成績でゴール

掲載
アウディが「RS Q e-tron」でダカールラリー2022に参戦、好成績でゴール

アウディ史上もっとも高度な構造をもつレースカーが、ダカールラリーの炎暑の中、素晴らしい成績を残した。サウジアラビアでデビューし、世界でもっとも過酷なオフロードラリーに参戦した3台のAudi RS Q e-tronは、すべての車両が優秀な成績をおさめゴールした。

3台が砂漠を走った合計距離は2万4,000kmに達した。これはアウディが実地テストを行った8,700kmの約3倍に相当する。マティアス エクストローム/エミール ベリークヴィスト組は、過酷なコンディションとなった今回のダカールラリーにおいて、アウディ勢最高となる総合9位を獲得。eモビリティ時代の到来に合わせ、アウディはオフロードラリーの世界においても新境地を切り開いた。

有終の美を飾れるか?ホンダがF1バーレーンGPに向けて新型マシンの公式テストをスタート

AUDI AG 技術開発担当取締役のオリバー ホフマン氏は、次のように述べている。

「アウディは、今回のダカールラリーで、スタート時点からパイオニアとしての役割にふさわしい走りを見せました。電動ドライブトレイン、高電圧バッテリー、そしてきわめて効率的なエネルギーコンバーターを組み合わせたAudi RS Q e-tronに採用された代替駆動コンセプトは、私たちのあらゆる期待に応えてくれました。アウディは、この世界でもっとも過酷なラリーを含め、40年以上の長きにわたり、革新的なテクノロジーでモータースポーツの世界に繰り返し感動を与えてきました」

アウディは、わずか1年余りでRS Q e-tronを開発し、準備を整えた。きわめて効率的な電動パワートレインを搭載した3台のAudi RS Q e-tronは、低排出ガス車両を対象として新設されたT1アルティメットクラスに参戦し、複数のステージ優勝を達成し、歴史を刻んだ。

ダカールラリーで世界最多記録となる14回の優勝経験を持つステファン ペテランセル選手は、このドライブトレインがもたらす感動について、次のように要約している。

「私は砂漠で数多くのコンセプトカーを走らせてきましたが、Audi RS Q e-tronは飛び抜けてセンセーショナルなクルマでした。大きなトルクを発生する電動駆動システムは、私のドライビングスタイルに完璧に合っています」

同じフランス国籍のコドライバーであるエドゥアール ブーランジェ選手とともに完走を果たしたペテランセル選手は、第10ステージを制した。ダカールラリーにおける彼のステージ優勝は、これで通算82回目となる。

しかし、レース序盤のダメージにより、昨年ダカールラリーを制したペテランセル選手でさえ、上位入賞は困難な状況に追い込まれた。彼は、第2ステージで岩に当たり、リムを破損し、サスペンションにも大きな損傷を受けた。修理が完了した時点で、ステージ最長時間を超過したことによるペナルティを課され、ペテランセル選手は最後尾からのスタートを余儀なくされた。それ以降、ペテランセル選手とブーランジェ選手はチームのことを最優先に考え、チームメイトのサポートに徹した。

カルロス サインツ選手は、そのサポートの直接的な恩恵を受けた。第4ステージから第6ステージの間で何度も行ったショックアブソーバーの交換作業もそれに含まれる。同郷のスペイン人、ルーカス クルス選手がナビゲーションを担当したサインツ選手の車両は、すでに第3ステージでアウディの歴史に新たな記録を残した。

サインツ選手は、アル アルタウィヤからアル カイスマに至る過酷なルートで、Audi RS Q-tronにステージ初勝利をもたらした。そして、8日後にも再度ステージ優勝を果たす。サインツ選手は、次のようにコメントしている。

「とくにレース後半では、典型的なダカールラリーのルートが続きました。オフロード、大小の砂丘、そして方向感覚を失わせる風景の組み合わせは、きわめて多様で要求の厳しいものでした。私たちはエンジニアの協力により、ラリー期間中も車両セットアップの改善を続けました。すべてのスタッフに本当に感謝しています」

世界ラリー選手権を2度、ダカールラリーを3度制覇した経験を持つサインツ選手もまた、各ステージで好成績を残したものの、総合で上位に入賞することはできなかった。レース2日目において、ロードブックの不正確なルート記述により、多くのナビゲーションエラーが発生。カルロス サインツ/ルーカス クルス組は2時間22分のタイムロスにより、最終的に12位でフィニッシュした。

マティアス エクストローム/エミール ベリークヴィスト組も同じ場所で道に迷い、1時間45分を失った。しかし、ダカールラリーに参戦するのは2度目で、自動車カテゴリーでは初参戦となるこのスウェーデン人ペアは、多くのことを学ぶことができたと語っている。DTM選手権を2回、世界ラリークロス選手権を1回制したエクストローム選手は、次のようにコメントしている。

「チームメイトが、数多くのヒントを教えてくれました。そして、リズムも日々良くなっていきました。砂丘は、あいかわらず私にとって大きな挑戦です。その点で、ステファンとカルロスは、長年の経験によるアドバンテージを持っています。私はつねに安全を優先し、あまり激しくアタックをしないように心がけました」

結果的には、砂漠の経験がもっとも少ないチームが最高位を残すことができた。このスウェーデン人ペアは、最初の23位から9位まで順位を着実に上げた。第8ステージではステージ優勝、トップ3の表彰台にも2度上がった彼らは、あらゆるモータースポーツの中でもっとも経験が求められる砂漠のラリーで、着実な成長を見せた。

チームAudi Sportは、Q-Motorsportと協力してダカールラリーの準備と参戦を行なった。スヴェン クヴァント氏が率いるこのチームは、数十年にわたる参戦実績を持っている。Q-Motorsportマネージングディレクター兼チーム代表のスヴェン クヴァント氏は、次のように語っている。

「この野心的なプロジェクトを実現し、協力して最初から結果を出せたことに対し、アウディに感謝しています」

Audi Sport GmbHマネージングディレクター兼アウディ モータースポーツ部門統括責任者のユリウス シーバッハ氏は、以下のように述べた。

「私たちのドライバーチームは4つのステージ優勝を獲得し、毎日の表彰台には合計14回も上ることができました。この結果は、ダカール初参戦の私たちの期待を上回る結果です。現地のチームだけでなく、ドイツ国内の関係者も含めて、感謝したいと思います。またスヴェン クヴァントと彼のチームのサポートに感謝します。3日目という早い段階で、カルロス サインツのAudi RS Q e-tronが歴史的な優勝を収めたことは、情熱的な努力の賜物であり、このコンセプトがダカールラリーで総合優勝できる能力を備えていることを証明するものです。

アウディは、電動駆動コンセプトでステージ優勝を収めた初めてのチームとなりました。これは、素晴らしいチームパフォーマンスの結果です。次のダカールでの目標は、総合優勝です。ドイツに戻ったら問題点を洗い出し、Audi RS Q e-tronをさらに改善して、さらにいくつかのレースに投入する予定です」

関連情報:https://www.audi.co.jp/

構成/土屋嘉久(ADVOX株式会社 代表)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

こ、これアウトランダーじゃね!? 決算説明から見えた[日産PHEV第1号車]は三菱からのOEMか?
こ、これアウトランダーじゃね!? 決算説明から見えた[日産PHEV第1号車]は三菱からのOEMか?
ベストカーWeb
日産「フェアレディZ」にワゴンが登場!?  実は「ステージア」ベースで「リーフ」リアゲートを移植…車検をとって公道走行可能なカスタムカーでした
日産「フェアレディZ」にワゴンが登場!? 実は「ステージア」ベースで「リーフ」リアゲートを移植…車検をとって公道走行可能なカスタムカーでした
Auto Messe Web
実はサーキットより面白い? 本気のオフロード走行のススメ SUV人気の裏にある魅力
実はサーキットより面白い? 本気のオフロード走行のススメ SUV人気の裏にある魅力
AUTOCAR JAPAN
「オートモビリア」って、なに? ミニカーや古本などがずらりと並んだ「アミューズメントゾーン」にはキャンギャルも登場して熱気に包まれてました
「オートモビリア」って、なに? ミニカーや古本などがずらりと並んだ「アミューズメントゾーン」にはキャンギャルも登場して熱気に包まれてました
Auto Messe Web
「これが売れなかったら四輪撤退…」→超ロングセラーに! 世界の「シビック」を生んだ“妙な納得感のある理論”とは
「これが売れなかったら四輪撤退…」→超ロングセラーに! 世界の「シビック」を生んだ“妙な納得感のある理論”とは
乗りものニュース
沼にハマる 『レトロモビル2025』でフランス車の魅力に迫る 高い技術力と芸術的デザインの融合
沼にハマる 『レトロモビル2025』でフランス車の魅力に迫る 高い技術力と芸術的デザインの融合
AUTOCAR JAPAN
トヨタ「86」&スバル「BRZ」用クラッチは「歯打ち音」を低減!「ヤリス」用は半クラが扱いやすい…待望のアイテムが「小倉クラッチ」からリリース!
トヨタ「86」&スバル「BRZ」用クラッチは「歯打ち音」を低減!「ヤリス」用は半クラが扱いやすい…待望のアイテムが「小倉クラッチ」からリリース!
Auto Messe Web
帽子を焦がしたレーシングシャシー ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(1) バラバラからの再生
帽子を焦がしたレーシングシャシー ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(1) バラバラからの再生
AUTOCAR JAPAN
先端の「クマ」も再現 ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(2) 受賞多数のオープンボディ
先端の「クマ」も再現 ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(2) 受賞多数のオープンボディ
AUTOCAR JAPAN
トヨタ勝田貴元、惜しくも優勝逃す2位フィニッシュ……3.8秒差で僚友エバンスに軍配|WRCラリー・スウェーデン
トヨタ勝田貴元、惜しくも優勝逃す2位フィニッシュ……3.8秒差で僚友エバンスに軍配|WRCラリー・スウェーデン
motorsport.com 日本版
スズキの超ハイルーフ「本格SUV」に期待大!「ジムニー」超える“悪路走破性”に「まるで軍用車!?」な斬新デザイン採用! 日常から“アウトドア”まで大活躍の「エックスヘッド」コンセプトがカッコイイ!
スズキの超ハイルーフ「本格SUV」に期待大!「ジムニー」超える“悪路走破性”に「まるで軍用車!?」な斬新デザイン採用! 日常から“アウトドア”まで大活躍の「エックスヘッド」コンセプトがカッコイイ!
くるまのニュース
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
WEB CARTOP
被災3年…ついに架設スタート! 阿武隈川を渡る国道399号“軽くなる”新しい橋の姿は?
被災3年…ついに架設スタート! 阿武隈川を渡る国道399号“軽くなる”新しい橋の姿は?
乗りものニュース
“ランクル250”をハードコアにカスタマイズ!? オフロードチューニングのスペシャリストが最新コンプリートカー「AT37」を発表!
“ランクル250”をハードコアにカスタマイズ!? オフロードチューニングのスペシャリストが最新コンプリートカー「AT37」を発表!
VAGUE
FDJ2がMIDホイール一色に! 公式ワンメイク化でドリフトシーンに新時代到来!!…大阪オートメッセ2025
FDJ2がMIDホイール一色に! 公式ワンメイク化でドリフトシーンに新時代到来!!…大阪オートメッセ2025
レスポンス
【特集】レッドブルの非情なドライバー育成……しかし彼ら以上にドライバー育成に注力してきた存在はゼロ
【特集】レッドブルの非情なドライバー育成……しかし彼ら以上にドライバー育成に注力してきた存在はゼロ
motorsport.com 日本版
前の車との「車間距離」めちゃ大事! でも運転中「どうやって」測る!? 「高速」や「一般道」で適切な車間を取る方法とは
前の車との「車間距離」めちゃ大事! でも運転中「どうやって」測る!? 「高速」や「一般道」で適切な車間を取る方法とは
くるまのニュース
まるでリアルRPG!? 目指せ鈴鹿8耐優勝! レーシングライダー石塚健が新チーム立ち上げを発表
まるでリアルRPG!? 目指せ鈴鹿8耐優勝! レーシングライダー石塚健が新チーム立ち上げを発表
バイクのニュース

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村