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セローなき今、“シェルパ”復活にファン注目!カワサキ「KLX230シェルパ」はアウトドアに最高の相棒だ

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セローなき今、“シェルパ”復活にファン注目!カワサキ「KLX230シェルパ」はアウトドアに最高の相棒だ

◆幅広い層に支持された名車が復活
トコトコとゆっくり走ることができ、トレイルで扱いやすい。そして低速で粘り強くも、中間域から10,000rpm付近に設定されているレブリミッターまで元気よく吹け上がっていく。

フロント21/リヤ18インチホイールを履く、フルサイズの車体に搭載されるのは信頼性の高い空冷4ストSOHC2バルブ単気筒エンジン。ボア67.0×ストローク66.0mmで排気量を232ccとし、アイドリングに近い回転域でもエンストしにくいセッティングだ。

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視界が高くて、ハンドルがよく切れるから普段の街乗りにも最適。ツーリング先ではワインディングを軽快に走れて、ダートも苦手にしない。その気になれば、どんな道でも入っていける抜群の走破性を誇る。

足付きに優れるためビギナーにも親しみやすいやすく、悪路で難儀したときには両足を着いて切り抜けられるから、オフロードのコアファンたちにも重宝がられる。

あらゆる層を魅了する「シェルパ」が『KLX230 SHERPA(KLX230シェルパ)』として帰ってきた!

◆注目のニューモデル
カワサキは1997年、『スーパーシェルパ』を発売。『KLX250』がベースで、初代は「闘う4スト」をキャッチフレーズに登場した過激なモデルだった。オフロードで勝つためには2ストロークが有利とされていた時代に、モトクロッサー譲りの足まわりなどを持つ4ストロークの高性能マシンをカワサキは市場に投入したのだった。

一方で『スーパーシェルパ』は速さではなく、扱いやすさを重視。車名にした“シェルパ”が山岳地方の案内人(ネパールの少数民族の名前を意味し、エベレストなどの登山隊の案内人や荷運びを請け負うことでも知られている)を意味するように、マウンテントレイルのキャラクターを持ち、ライバルはベストセラーであるヤマハ『セロー』としていた。

国内では2007年モデルまで販売されたが、惜しまれつつも絶版となっていたその少し懐かしいネーミングが復活したから嬉しいかぎりだ。

カワサキはモデルチェンジした新型『KLX230』シリーズを昨秋のジャパンモビリティショー2023や今春のモーターサイクルショーで発表したが、そのとき「シェルパ」の姿はなかった。

しかしこの秋、突如「シェルパ」の設定もあることが明らかに。ライバル『セロー』はもういないだけに、オフロードバイクファンにとってはサプライズであり、いまや一気に注目株となっている。

◆オフロードを想定した装備
軽二輪トレールを愛用する筆者(青木タカオ)ももちろんワクワクしていた。スリムで実用的なシルエットは、アクティブで頑丈なアウトドアギアを思わせる。

車両重量は134kgと軽く、シート高は845mmの数値以上に低いから乗り手の体格を選ばない。というのもライダーがまたがると、前後サスがソフトに動き、乗車1Gでかなり沈み込む。身長175cm/体重66kgの筆者だと、カカトまで両足が地面に届く。

アップライトで自然なライディングポジション。シュラウド、シート、サイドカバーが連続したフラットな面で構成され、足を地面におろしやすく、下半身でグリップしやすいのも◎。

車体色はミディアムスモーキーグリーン、ミディアムクラウディグレー、そしてホワイティッシュベージュの3色を設定し、いずれも柔らかなアースカラーで包まれている。

ハンドガードやアルミスキッドプレート、スタックパイプなどトレッキングに欠かせないパーツを標準装備。ドレスアップパーツとして備わっているのではなく、軽量で剛性の高いアルミテーパードバーに備わるハンドガードは、内側にしっかりとした金属プレートが入るし、スキッドプレートはオイルパンを幅広くカバーするよう機能性もしっかりと考慮されたもの。

インナーチューブ径37mmのフロントフォークは200mm、リヤのモノショックは223mmのホイールトラベルを持ち、240mmの最低地上高を確保。オフロード専用モデル『KLX230R』と同様のアルミスイングアームをはじめ、アルミ製のフロントフォークアンダーブラケットを採用し、軽量化とハンドリング性能を向上。ABSはOFFにすることもでき、旅の途中でオフロードに踏み入れることを前提としている。

メーターは大型で見やすいフルデジタル表示のLCDディスプレイを採用。スマートフォンとペアリングし、専用のスマートフォンアプリ「RIDEOLOGY THE APP MOTORCYCLE」を使えば、GPS記録からライディングログを閲覧することなどもできる。

◆アウトドアを満喫する相棒に
開発リーダーの松下充氏は、オンロードおよびオフロードの両方を考慮し開発、幅広いライディングシーンに対応すると教えてくれる。

高張力鋼ペリメター構成のフレームを採用し、テストライダーからの幅広いフィードバックを参考に、エンジンとフレームのバランスを最適化したという。

スーパーシェルパは250をベースにしたが、新型はよりフレンドリーな230cc。週末、キャンプ地へと向かう途中にある、未踏のトレイルを探索するのに最適で、都市から大自然にトリップしたいと思い立ったとき、最高のパートナーとなるだろう。

青木タカオ|モーターサイクルジャーナリスト
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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