愛犬と一緒にドライブしたい、と思いながらもどうしていいかわからず、躊躇している人も多いはず。
ペットとドライブについてHOW TOものも重要だが、型にはめるのではなく、これをやってはNGという形のほうがビギナーにとっては気が楽になる。
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そこで、モータージャーナリストであると同時にドッグライフプロデューサーの第一人者の青山尚暉氏にビギナーだけでなく、間違った認識をしている常連までカバーできるペットとドライブにおけるNGについて解説してもらう。
本企画を読めば、ペットとの快適で楽しいドライブが実践できること請け合いだ!!
文:青山尚暉/写真:青山尚暉、HONDA、NEXCO東日本、ベストカー編集部
【画像ギャラリー】SA/PAのドッグランは気分転換に最適!!
正しく実践している飼い主は意外に少ない
ペットを愛している人にとってペットと一緒に旅行、ドライブに行くことは大きな満足感を与えてくれるが、正しいやり方を実践しなければペットにとって快適ではない
今、日本のペットの飼育数は1800万頭を超え、15歳以下の子供より多いほど。高速道路のSA/PAのドッグランも充実し、愛犬同伴型リゾートホテルやペット同伴可能なカフェ、レストランが増えている。
高速道路のSA/PA、そして観光地でペット連れのクルマを見かける機会も増えているが、まだ、正しいペットとのドライブを実践している飼い主は意外なほど少ないのも事実。
ここではペットとドライブする際に注意したい点をタブーとして紹介したい。
出発前の準備、配慮
愛犬とドライブに出掛ける際、愛犬をシャンプーしてきれいにしておきたいと思うのは当然だ。しかし、出発前日、当日にシャンプーしたり、美容するのはNG。
体力を消耗し、疲れてしまいがちだからだ。できれば出発2日前が愛犬のためにもベストである。
また、当日の食事を出発直前に与えるのもよくない。食べたものが消化する前にクルマに乗せ、揺すられると、車酔いの原因、誘発になる。出発1間以上前には食事をすませ、軽く散歩させておきたい。
ところで、宿泊を伴うような長距離ドライブの場合、目的地の愛犬同伴型の宿が決まっているからといって、そのほか何も決めずに(調べずに)出掛けるのもNGだ。
ドッグランは人間、愛犬ともにリフレッシュできる。高速道路のSA/PAには設置個所が増えているのもうれしい。ドライブの過程でドッグランの場所を事前に要チェック
どこで愛犬を休憩させるか(高速道路のSA/PAでドッグランのある場所)、どこで愛犬といっしょにランチをとるか(愛犬同伴OKのカフェ、レストランの予約)をしっかりとプランニングしておかないと、道中、バタバタすることになり、飼い主、愛犬ともに快適なドライブを楽しめない。
もちろん、愛犬用の旅グッズの忘れ物がないかも、出発前に最終チェックしたい。飼い主用の身の回り品に比べ、愛犬用のアイテムは旅先で入手しにくいからである。
ペットを乗せた時の運転
モータージャーナリストであり、ドッグライフプロデューサーでもあるボクがペットを乗せた時の運転でNGとするのは、まずは急のつく運転操作。
犬は車内でどこかにつかまれないため、急ブレーキ、急旋回、急加速を行うと、爪を出し、ふんばる。それは犬にとって大きなストレスとなり、疲労、車酔いの原因になる。
犬をはじめペットは横Gなどを感じても車内のどこかに捕まることができないので、急ハンドル、急ブレーキ、急発進はストレスにしかならない
で、どういった運転をすればいいかと言えば、「赤ちゃんや病人を乗せているつもりの運転」ということになる。
また、せっかくの高性能車、スポーティカーだから運転を楽しみたいと、ドライブモードを「スポーツモード」にセットするのもNGだ。アクセルレスポンスがよくなったりして、犬が嫌がる加速Gが高まるのがその理由(クルマによっては乗り心地も硬くなる)。
で、ドライブモードがあればECOモード(ホンダ車ならECON)にセットしておくと、自然と加速が穏やかになり、愛犬もより安心・快適なドライブが楽しめるはずである。
ACC付きであればONにして走るのもいい。下手にアクセル、ブレーキを踏むよりスムーズな走行になるからである。実際、愛犬2頭と毎月のようにドライブしているボクも、ECOモードとACCを併用している。
ACCはアクセル操作、ブレーキ操作が不要なため挙動がスムーズ。エコモードは加速が穏やか。これらを併用することで愛犬のストレスは大幅に軽減される
ペットを乗せる位置と快適空間
愛くるしい小型犬を助手席、あるいは運転手の膝の上に乗せて走っているクルマを見かけるが、これは絶対にNG。
場合によっては道路交通法違反に問われるだけでなく、万一の際、エアバッグの展開でケガをしたり、運転に支障が出たり、最悪の場合、愛犬が車外に放り出される危険があり、命にかかわる。
かわいいペットが窮屈な思いをする、と嫌がる人もいるが、このようにしっかりと保護してあげることが愛犬の安全性を確保することができる
特に飼い主1人で乗っている時に「犬がさびしがるから」という理由でそうしているかもしれないが、基本は後席に固定した(シートベルトまたはチャイルドシートアンカー)クレート、キャリーバッグ、専用ベッドに乗せることが基本。
ワゴンやSUVで後席にも人が乗車する場合、ラゲッジに乗せることになるが、その際も固定したクレートなどに乗せたい。
人間がフル乗車する場合、SUVやワゴンではラゲッジに愛犬を乗せることになるが、しっかりと安全性を確保するために、クレートなどを用意しよう
どうしても小型犬を助手席に乗せたいというなら、ホンダ純正ドッグアクセサリーのホンダドッグシリーズにある「ペットシートプラスわん」を使うといい。
助手席にしっかりと固定でき、エアバッグの展開にも考慮された形状で、世界でほぼ唯一、安全に愛犬を助手席に乗せられるアイテムなのだ。
ホンダ純正ドッグアクセサリーの『ペットシートプラスわん』はどうしても助手席に乗せたい人には最適のアイテム。価格は1万9800円(税込み)
また、天気がよく、気持ちいいからといって、サンルーフを全開にするのもNG。愛犬に直射日光が当たり、ただでさえ暑がりの犬が熱中症になる可能性がある。エアコンの設定温度も、飼い主中心ではなく、暑がりの犬のために低めの設定としたい。
ドライブ時間(どの程度のタイミングで休憩をとるか)と乗せ下ろし
遠すぎる目的地を選ぶのも、愛犬同伴のドライブではNGだ。
ペット連れの連続移動時間は3時間まで、というのが、ペット先進国でもあるスウェーデン(3時間以上の放置、移動は違反となる)、あるいは日本でも東洋大学・国際観光学科「ペットツーリズム論」のシンポジウムでも話題に出た最大移動時間が3時間。
とはいえ、途中の高速道路のSA/PAなどで休憩させればOK。2時間に1回は愛犬を車外に出し、お散歩と排せつをさせ、お水を飲ませてあげたい。
高速道路でドッグランがなくても、水を飲ませて求刑させたり、お散歩、排せつなどをさせることでリフレッシュできる。2時間に1回は休憩をとろう
狭い車内は酸素不足になりがちで、日常と違う窮屈な環境にいる犬にとって、クルマの長時間移動はストレスの原因になる。
ところで、高速道路のSA/PAなどで愛犬を乗せ下ろしする際、ノーリードで乗せ下ろしするのは絶対にNG、やめてほしい。
後席に乗せる場合はリードをつけたまま舗道側のドアから乗せ、奥に(車道/運転席側)に座らせてから、リードを外す。
下ろす際は車内でリードをつけてから、飼い主が先に降り、車外へ誘導する。犬は特にクルマから下ろす際、興奮して道路に飛び出す心配・危険があり、最悪の場合、他車にひかれてしまうことがあるので要注意である。
ペットと飼い主の食事(カフェやレストランにて)
愛犬と一緒に食事ができるレストランや宿泊できるホテルなども増えてきているが、愛犬の可愛さにマナーを忘れがちなので要注意
ドライブ先の愛犬同伴可能なカフェやレストラン、愛犬同伴型宿のレストランで愛犬といっしょに食事をするのは、飼い主と愛犬どちらにとっても、とても楽しく幸せな時間だ。
が、愛犬が汚れた足のまま入店させるのはNG。愛犬同伴型宿では玄関に足洗い場があるのが一般的だが、それがないカフェやレストランでは持参したタオルなどで汚れた足をきれいにしてから(雨でぬれた被毛も要タオルドライ)入るのがマナー。
ドッグウエアを着せて入店すれば、店内の抜け毛汚れ防止にもなる。
そして許可なしに椅子の上に座らせる(座ってOKの場合は別)、テーブルの上に乗せる!テーブルの上のもの(飼い主用の料理)を食べさせるのもマナー違反、NGだ。
犬はフロアでくつろがせるのが正しく、わが家の場合はフロアに敷くマットを用意し、椅子に座っていい場合でも、椅子を汚さないように持参したカフェマットを敷くようにしている。
犬はフロアでくつろがせるのが正しいが、椅子に座らせる場合でもカフェマットなどを敷くことで椅子を汚さずにすむ。細かなところにも気を配りたい
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