ベストカー本誌で30年も続いている超人気連載「テリー伊藤のお笑い自動車研究所」。過去の記事を不定期で掲載していきます。今回はスズキ 4代目スイフトスポーツ(2017年-)試乗です!(本稿は「ベストカー」2018年4月10日号に掲載した記事の再録版となります)
PHOTO/西尾タクト
スズキはユーザーのニーズを完璧にわかっている!! 4代目スイフトスポーツ試乗【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】
■コンビニのロールケーキや原宿の焼肉食べ放題のようなカジュアルさ
スイフトスポーツ(6MT)セーフティパッケージ+カメラパッケージ装着車(198万720円)。歴代初のターボエンジンを搭載した4代目スイフトスポーツ。直4、1.4Lターボエンジンは140ps/23.4kgmを発生。全長3890×全幅1735×全高1500mm
結論からいうと、スイフトスポーツお見事です!
目が痛くなるほどまぶしい黄色のボディカラー。こんなに黄色いクルマは久しぶり!
私は、まずこれだけで気分が上がる特異体質だが、もちろん、それだけが「お見事」の理由ではない。どこがすばらしいのか、これからじっくりと説明していきたいと思う。
スイフトスポーツに乗っていると、コンビニのスイーツを思い出す。安くて美味しいのはもちろん、名店のスイーツにはない「軽さ」が魅力なのだ。
先日、近所のパン屋さんが店を閉めた。近くにできたコンビニにお客を取られ、やっていけなくなったからだという。ドーナツが美味しい店だっただけに残念なのだが、多くの人がコンビニで買い物を済ませる気持ちもわかるのだ。
私も時々コンビニでドーナツを買う。最初は「しっとり感がないな」と思っていても、半年も経つと改善されているということがよくある。
恐らく、私と同じような感想を持つ人がたくさんいて、その意見が会社に伝わり、すぐに味を変えてくるのだろう。人も資金も豊富な大企業だからこそできるワザで、町のパン屋さんでは太刀打ちできない現実がある。
もうひとつ、スイフトスポーツに乗っていると、うちの会社の若手社員と行った原宿の焼肉屋さんも思い出す。原宿という一等地にありながら、2500円で焼肉が食べ放題。食後にはアイスクリームなども出て、それがまたすべて美味しいのだ。
そんな店だから人気があって、入るのに30分ほど並んで待たなければならないのだが、好きな映画が始まる前のワクワク感のようなものなのだろうか、うちの社員たちはその待っている時間も楽しそうなのだ。
コンビニスイーツと焼肉食べ放題に共通しているもの。それは「軽さ」だ。高級な店にはないカジュアルな感覚に若い人たちは惹かれる。そして、それこそがスイフトスポーツが持つ最大の長所だと思うのだ。
走らせると本当に軽い。この場合の「軽い」は物理的に感じる軽さで、1トンを切る車重に1.4Lターボエンジン(140ps/23.4kgm)が組み合わさって、まさしく軽々と走ってくれる。
この感覚は初代、2代目あたりのシビックタイプRに似ている。スポーティで気持ちがいい。
昔はこういうFFハッチバックのスポーティカーがたくさんあったものだが、今は本当に少なくなった。
トヨタのGRや日産のNISMOのようなシリーズもあるが、値段が高いし、なんか大げさだ。
■「できるけどやらない」健康的なクルマ
ホイールベース2450mmで3ナンバーになったが、車重は970kg(6MT)と軽量。トランスミッションは6MTと6ATを設定している。今回試乗した安全装備満載のグレードでも価格は200万円を切っており、スタートプライスは183万6000円(標準6MT)とリーズナブル
スイフトスポーツは4世代、18年の歴史を持つ。それだけでも立派なものだが、編集担当によると、前身のカルタスGT-iまで含めると、その歴史は30年以上になるという。
みんな途中で店を畳み、若者向けのスポーツモデルをないがしろにするというのにスズキは継続する。その姿勢は立派というしかない。
スイフトスポーツはひとり荒野を走っているようなものだ。そうすると普通は天狗になったり偉そうになって、カラオケではほかにお客さんがいるにもかかわらず、ひとりで5曲くらい続けて歌うような人になってしまいがちだ。
しかし、スイフトスポーツにはそういう感じがない。1曲歌ったらちゃんとマイクを次の人に渡し、ニコニコしている雰囲気がある。GT-Rだったら閉店まで歌い続けているだろう。
また、カラオケは別として、86/BRZも何かを突き詰めようとしている「重さ」を感じる。スイフトスポーツのようなコンビニ感覚の「軽さ」はない。
コンビニのスイーツとか焼肉食べ放題とか、ちゃんと次の客にマイクを渡すカラオケなどといっていると、ぜんぜんスイフトスポーツを誉めていないように思えるかもしれないが、そうじゃない。スズキはスイフトスポーツに対するユーザーのニーズが完璧にわかっているといいたいのだ。
スイフトスポーツが好きな人は、コンビニの160円くらいのロールケーキでどれだけ美味しいかが重要で、有名な店の2000円のロールケーキを求めているわけではない。それをスズキはわかっている。
こういうクルマ作りをひと言で表わすなら「健康的」となる。
200万円を切る価格で自動ブレーキをはじめとする先進安全機能がすべて付き、走りは軽く爽快で、パワーもあって内外装の質感も充分満足できる。
そしてここが肝心なのだが、恐らくスズキは、あえてそれ以上の性能や質感を求めず、寸止めしているのが「健康的なクルマ」と感じられるポイントなのだ。
できるのにやらない。スイフトスポーツはすごくいい立ち位置にいるクルマだと思う。
(写真、内容はすべてベストカー本誌掲載時のものです)
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みんなのコメント
色々な理由付けで車は性能も値段もゴリゴリ上がっていくけど、
20代のあんちゃんの給料で買えないような値段の車ばっかりじゃ、
自らスポーツカーの市場をやせ細らせていってるようなもの。
スイスポはこの価格帯で、若い子に夢を与え続けて欲しい。
他の自動車評論家の先生方でこれほど読者を引込み、同意させられる文章書ける人って今時いるのかな。たいていはやたらスペック並べたり難しい専門用語つかったり全然ユーザー目線じゃなかったりで最近はほとんど自動車雑誌は買わなくなってしまいました。。