やはり厳しかった決算内容 配当は無配
text:Kenji Momota(桃田健史)
【画像】マツダ、強気になれるのは3つのSUVが理由【3選】 全98枚
そんなに早く、マツダは順調に回復するのだろうか?
東日本大震災後の円高の影響以来、通期で9年ぶりの赤字となること予測するマツダ。
回復に向けてどんな軌跡を描くのか?
マツダは、2021年3月期・第1四半期の決算内容を発表した。
それによると、世界市場での販売台数は前年同期比31%減の24万4000台。売上高は56%減の3767億円と大きく落ち込んだ。
原因はもちろん、新型コロナウイルス感染拡大の影響だ。
その上で、マツダとして迅速な判断による対応を実施したと、コロナ禍の状況を振り返る。
生産調整を適宜おこない過剰在庫を防ぎ、2900億円の資金調達をおこなうなど、事業基盤をしっかりと支えたうえで、「地元のお取引さまと雇用維持/資金繰りの協議」をおこなった。
「地元」とは当然、広島を中心とする中国/山陰地方。さらには世界各地の生産拠点周辺地域を意味する。
加えて、これまでは「市場予測が難しいため算出が難しい」としてきた、2021年3月期の通期見通しについても公開した。
世界市場では、前期比8%減の130万台、売上高は17%減の2兆8500億円。純損益は900億円と予測した。今期の配当は無配とした。
こうした通期見通しの中身をみると、マツダの実情がよくわかる。
意外にも強気な姿勢 2台の売れ筋
昨年の2020年3月期、仕向け別販売台数は、最も多いのが北米、次いで「その他市場」(アセアン/オーストラリアなど)、欧州、中国、そして日本と続く。
これが2021年3月期にどう変わると予測しているのか?
まず北米だが、3%減と、コロナ第二波の影響が懸念される市場環境では、かなり強気だ。
背景にあるのは、まず売れ筋モデルがあること。
「CX-5」と「CX-9」がコンパクトSUVとミドルサイズSUV両市場の拡大基調を受けて、マツダの想定以上の堅調な販売実績となった。
加えて、北米市場をかなり意識して企画した「CX-30」の販売も好調だ。
こうした販売好調の裏には、ここ数年間に渡って実施してきたディーラーネットワークの強化が下支えしている。
北米市場では2000年代後半から2010年代にかけて、スバルが一気にシェアを拡大したが、その裏には市場に見合った商品開発と、大胆なディーラー網改革があった。
マツダとしても、北米市場の立て直しは長年の課題であり、スバルに先を越された中、ディーラー改革は急務だった。
今後は、米アラバマ州に建設中の、トヨタとの合弁工場MTMUSが当初予定からずれ込むが2021年後半に稼働する。
フォードとの協業以来、マツダとして久しぶりにアメリカ国内での新車の安定供給が確保されることになる。
中国順調回復、さらに意外な国でも
次に中国。前期比23%増と市場は一気に回復すると見る。
カギとなるモデルは、2019年に商品改良した中国専用SUV「CX-4」。モデル名でもわかるように、「CX-5」と「CX-3」の中間に位置する。「マツダ6」とプラットフォームを共有している。
デザイン担当者が同じということもあり、外観に往年の「CX-7」の雰囲気が漂う。
さらに、5月から「CX-30」の中国発売が始まった。中国では2000年代の高度成長期以降、生涯で2台目の新車としてユーザーのSUVシフトが進んでいるが、「CX-30」はアメリカンライフへの憧れが強い中間所得層の心に刺さりそうだ。
その他、日本ではあまり知られていないが、オーストラリアでマツダの人気が高い。
2021年3月期・第1四半期で同国内シェアは0.8ポイント減と8.7%となるが、それでもまだ他の仕向けと比べてシェアは圧倒的に高い。
販売台数でも、タイやベトナムなどアセアン全体よりオーストラリアの方が多いのだ。
売れる背景は、販売店によるキメ細やかなカスタマーサービスにある。「オーストラリアでの成功から日本市場へフィードバックされる事案もある」(マツダ関係者)という。
では、日本市場はこれからどうなるのか?
新規導入モデルの年内発売も確定した……。
驚いた「eスカイアクティブG」の存在
今回の決算発表の同日、マツダは「MX-30」の今秋導入を発表した。
驚いたのは、「eスカイアクティブG」の採用だ。
MX-30は、第46回東京モーターショー(2020年10月24日~11月4日)で世界初公開された。「RX-8」以来となる観音開きドアが特長のコンパクトSUVだ。
発表時点ではEV(電気自動車)専用車かと思われたが、実は、直噴ガソリンエンジン「スカイアクティブ-G 2.0」にマツダ独自のマイルドハイブリッドシステム「Mハイブリッド」を融合させたパワートレインが存在したのだ。
EVについては、eスカイアクティブG導入後、今年中にリース販売する予定だ。
マツダのエンジン開発に関わる幹部らは日頃から「欧州CO2規制など、世界各地での厳しい環境規制と社会需要性を考慮し、仕向け別にパワートレインを最適化する」と説明しており、今回のMX-30日本仕様の登場もうなづける。
この先、登場が期待されるのが次期「マツダ6」を皮切りに始まる、直列6気筒エンジン搭載のFR(後輪駆動車)のラインナップだ。
ただし、今回発表された中期経営計画の見直しでは、「需要回復や販売に合わせた段階的な新商品/派生車の導入」や、中期経営計画の達成時期を「1年延期」という文言がある。
これらが2021年以降登場の新車にどのような影響を及ぼすのか、注視していきたい。
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みんなのコメント
もう見切りをつけてしまったんでしょうか?
今、国内でマツダを選ぶ最大の理由はトヨタにもホンダにもほぼない、ディーゼルエンジンだと思うのですが。
ガソリンハイブリッドなら無難にトヨタを選びますよね。
後ろ乗るときフロントドア開けなければならない観音開きの車売れますかね?