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ブランド大変革のEV SUV ジープ・アベンジャーへ試乗 欧州に向け新開発 航続408km 後編

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ブランド大変革のEV SUV ジープ・アベンジャーへ試乗 欧州に向け新開発 航続408km 後編

しっかり考え抜かれたパッケージング

ジープ・アベンジャーのダッシュボード上には、10.25インチのモニターが2面据えられる。ドライバーの正面にはメーター用モニターがあり、中央にはインフォテイメント用タッチモニターが備わる。

【画像】大変革の新型EV ジープ・アベンジャー 兄弟モデルと内燃エンジン版を含む競合を比較 全154枚

エアコン用の実際に押せるハードスイッチが、その下に並ぶ。アンドロイド・オートとアップル・カープレイには、無線で対応するという。

独自の座面位置を採用することで、リアシート側の空間はプジョーe-2008やオペル・モッカ・エレクトリックより余裕があるとジープは主張する。とはいえ、5シーターだが、大人が座るとゆとりは感じにくい。ファミリー層なら子供の定位置になるだろう。

さて、ステランティス期待のアベンジャーは、実際に運転してみても好印象なことに変わりはなかった。もちろん、一体感を伴ってワインディングを駆け回れるわけではないが、そもそもそんなクルマではない。

日常的な条件では感心するほど扱いやすく、スタイル重視のコンパクトSUVとは異なる個性も備えている。しっかり考え抜かれてパッケージングされた印象だ。

実際、車内空間は見た目以上に広々としており、四角いスタイリングのおかげでボディ四隅の位置を把握しやすい。運転席からの視認性にも優れており、ワイドすぎないから狭い車線でも大きな不安を抱くことなく導ける。

洗練された足まわり 不足ない悪路性能

ステアリングホイールは、切り初めに若干人工的な印象が伴うものの、適度な弾性があり正確性は充分。積極的にフロントノーズが向きを変え、コーナーではボディロールが抑制され、優れたグリップ力を発揮して狙ったラインをキープしてくれる。

試乗コースにはアスファルトが傷んだ区間も存在したが、乗り心地も良好だった。ホイールサイズが18インチと車格としては大きめで、若干の硬さも感取されたとはいえ、全体的にはしなやかと呼べる範囲だと思う。

不快な振動がドライバーへ届くことは殆どなく、欧州市場に合わせて開発されただけのことはある。このクラスのSUVとして、かなり洗練された足まわりだといっていい。

156psと26.4kg-mを発揮する駆動用モーターのパワー感に不足はなく、滑らかで活発に走る。0-100km/h加速は9.0秒となっている。

今回はシリアスなオフロードコースを運転する機会はなかったが、ショベルカーで削られたような深い凹凸が連続する悪路へ挑んでみた。路面の不整を、アベンジャーは見事に処理してみせた。

急な下り坂に備えて、速度を一定に保てるヒルディセント・コントロールも実装されている。前輪駆動ながら、現実的にユーザーが遭遇するであろう悪路へ不満なく対応できる能力を備えるようだ。

大変革といえる新型BEVクロスオーバー

回生ブレーキの強さは「B」を選ぶと強力になり、無駄な運動エネルギーを効率的に回収してくれる。活用すれば、通常は最高出力が82psへ制限されるエコ・モードを利用する機会も減るだろう。

ノーマル・モードでは108psまで発揮し、スポーツ・モードでは本来の最高出力の156psを解き放てる。またスノーとサンド、マッドという各モードでは、路面条件に合わせてトラクション・コントロールなどの制御が変化する。

これほど優れた競争力を持ち、時流に合わせたモデルを、ジープが欧州で販売したことは今までなかった。ステランティス・グループの繋がりによって、理想的な製品の提供が可能になっているのだろう。ディーラー網が整い、製造品質も高い。

コンパクトSUVでBEVのアベンジャーは、市場の流行を見事に捉えることができるかもしれない。ジープにとっては、大変革の新モデルといえそうだ。

英国での販売は2023年5月から。価格は約3万4000ポンド(約564万円)からが予定されている。日本導入も見込まれているという。

ジープ・アベンジャー(欧州仕様)のスペック

英国価格:約3万4000ポンド(約564万円/予想)
全長:4080mm
全幅:1780mm
全高:1530mm
最高速度:149km/h
0-100km/h加速:9.0秒
航続距離:384-408km
CO2排出量:−
車両重量:1536kg
パワートレイン:永久磁石モーター
駆動用バッテリー:51kWh
急速充電能力:100kW
最高出力:156ps
最大トルク:26.4kg-m
ギアボックス:−

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みんなのコメント

3件
  • なんでヒルマンじゃないの?
  • ゴリゴリのSUVまでEV化していると言うのに、国産勢は未だにガソリン車を販売している。
    情けない限りだ。
    まあ、国産車の寿命は5年が限界。
    今、売ったガソリン車は2035年までにはすべてが廃車になる。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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