現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「いすゞ・ピアッツァ」とはどんなクルマ? 購入時5つの注意点とは

ここから本文です

「いすゞ・ピアッツァ」とはどんなクルマ? 購入時5つの注意点とは

掲載 更新
「いすゞ・ピアッツァ」とはどんなクルマ? 購入時5つの注意点とは

ジウジアーロによる個性派スペシャリティ買う前に知っておきたいポイント

石川島造船(現IHI)の自動車部門をルーツに持つ「いすゞ(ISUZU)」。1993年に乗用車の生産を中止したが、現在はトラックをはじめとする商用車メーカーとして国内外で存在感を示している。そんな、「いすゞ」を特別な存在だと信仰する旧車好きはいまだに多い。ベレット、117クーペ、ジェミニなどなど1950年代から1993年にかけ名車を数多く世に送り出してきたからだ。

「VWゴルフ3」で勝負するならば"ユルかっこいい"が正解【ネオクラカスタム】

トヨタや日産とは、ひと味もふた味も違った乗用車を生み出した「いすゞ」。なかでも、とくに強い印象を与えたのが、1981年に登場した初代『ピアッツァ』だろう。このクルマの魅力は、一にも二にもカーデザイン界のマエストロと呼ばれるジョルジェット・ジウジアーロが手がけたデザインであることは間違いない。

1979年のジュネーブショーに出展された初代ジェミニをベースとしたコンセプトカー「アッソ・ディ・フィオーリ」。そのデザインを源流に、実用性や居住性を重視しひとまわり大きなボディを身にまといデビューしたのが『ピアッツァ』で、徹底したフラッシュサーフェイス(極力段差をなくしたデザイン)が施されていた。フロントのオーバーハングを長くとった一方でリアをスパッと切り落としたプロポーションを、”マヨネーズの容器みたいだ”と揶揄する声もあったが、当時の国産車が持ち合わせていない未来的でありつつ優雅さを感じるデザインは、多くの人に衝撃を与えた。

ジウジアーロも初体験だったフェンダーミラー

余談だが、国内ではドアミラーが許可されなかった当時、ピアッツァはフェンダーミラーを装備していたが、そのデザインもジウジアーロだった。多くのカーデザインを手がけてきたが、フェンダーミラーのデザインは初体験だったのである。そして、未来的なデザインを採用しているのはエクステリアだけではなくインテリアも同様。メーターの両サイドにハンドルに手を添えたままライトやワイパーの操作を行なうことができるサテライトスイッチを配したインパネなど、特長のインテリアはいま見ても古くささを感じない。斬新な内外装デザインを身にまとう『ピアッツァ』はスペシャリティカーではあるが、フォーマルにもカジュアルにも使うことができる希有な存在だった。

使い勝手バツグンの高い実用性

希有な存在というキーワードで忘れてはならないのがスペシャリティカーとは思えない実用性の高さ。大人4人がしっかりと座ることができる居住性はもちろん、ラゲッジルームも十分な広さを有しており使い勝手も逸脱。この実用性については、ライバルとなる他メーカーのスペシャリティカーに大きく勝っていた。ピアッツァはスタイリッシュでユーティリティに優れたスポーツクーペが開発テーマではあったが、どちらかというと現在のシューティングブレーク(クーペとステーションワゴンのクロスオーバー)に近いといえる。

そんな美しい内外装フォルムを備えた「ピアッツァ」だったが、パワーユニットやサスペンションの評価はイマイチだったのも事実なのだ。

物足りなさを感じた機能性能

エンジンは、シングルカムとDOHC2種類の1.9リッター直4、そしてデビューから2年後の1984年には2リッター直4・DOHCターボを設定。高級スペシャリティカーとして6気筒エンジンを搭載するライバル車のソアラたちと比べても動力性能は劣っていなかったものの、ユーザーは物足りなさを感じていた。また、サスペンションは、 初代ジェミニと基本的には同じもの。1974年に登場したジェミニのサスペンションをリファインしてはいるものの、性能は見劣りすると当時の自動車評論家が口を揃えた。内外装のスタイリング、ユーティリティはライバル車たちに勝る魅力を持ちながら、相対的に足まわりの実力が見劣りしていたことが、高いポテンシャルを秘めたクルマのわりには、販売台数を伸ばせなかった大きな要因だったことは間違いない。

とはいえ、その美しいスタイリングに惹かれるファンはいまでも多い。現在でも十分通用するエクステリアデザインを備えるピアッツァだが、現在、所有・維持することは可能なのだろうか。

専門家に問い合わせたところ「簡単ではない」という前提の元に、以下の5つの注意点を挙げてくれた。・パーツの流通が比較的良い「ハンドリング・バイ・ロータス」がオススメ

・購入後は、ゴム類、電気系、電子制御系のメンテナンスをすべき

・初期型のデジタルメーターは壊れると修理困難

・車両の状態を的確に教えてもらえるお店で購入すること

・購入後にきちんと整備できるお店や担当者から入手する

いずれにしろ、「ピアッツァ」を乗りこなすには覚悟が必要なのは間違いないようだ。ただ、あの美しいフォルムを備えたクーペを所有するなら相当な覚悟も辞さないという、ピアッツァに心奪われたファンはけして少なくないという。

(レポート:手束 毅)

こんな記事も読まれています

【F1第22戦決勝の要点】 岩佐歩夢が分析するメルセデスの速さの秘密「マシン特性の不利を覆すほどのいい仕事」
【F1第22戦決勝の要点】 岩佐歩夢が分析するメルセデスの速さの秘密「マシン特性の不利を覆すほどのいい仕事」
AUTOSPORT web
1.2L 3気筒+モーター3基で300ps ルノー・ラファール E-テックへ試乗 アルピーヌに相応しい走り
1.2L 3気筒+モーター3基で300ps ルノー・ラファール E-テックへ試乗 アルピーヌに相応しい走り
AUTOCAR JAPAN
ヒョンデ「アイオニック5」がマイチェンで航続可能距離703キロに! 気になる車両価格は523万6000円から…30台限定の「コナ マウナ ロア」にも注目
ヒョンデ「アイオニック5」がマイチェンで航続可能距離703キロに! 気になる車両価格は523万6000円から…30台限定の「コナ マウナ ロア」にも注目
Auto Messe Web
『絶対完走』の重圧に耐えた勝田。来季シートがかかっていたことを示唆【ラリージャパン後コメント】
『絶対完走』の重圧に耐えた勝田。来季シートがかかっていたことを示唆【ラリージャパン後コメント】
AUTOSPORT web
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 後編 ジャンクヤード探訪記
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 後編 ジャンクヤード探訪記
AUTOCAR JAPAN
中型からステップアップ 人気の“ミドルクラスネイキッド”スズキ「SV650」とカワサキ「Z650RS」どっちを選ぶ?【スペックでライバル比較】
中型からステップアップ 人気の“ミドルクラスネイキッド”スズキ「SV650」とカワサキ「Z650RS」どっちを選ぶ?【スペックでライバル比較】
VAGUE
ラリージャパンで一般車の侵入という衝撃トラブルが発生! SSのキャンセルもあるなかトヨタ勢は2・3・5位に着ける
ラリージャパンで一般車の侵入という衝撃トラブルが発生! SSのキャンセルもあるなかトヨタ勢は2・3・5位に着ける
WEB CARTOP
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 前編 ジャンクヤード探訪記
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 前編 ジャンクヤード探訪記
AUTOCAR JAPAN
サーキット派に朗報! ウェッズスポーツ「TC105X」に16インチの新サイズ登場…マツダ「ロードスター」や走りのFF車にオススメです
サーキット派に朗報! ウェッズスポーツ「TC105X」に16インチの新サイズ登場…マツダ「ロードスター」や走りのFF車にオススメです
Auto Messe Web
【ラリージャパン2024】最終ステージでトヨタが逆転! マニュファクチャラーズタイトル4年連続獲得、豊田章男会長「感動という共感を生んだ」
【ラリージャパン2024】最終ステージでトヨタが逆転! マニュファクチャラーズタイトル4年連続獲得、豊田章男会長「感動という共感を生んだ」
レスポンス
独創的な「近未来」フォルム! シトロエンCX 5台を乗り比べ(1) モデル名は空気抵抗係数から
独創的な「近未来」フォルム! シトロエンCX 5台を乗り比べ(1) モデル名は空気抵抗係数から
AUTOCAR JAPAN
1度の運転では好きになれない シトロエンCX 5台を乗り比べ(2) GTiにファミリアール 仏大統領も愛用
1度の運転では好きになれない シトロエンCX 5台を乗り比べ(2) GTiにファミリアール 仏大統領も愛用
AUTOCAR JAPAN
4連覇を決めたフェルスタッペン「苦しいシーズンの中で多くのことを学んだ。だからこそ特別だし、誇らしい」
4連覇を決めたフェルスタッペン「苦しいシーズンの中で多くのことを学んだ。だからこそ特別だし、誇らしい」
AUTOSPORT web
【ポイントランキング】2024年F1第22戦ラスベガスGP終了時点
【ポイントランキング】2024年F1第22戦ラスベガスGP終了時点
AUTOSPORT web
カワサキ新型「レトロスポーツモデル」に反響多数!「古き佳き」スタイリングが“現代”に刺さる!? 玄人も注目する“バイクらしさ”を味わえる「W230」とは?
カワサキ新型「レトロスポーツモデル」に反響多数!「古き佳き」スタイリングが“現代”に刺さる!? 玄人も注目する“バイクらしさ”を味わえる「W230」とは?
くるまのニュース
「ジャガー」のブランドロゴが大胆に変更! 英国の名門ブランドはどこに向かう? まもなく登場する“新たなコンセプトカー”とは
「ジャガー」のブランドロゴが大胆に変更! 英国の名門ブランドはどこに向かう? まもなく登場する“新たなコンセプトカー”とは
VAGUE
村民の力で蘇った昭和のボンネットバス! 熊本県・山江村の宝物マロン号がロマンの塊だった
村民の力で蘇った昭和のボンネットバス! 熊本県・山江村の宝物マロン号がロマンの塊だった
WEB CARTOP
本物の贅沢──新型ロールス・ロイス ブラック・バッジ・ゴースト・シリーズII試乗記
本物の贅沢──新型ロールス・ロイス ブラック・バッジ・ゴースト・シリーズII試乗記
GQ JAPAN

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

189.9234.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

158.0279.0万円

中古車を検索
ピアッツァの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

189.9234.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

158.0279.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村