値引きとリセールから年度末商戦のオススメ車種をピックアップ
間もなく2017事業年度末決算セールの本格的な幕開けとなる。2月および3月が事業年度末決算セール期間となるのだが、ここ数年は1月から前倒しで年度末決算セールに向けた販促活動を行う傾向が目立っていた。
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納期遅延(生産状況などの問題で納車が遅れてしまうこと)車が多く、2月から販促活動を積極化して受注を獲得しても、年度末決算セールの実績(3月中の登録または届け出が必要)に反映できない可能性が高かったので、早めに販促活動を展開するようになってきていたのである。
その流れもあり、過去には3月が年度末決算セールの”ヤマ場”であったが、全体的に動きが早まる傾向が定着しており、今では2月のほうが盛り上がることが多い。2月で、ある程度の年末決算セールでの販売目標台数達成を見通せる受注台数を確保し、3月は最終的に台数を追い込むといった印象になっている。
2017事業年度での年度末決算セールの特徴は、1月の段階で日産とホンダが1.9%の低金利ローンのキャンペーンを行っていること。両メーカーともに“いつまで”という具体的な期限を定めずに、“予告なく終了します”といった説明書きがある。おそらく2月からの年度末決算セールが本格化しても継続展開されるだろう。そして設定した目標販売実績が確保されたら、低金利ローンキャンペーンを終了すると考えられる。
ホンダはステップワゴン、オデッセイ、フィットでローンを組むと1.9%に、日産は21車種について1.9%の、それぞれ超低金利ローンを設定している。純粋に新車を販売しただけでは十分な利益確保ができない現状では、金利を下げれば取り扱い手数料(金利など)も減ってくるのは自然の流れ。まさに身を削った販促特典といえるだろう。それだけホンダと日産は年度末決算セールへの並々ならぬ意気込みを感じる。
それではここからは各クラス別に傾向を見ていこう。
以下の車種を狙っている人は年度末に向けて勝負
・軽自動車
ホンダN-BOXが販売台数では他車を圧倒している。そのなか2017年末にモデルチェンジしたスズキ・スペーシアに注目してもらいたい。”N-BOXキラー”とでもいうべきキャラクターへ大変身した様子からも、N-BOXをかなり意識しているのは間違いない。
先代まではN-BOXだけでなく、ダイハツ・タントや日産デイズルークスの影にも隠れがちだっただけに、新型登場間もないとはいえ値引きについては好条件が期待できる。さらに日産デイズルークスにも注目。依然として日産は完成検査不正問題が尾を引いているが、軽自動車はその問題とは関係ないだけに、年度末決算セールでの販売中核車種として積極的に売り込んでくるはずだ。
・コンパクトカー
トヨタ・アクアの動きに注目したい。日産ノートeパワー、ホンダ・フィットハイブリッド、マツダ・デミオ・クリーンディーゼル、スズキ・スイフトハイブリッドなどのライバルと比べると、登場からすでにかなりの年月を経ているので見劣りする部分も目立ってきている。最近では都市部のディーラーでは販売店在庫も多めに持つ(トヨタは原則販売店在庫を持たない)ことも珍しくないようなので、ライバルだけでなく、トヨタ系ディーラー4チャンネル(トヨタ、トヨペット、カローラ、ネッツ)間で、値引きを中心とした購入条件を競り合わせることもおすすめする。
・セダン
2016年1月から12月の自販連(日本自動車販売協会連合会)の販売台数統計では、1月の3位を除き、ほかの月では1位もしくは2位となっていたトヨタ・プリウスだが、かなり販売苦戦傾向にあるようで、今では登録済未使用車が専売業者の折り込みチラシに載っていることも珍しくない。
つまり、レンタカーやカーシェアリングなどのフリート販売や、自社登録などへの依存が高まっているのである。今では納期も短くなっており、車両本体値引きは渋めだが、用品値引きや下取り査定の上乗せも含めた値引き総額ではかなり期待できる状況となっている。
トヨタ系販売ディーラー4チャンネルでの併売なので、トヨタ系ディーラー同士で競り合わせるのがおすすめである。
・ミニバン
安定した人気を誇るトヨタ・ヴォクシーが値引きでも期待度が高いのでおすすめである。2016暦年も、2017暦年でも年間販売台数では日産セレナやホンダ・ステップワゴンを抑え、5ナンバートールミニバンでは販売ナンバー1となっている。
ホンダ・ステップワゴンは現行型になってからパッとしない状況が続いているが、日産セレナも今では、レンタカーとして短期使用したあとの中古車が登録済未使用車とともに、中古車市場には溢れており、精彩を欠いている。フリート販売も目立っていないトヨタ・ヴォクシーはリセールバリューも十分期待できる。
・SUV
このクラスでは日産エクストレイルに注目したい。中古車の海外バイヤーの人気が高く、そのためリセールバリューがかなり高まっている。値引き条件も拡大傾向にあるので、狙い目の1台といえる。同じような理由でトヨタ・ランドクルーザー・プラドあたりも注目に値する。年度末決算セールには関係ないが、近々国内でも復活するホンダCR-Vも同様の理由で狙い目となりそうだ。
トヨタC-HR、ホンダ・ヴェゼル、スバルXV、マツダCX-3、スズキ・エスクードなどがラインアップされるコンパクトクロスオーバーSUVは、三菱からエクリプスクロスがデビューするので、これに触発されて、値引き条件なども活発な動きを見せそうだ。
・スポーティーモデル
通年で車両本体値引きが好条件傾向で安定しているトヨタ86とスバルBRZがまずはおすすめといえるだろう。若いひとだけでなく、青春時代にスポーツクーペを乗り回していたセミリタイヤやリタイヤ層が乗る傾向も高いようである。それだけ市場に出回っているというだけでも、買い求めやすい1台といえるだろう。マツダ・ロードスターも狙い目といえる。
・ステーションワゴン
スバル・レヴォーグが値引きも好条件を引き出しやすく、安全装備が充実しリセールバリューも期待できるのでねらい目。スバル車全般はすでに中古車市場で人気が高まっているので、リセールバリューも期待できそうだ。
トヨタ・カローラ・フィールダーもチェックしよう。一定年齢以上のひとには“カローラ”というネーミングをネガティブにとらえるひともいるだろうが、今までのキムタクのCM効果は高く、もともとトヨタ・カローラとは馴染みの薄かった若者には、なんの抵抗もなくかえってイメージ良くフィールダーは受け入れられていのである。とはいっても“貨客兼用”というニーズも根強く残っているので、それだけ幅広いニーズがあるということは、下取りに出すときも有利に働くことも多いといえるだろう。
・CEV(クリーンエネルギー自動車)クラス
日産リーフがデビュー直後の完成検査不正問題の影響もあり、販売苦戦気味となっている。ローン金利も2.9%となっており、値引き総額ではかなり期待が持てそうだ。
トヨタ・プリウスPHVも特別仕様車が出ていることからも、販売状況は今ひとつの様子。この2車に対しては、値引き条件(用品値引きや下取り査定の上乗せも含めた値引き総額)も期待でき、同クラスでは人気が高い三菱アウトランダーPHEVを絡めて商談を展開するのが効果的であろう。
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