現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 狙うは意識高い系! ソニーが電気自動車販売に本気になった2つの理由とは?

ここから本文です

狙うは意識高い系! ソニーが電気自動車販売に本気になった2つの理由とは?

掲載 105
狙うは意識高い系! ソニーが電気自動車販売に本気になった2つの理由とは?

ソニーが電気自動車の市販を本格的に検討しはじめた!

2022年も年初から電気自動車に関するホットな話題が相次いでいます。1月3日にはメルセデス・ベンツは一充電航続距離が1000kmに達するというコンセプトカー「VISION EQXX」を発表。1月6日にはホンダの中国合弁会社が電気自動車専用工場を建設するというニュースもありました。

2025年発売? 業界地図を変えてしまう電気自動車アップルカー 自動車メーカーの脅威となるのか?

しかし、新年一番の話題を集めているのは“ソニーが電気自動車に本格参入する”という発表でしょう。ソニーは2年前に電気自動車のプロトタイプを完成させていますが、1月5日のCES(世界最大級の家電ショー)で3列シートSUVの新たなコンセプトカー「VISION-S 02」をお披露目すると同時に、電気自動車の市販を本格的に検討するために、2022年春に「ソニーモビリティ株式会社」を設立すると発表したのです。

理由その1:ディーラー網の整備というハードルがなくなった

電気自動車の時代になると、家電メーカーが参入してくるという予測は以前からありましたが、パナソニックがリチウムイオン電池のサプライヤーとして存在感を増したものの、家電メーカーは部品供給という立場であり続けるというのが、ここ数年の流れでした。

2年前にソニーが電気自動車を発表した際も、カメラやオーディオなど自動車の装備における自社の強みをアピールするためというのが建前でした。そんなソニーが知名度やブランド力を背景に“完成車メーカーとして参入する”検討に入った背景には、様々な状況の変化がありそうです。

例えばテスラには拠点としてのショールームはありますが、ネット販売を基本としています。既存の自動車メーカーもネット販売に意欲的です。つまり、まずディーラー網を整備する必要がなくなりつつあるといえます。これは新規に自動車販売に参入するハードルをグッと低くしています。

理由その2:プレステも楽しめる自動運転の実用化が見えてきた

しかもソニーのコンセプトカーはPlayStation®にリモート接続したり、クラウド経由でストリーミングしたりして多彩なゲームを楽しめるというソニーだからこそのキラーコンテンツをもっています。

現時点ではエンターテインメントを楽しめるのは“運転手以外”ですが、自動運転テクノロジーが進化していくと、こうした楽しみ方へのニーズはどんどん高まるはずです。

今回発表されたコンセプトカーでもソニーが得意とするCMOSイメージセンサーにLiDAR(ライダー:レーザー光などで対象物の距離や形状を正確に把握する自動運転のキー技術)を加えたシステムによる自動運転レベル2+の機能を想定、欧州で実験を進めることも発表されています。

自動運転レベル3以上になれば、ドライバーもエンターテインメントを楽しむことが可能になります。車内でPlayStation®が楽しめるのはソニーのEVだけということになれば、インセンティブになることは間違いありません。

おそらくネット販売の拡大と自動運転のロードマップが見えてきたことで、ソニーは自動車製造へ参入することを決断したといえるのではないでしょうか。

環境意識の高いアーリーアダプター層がソニーの主要な顧客になる

トヨタ系のサブスクサービス会社KINTOが実施したアンケート調査によると、SDGsについてきちんと説明できる“意識の高い”ユーザー層の電気自動車保有率は4.5%で、次に買うクルマの候補として電気自動車を考えているユーザーが37.8%もいるという結果が公表されています。

日本の電気自動車普及率(0.2%程度)を考えると、4.5%の保有率はけた違いに高いといえます。ソニーの自動車ビジネスにおいてスタートダッシュを支えるのは、環境意識やソニーブランドにあこがれを持つ、アーリーアダプターたちなのかもしれません。

文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
AUTOSPORT web
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
AUTOSPORT web
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
ベストカーWeb
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
AUTOSPORT web
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
ベストカーWeb
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
AUTOSPORT web
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
ベストカーWeb
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
Auto Messe Web
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
AUTOCAR JAPAN
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
AUTOSPORT web
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
乗りものニュース
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
AUTOSPORT web
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
AUTOCAR JAPAN
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
AUTOCAR JAPAN
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
AUTOSPORT web
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
Auto Messe Web

みんなのコメント

105件
  • いずれにしても、既存自動車メーカーとの協業でしょう。
    さすがにソニー単体でサスペンションやらボディとかはノウハウ無さすぎだし、逆に怖い。
    しかし、ソニータイマーは最近聞かないから大丈夫か?
  • 意識高い系って、バカっていう意味だよね?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村