現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 地味にアイサイトXより凄い!? 新型レヴォーグ 超進化ボディが実現した走りと乗り心地

ここから本文です

地味にアイサイトXより凄い!? 新型レヴォーグ 超進化ボディが実現した走りと乗り心地

掲載 更新 1
地味にアイサイトXより凄い!? 新型レヴォーグ 超進化ボディが実現した走りと乗り心地

 話題の新型車「スバル レヴォーグ」、実はアイサイトXや新エンジン以上に進化を遂げたボディが凄かった!?

 国産唯一のスポーツワゴンとして根強い人気を持つ「スバル レヴォーグ」が、第2世代に進化した。新型では、高度運転支援システム「アイサイトX」や新型1.8L直噴ターボエンジン、STIスポーツ専用の電子制御ダンパーなど、新メカニズムが満載。

元祖おしゃれバンらしさは健在? ルノー 新型カングーが世界初公開

 しかし、その走りや安全の基礎となるプラットフォームも実は大きく進化している。

 新世代スバルの走りの良さを生み出す次世代プラットフォーム「SGP(=スバル・グローバル・プラットフォーム)」とは何なのか。なぜSGPにフルインナーフレーム構造を組み合わせたのか。

 新型レヴォーグの開発者たちへのインタビューを通して、その秘密に迫った。

文/大音安弘、写真/池之平昌信、SUBARU

【画像ギャラリー】STI Sportの写真も! 次世代プラットフォームを採用し超進化ボディへと生まれ変わった新型レヴォーグ!!

■新しいスバルの要! 次世代プラットフォーム“SGP”は全車共通ではない?

新構造を取り入れた「SGP×フルインナーフレーム構造」へと進化した新型スバル レヴォーグ(写真はSTI Sport)

 走りの良さにも定評のあるスバルが、クルマの基礎となるプラットフォームを刷新したのは、2016年のこと。それが現行型インプレッサに採用する、次世代プラットフォーム「スバル・グローバル・プラットフォーム(SGP)」だ。

 その狙いは、当時、2025年までを見据えた優れた動的質感と高い安全性を実現することにあった。その後、SGPは、フルモデルチェンジした「XV」と「フォレスター」にも取り入れられている。

 ところが新型レヴォーグでは、早くも新構造を取り入れた「SGP×フルインナーフレーム構造」へと進化された。

 フルインナーフレーム構造を持つSGP車は、既存のSGP車と製造工程が異なるため、スバルは生産ラインの改修まで行っている。なぜ投入よりたった4年での大幅なアップデートが実施されたのだろうか。

 そもそもSGPへとプラットフォームを刷新の最大の理由は、フレームワークなどの簡単に変えることが出来ない基本的なプラットフォームの構造を一新することで、安全面を含め多角的な性能の向上が目的。

 スバルは、1つのプラットフォームで、コンパクトなインプレッサから北米向けの7人乗りミッドサイズSUV「アセント」までをカバーしているが、その守備範囲の広さはSGPにも引き継がれている。

 大きなクルマまでを見据えて開発しているから、一つのプラットフォームでも様々なクルマに対応できるのだ。

 ただ、ひと言でSGPといっても、すべてが共通ではないという。各車に共有する部分がある一方で、柔軟に専用部品も取り入れている。簡単に言えば、SGPは設計上のルールであり、それを守ることで、効率的かつ高性能なクルマ作りを行っているというワケだ。

■土台は同じでも専用化で実現した新型レヴォーグの剛性

新型レヴォーグが取り入れたフルインナーフレーム構造

 新型レヴォーグの場合も、SGPの設計思想は共通だ。しかし、リアオーバーハングの長いワゴンボディとなるため、インプレッサなどと同じ仕様で作り上げると、プラットフォームとボディの結合部が弱くなる。そこでボディの結合をより強固なものとするべく、新たにフルインナーフレーム構造が取り入れられていたのだ。

 もし既存のSGPのままでレヴォーグを設計すると、その効果が全て失われてしまうくらいボディ剛性は減少してしまうという。そのくらいボディサイズやワゴン形状の影響が表れるのだ。その課題を効率よく克服する秘策がフルインナーフレーム構造だったのである。

 しかし、開発者によれば、フルインナーフレーム構造は、決して新しいアイデアではないという。SGP構想の段階からの検討がされ、インプレッサなどのSGP車のフロントセクションには、インナーフレーム構造が取り入れられていると教えてくれた。それを全面的に採用したので、フルインナーフレーム構造と謳っているのだ。

 もちろん、SGPの良さは、インプレッサなどの最新車で証明されている。しかし、小さなボディでは、プラットフォームの強化が絶大な効果を生むが、ボディサイズが大きくなればなるほど、そのぶんはプラットフォームの強みが削られていく。

 そこでプラットフォームの良さを活かしつつ、ボディ全体でサポートすることで重量増を抑え、バランスを良くしている。これは土台のシャシーと上屋のボディが一体となるモノコックボディの特徴でもある。

 さらにいえば、構造接着剤もインプレッサからの採用しており、その成果が、レヴォーグの開発にも活かされている。ちなみに海外では、2019年にフルモデルチェンジが実施された北米版レガシィシリーズにも「SGP×フルインナーフレーム構造」が採用されている。

■ボディの進化で新型レヴォーグは何が進化した?

写真のSTI Sportはもちろん、エントリーモデルでも走りの楽しさは充分に味わえる

 気になる新レヴォーグの走りは、どう進化しているのか。

 新型レヴォーグの操縦安定性を担当した技術者によれば、現行型からの進化の幅をみると、エントリーの「GT」が最も大きいという。それを可能としたのは、やはりボディの良さだ。

 味付けについては、新型レヴォーグほどやり易かったクルマはなかったと断言するほど。それほどクルマの理想とする基本に忠実に作り上げられているということなのだ。

 かつてスバルも硬い足回りに仕上げていたが、今は柔軟に動かす足回りへと変化させてきた。その自然な動きを実現するには、ダンパーの減衰をしっかりと活かすことが大切となる。

 だから減衰性能を持たないボディが動いてしまうと、車体が安定せず、不快な動きとなってしまう。新型レヴォーグでは、自然な動きを可能とし、意のままに操れるクルマ。一言でいえば、乗りやすいクルマに仕上がっているという。

 開発時は、日本専用開発車ながら、世界各地での走行テストも実施。日本のフラッグシップに相応しい走りを磨いてきた。その恩恵が、エントリーモデルでも充分に味わえるというのは嬉しくなる。

 もちろん、STIスポーツの電子制御ダンパーでは、その素性の良さがより際立ち、特に路面状況の差が大きい公道だと、通常のダンパーと電子制御ダンパーの違いが分かり易いというから楽しみだ。

■新型レヴォーグで得た知見は他車種にも拡大

フルインナーフレーム構造を持つSGPは剛性を保ったまま、より軽量化することが可能となる。インプレッサなどのSPGで成立するモデルにも取り入れられていくだろう

 フルインナーフレーム構造を持つSGPは、既存のSGP車とボディ構造が異なるため、マイナーチェンジで取り入れていくことは難しい。

 ただ、将来的には、インプレッサなどのSGPで成立するモデルにも取り入れていくだろうとのこと。それはフルインナーフレーム構造を取り入れれば、板厚を薄くしても同じボディ剛性が得られるので、より軽量化が可能となるからだ。

 スバル車は、毎年磨き上げていくことを基本としているので、新型レヴォーグで得た様々な知見は、各車に受け継がれていくことになる。

 新型レヴォーグでは、走りと乗り心地という一見相反する魅力の両立が目指された。その縁の下の力持ちとなるのが、SGP×フルインナーフレーム構造を持つボディなのだ。

 そのことが理解できれば、STIスポーツに限らず、どの仕様の新型レヴォーグを選んでも、楽しい走りと快適さ、そして高い安全性が得られることが分かってもらえるはずだ。

 ぜひ、自身でもステアリングを握り、新型レヴォーグを試してみて欲しい。きっと劇的な進化に驚かされるはずだ。

【画像ギャラリー】STI Sportの写真も! 次世代プラットフォームを採用し超進化ボディへと生まれ変わった新型レヴォーグ!!

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

雪道で大型車また立ち往生!? タイヤ摩耗でズルズル…国交省が警告「非対応のオールシーズンタイヤでした!」チェーン着用を呼びかけ 各地で相次ぐ「対策不足」
雪道で大型車また立ち往生!? タイヤ摩耗でズルズル…国交省が警告「非対応のオールシーズンタイヤでした!」チェーン着用を呼びかけ 各地で相次ぐ「対策不足」
くるまのニュース
【インド】タタ新「ハリアー」に反響多数! 「ディーゼルターボ」&専用装備に「質感が最高すぎる」「ロゴがカッコいい」「走りが力強そう」の声! 豪華内装も魅力の「ステルスエディション」登場!
【インド】タタ新「ハリアー」に反響多数! 「ディーゼルターボ」&専用装備に「質感が最高すぎる」「ロゴがカッコいい」「走りが力強そう」の声! 豪華内装も魅力の「ステルスエディション」登場!
くるまのニュース
【BMW】国内初披露モデル多数! 大阪・東京モーターサイクルショーの出展概要を発表
【BMW】国内初披露モデル多数! 大阪・東京モーターサイクルショーの出展概要を発表
バイクブロス
GT300参戦のVELOREXが2025年体制とカラーリング、レースアンバサダーを発表
GT300参戦のVELOREXが2025年体制とカラーリング、レースアンバサダーを発表
AUTOSPORT web
「ジムニーノマドはエスクードの再現」スズキの鈴木社長は5ドアに思うところあり
「ジムニーノマドはエスクードの再現」スズキの鈴木社長は5ドアに思うところあり
レスポンス
日産「最新型セレナ」がスゴい! 「高性能4WD」&地上高アップした「イーフォース」に注目! 走破性向上した待望の「ハイスペックモデル e-4ORCE」 どんな特徴がある?
日産「最新型セレナ」がスゴい! 「高性能4WD」&地上高アップした「イーフォース」に注目! 走破性向上した待望の「ハイスペックモデル e-4ORCE」 どんな特徴がある?
くるまのニュース
燃費ナンバーワン[ヤリス]が超オススメ!! おじさんが[買うクルマ]の条件って
燃費ナンバーワン[ヤリス]が超オススメ!! おじさんが[買うクルマ]の条件って
ベストカーWeb
運転中に大地震が起きたらどうする? 正しい対処法と避難の仕方
運転中に大地震が起きたらどうする? 正しい対処法と避難の仕方
くるくら
ロータス・ロボティクス×カオカオモビリティ、ロボタクシーの自律走行プラットフォームを発表
ロータス・ロボティクス×カオカオモビリティ、ロボタクシーの自律走行プラットフォームを発表
LE VOLANT CARSMEET WEB
3列独立シート×フットレスト採用!? ゆったり&快適な移動に最適な新「SPACIA X NIKKO CRUISER」登場! 全18席「極上仕様」のハイグレード貸切バス、東武鉄道が運用開始
3列独立シート×フットレスト採用!? ゆったり&快適な移動に最適な新「SPACIA X NIKKO CRUISER」登場! 全18席「極上仕様」のハイグレード貸切バス、東武鉄道が運用開始
くるまのニュース
スズキ、湖西工場の一部ラインを3月11日まで稼働停止 中央発條の爆発事故で アルトやワゴンRに影響
スズキ、湖西工場の一部ラインを3月11日まで稼働停止 中央発條の爆発事故で アルトやワゴンRに影響
日刊自動車新聞
シビックタイプRをも凌ぐキレッキレのFFハッチ!! 腕のないやつお断りの「ジャジャ馬感」も魅力だったマツダスピードアクセラ
シビックタイプRをも凌ぐキレッキレのFFハッチ!! 腕のないやつお断りの「ジャジャ馬感」も魅力だったマツダスピードアクセラ
WEB CARTOP
700万円超え! マツダ「“新”ロードスター」年内に登場へ! 待望の「2リッター幌」は200馬力の「匠“手組みエンジン”」搭載モデルもアリ! 期待の「スピリット レーシング」どんなモデル?
700万円超え! マツダ「“新”ロードスター」年内に登場へ! 待望の「2リッター幌」は200馬力の「匠“手組みエンジン”」搭載モデルもアリ! 期待の「スピリット レーシング」どんなモデル?
くるまのニュース
「2100万はすごい…」発表から5か月越しのレクサス『LX700h』発売にSNS興奮
「2100万はすごい…」発表から5か月越しのレクサス『LX700h』発売にSNS興奮
レスポンス
ハースF1新加入のオコン、小松礼雄代表の献身に感銘「彼はとても熱心なんだ……すごいよ」
ハースF1新加入のオコン、小松礼雄代表の献身に感銘「彼はとても熱心なんだ……すごいよ」
motorsport.com 日本版
スタンドで給油中に「ガコンッ」! 謎の「衝撃音」で給油もストップ… 何が起きた? 無視して入れ続けてOKなの!?
スタンドで給油中に「ガコンッ」! 謎の「衝撃音」で給油もストップ… 何が起きた? 無視して入れ続けてOKなの!?
くるまのニュース
【MotoGP】大注目のルーキーとなった小椋藍。大胆抜擢トラックハウスのブリビオ代表が見出したのは「ダイヤモンドの原石」
【MotoGP】大注目のルーキーとなった小椋藍。大胆抜擢トラックハウスのブリビオ代表が見出したのは「ダイヤモンドの原石」
motorsport.com 日本版
“インラインフォー”こと「高性能な国産バイク」が搭載する“並列4気筒エンジン”の魅力とは? 代表モデル3台の気になる実力
“インラインフォー”こと「高性能な国産バイク」が搭載する“並列4気筒エンジン”の魅力とは? 代表モデル3台の気になる実力
VAGUE

みんなのコメント

1件
  • フルインナーフレーム構造と物凄い回数連呼しているが、
    どんな構造なのか一切書いていないのが凄い。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

310 . 2万円 576 . 4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

53 . 8万円 594 . 0万円

中古車を検索
スバル レヴォーグの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

310 . 2万円 576 . 4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

53 . 8万円 594 . 0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村