「これがSUVなのか?」
走り出してすぐ、その俊敏な挙動に驚きを隠せなかった。昨今、あらゆるメーカーからSUVが登場しているが、驚くほどスポーティなステルヴィオにライバルは思い当たらなかった。明確な差別化にアルファロメオの“本気”を感じずにはいられない。
クルマになにより必要なのはセンスです──新型DS 7 クロスバック試乗記
アルファロメオの年間生産台数はここ10数年で、約6万台にまで落ち込んでいた。この状況を打開するべく市場に投入されたのが75以来、約25年ぶりに登場したFRスポーツセダン「ジュリア」だった。
そして、このジュリアをベースに、アルファロメオ初のSUVとして登場したのが「ステルヴィオ」だ。クーペルックのスタイルは、全長×全幅×全高:4690mm×1905mm×1680mmとミドルサイズに属する。ボディサイズやパワートレーンで見れば、ポルシェ マカンやメルセデス ベンツGLCクーペ、BMW X4が想定されるライバルだ。
これらのライバルに対し、最後発に近いアルファロメオが、ステルヴィオにどのような個性を盛り込んだのか、が焦点になる。答を先に言おう。ひとつはは、ひと目でアルファロメオと解る「スタイル」、そしてもうひとつは下手なスポーツカー顔負けの「ドライビングファン」だった。
エクステリアはスポーティかつ個性的だ。センターの「盾」と左右のエアインテークを三つ葉に見立てたデザインのフロントまわり、短い前後オーバーハングとフロントタイヤからAピラーまでの位置関係、色気がプラスされたサイドビュー、そしてグラマラスな造形のリアまわり……。実は2017年のLAショーで初めてステルヴィオを見た際は「ポルシェマカンに似ている!?」と思ったが、あらためて実車を見ると、間違いなく最新アルファロメオのスタイリングだった。
インテリアはジュリアに準じており、シンプルなレイアウトで構成する。インテリアカラーは試乗車のベージュのほか、レッド、ブラック、チョコレートの4種。なお、日本仕様はジュリアと同じく純正ナビゲーションシステムは装着しない。ルート案内を望むならスマートフォン連携のApple CarPlayやAndroid Autoで対応してください、ということだ。賛否あると聞くが、筆者は高価にもかかわらず、性能の低い社外品を無理に装着するよりも賢明だと思っている。
居住性はアルファロメオ自身は「SUVにふさわしいユーティリティ」と語るものの、後席は必要十分といった程度のスペースだ。クーペルックのエクステリアデザインを考えればしょうがないだろう。やはり特等席は前席だ。とはいえ、後席を格納するとスクエアなラゲッジスペースも生まれるので、使い勝手は悪くない。
その走りは果たして? 一般的にSUVはセダンなどと比べ、重心が高い分、基本的には運動性能に不利である。多くのメーカーはロールを上手にコントロールすることによってロール“感”を減らし、乗用車感覚の乗り味を実現する。もちろんステルヴィオもジュリアと比べるとロールは大きいが、絶対量で比較するとステルヴィオのそれは下手なセダンよりも圧倒的に小さい。ちなみに、ステアリングギア比はスポーツカー顔負けの12:1のクイックレシオだ。ライバルのポルシェ マカンでも14.3:1だから驚きだ。
パワートレーンは日本導入限定車のファーストエディションにはジュリア・ヴェローチェと共通の280ps/400Nmのパフォーマンスを発揮する2.0リッター直列4気筒ターボに8速ATを組み合わせる。プラットフォームはジュリアをベースにステルヴィオ用に最適化したという。
ちなみに全長4690×全幅1905×全高1680mmと小さくはないボディサイズに4WDというスペックながら、車両重量は1820kgと比較的軽量に仕上がっているのもポイントだ。結果、2.0リッターターボながら0→100km/h加速は5.7秒とスポーツカー並みだし、ブレーキ性能も100→0km/hが37.5mとSUVトップクラスの実力を備える。
実際運転すると、車両重量を考えれば過不足ない動力性能がある。アクセルを踏んだ際のレスポンスが良く、トルクは低速からモリモリ湧き出る。さらに、スロットル・オフするとシフトダウンしたがる制御が印象的だった。ただし、エンジン音は地味なのが少々残念ではあったが。同じ4気筒ながらもかつてのツインスパークエンジンのような回すほどに官能的で心地よい響きが懐かしまれるが、これは2.9リッターV6ツインターボ搭載のホットバージョン「クアドリフォリオ」の導入時に期待すべきか!?
乗り味はまさに「目線の高いジュリア」そのものだ。乗っているとSUVであることを忘れてしまうクイックな回頭性、応答遅れのない俊敏なハンドリング、そしてアンダーステア知らずの前後バランスの良さとFRベースであることが実感できる旋回姿勢などなど、まさに「SUVの形をしたスポーツカー」だった。
ジュリアに対し、ドライバーのヒップポイントはプラス190mm、最低地上高はプラス65mm、トレッドはフロントがプラス54mm、リアが同29mmだが、50:50の前後重量配分は不変だ。駆動方式は4WDで走行状況に応じ、最適な可変トルク制御を行なう「Q4」システムを備える。また、タイヤは225/45R20を装着する。
同クラスでスポーツ性の高いSUVの代表と言えばポルシェ マカンだと思うが、マカンでさえ911やボクスターに比せば、“心地よいダルさ”がある。しかし、ステルヴィオは目線以外ジュリアとほぼ変わらない。これこそがステルヴィオの個性と言えるだろう。 なお、乗り心地はやや硬めだ。不快ではないものの、いわゆるスポーツSUV系によくあるストローク感のあるしなやかさとは異なり、かなりソリッドで張りがある乗り味だった。
ほかのSUVにはない個性を持つため、好き嫌いは明確に分かれるだろう。万人受けはしないが、筆者はそれでもいいと思っている。ステルヴィオは「アルファロメオがSUVを作るとこうなるよね?」といった期待を裏切らない1台だった。
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