日本独自のアニメカルチャーが生み出した痛車「GDBインプ」
クルマのボディにアニメキャラなどが描かれているクルマを通称「痛車」といいますが、近年では痛車界隈も様変わりしているようです。痛車といえばランエボ、インプが多いイメージでしたが、令和の時代のベース車とはいかに? そんな痛車事情についても語ってくれたのがスバル「インプレッサ WRX STi」に乗る“ドラまた”さん。愛車についてもどのような仕様になっているのか話を伺ってみました。
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痛車の世界も多様性が進んでいる
街中でたまに見かける痛車にはどんな人が乗っているか? これは素朴な疑問として気になる方も多いはず。けれども痛車だからといって、何も特別なヒトが乗っているわけではない。彼らのほとんどがクルマとアニメの両方が好きなだけの人物だ。もちろん、その中には純粋にアニメが好きで痛車の世界観に誘われて入ったというオーナーもいるが、基本的には我々と同じクルマ好きであることに変わりないわけだ。
自由なカスタムから生まれ、その表現法をボディラッピングに見出し、自分好みの推しキャラを描く。痛車を楽しむ彼らに言わせれば、これはレーシングカーに施すカラーリングと同じ意味を持つ表現法である。そして、最近では、その世界観も少しずつ変化し、痛車をアートとして楽しむオーナーたちも増加。現在の痛車界は過去に例を見ないほどの多様性に満ちあふれていて、その世界観が注目されている。
今回紹介する2003年式GDB型スバル「インプレッサ WRX STi」乗りの“ドラまた”さんは、痛車イベントの運営スタッフとして活躍する人物。古くから痛車の分野に携わり、業界を見続けてきた彼は、アニメカルチャーから派生した日本独自の痛車文化の状況についてこんな話をしてくれた。
「昔はスポーツカーがわりと多かったけど、最近は車種バリエーションも増えて、セダン、ワゴン、ミニバン、輸入車乗りも増加中です。そして、推しのキャラクターについても、一時は偏り傾向が見られましたが、現在は、注目すべきアニメの増加に伴ってキャラクター数も増えて、それぞれの推しキャラクターの描き方を工夫するなど、以前よりも華やかな魅せ方で盛り上がりを見せています」
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エアロはつけずに純正ボディのラッピングにこだわる
バラエティ豊かな表現法を求めるオーナーたちによって、現在のボディラッピング業界は良い刺激を受け、新たな魅せ技が続々登場。より華やかに痛車ならではのボディラッピングを行うべく、新素材の開発、貼り込み方の工夫等、独自のアプローチによって他との差別化を図ったショップも誕生し、今「目立ってなんぼ」の痛車界は大いに盛り上げっている。
“ドラまた”さんの愛車でもあるインプレッサは痛車界ではわりと人気が高いモデルで、ライバルたちのクルマの多くがフルエアロパーツを装着して、激しく主張しているわけだが、“ドラまた”さんは逆に外観はシンプルな純正スタイルが好み。ボディパーツに頼ってインパクトを持たせるのではなく、あくまでも痛車として王道のボディラッピングが軸との考えから、推しキャラであるアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の「悪魔ほむら」をボンネットとボディサイド一面を使って大胆に描いている。
幸いなことにGDB型インプレッサ WRX STiのブルーの純正色は、推しキャラ「悪魔ほむら」のダーク系カラーとの相性がとてもよく、ボディラッピングによって生み出した躍動感あふれるキャラクターを良い意味で引き立てくれる。このように自分の思い通りの仕上がりになった瞬間は、きっとカスタムをするうえで一番楽しい時間で、気持ちが良いことだろう。だから、ここから発展させる予定はなく、現在の仕様のまましばらくすごして、ラッピングが経年劣化で傷んできたら、再びリニューアルを考えるとのこと。ただ、その時もきっとエアロパーツは装着しないまま、純正ボディでラッピングによる表現法にこだわるということだった。
痛車を趣味として楽しみ、また、イベントを通じて披露の場を提供し、業界を盛り上げようと考える“ドラまた”さん。このまま末永く界隈を盛り上げるべく頑張ってもらいたい。
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