■軽クロスオーバーというジャンルは意外と昔からあった
日本独自の自動車規格である「軽自動車」。1949年に戦後の経済成長を促すために誕生し、その後の1955年に経済産業省(当時は通産省)が発表した「国民車構想」で正式に規格がはじまって以降、数多くのモデルが誕生してきました。
不人気にもほどがある!? ビックリするほど売れていない軽自動車5選
現在の軽自動車規格は1998年9月30日に改訂されたもので「全長3.4m×全幅1.48m×全高2.0m以下、排気量は660ccまで、乗車定員4名」と定められています。
こういった厳しい制約のなか、優れた軽自動車が次々と登場してきたわけですが、逆にいえば規格さえ守ればあとはアイデア勝負。試行錯誤を繰り返し、普通車以上にチャレンジングなモデルも数多く登場してきました。
その過程のなかには、当時は商業的に成功しなかったけれど現在も通用する、時代を先取りしたクルマもあります。
その代表が、今人気になっているクロスオーバーSUVです。軽自動車の場合は全高が高くないハッチバックでもセダンと呼びますが、これにSUVテイストをプラスし、両方のイイトコ取りを目指しました。
ただ、ハイト系からスーパーハイト系とブームが続く軽自動車界では、当時のSUVやクロスオーバーはいまほど支持されておらず、クルマの出来以前に人気が出なかったモデルも多いものです。
いまだったら売れていたかもしれない、かつての軽クロスオーバーにはどのようなモデルがあるのでしょうか。
●ホンダ「Z」
ミニバンやステーションワゴンなどが人気を集めた1990年代後半から2000年代前半、軽自動車界はトールワゴン(ハイトワゴン)が主流となり、モノコックボディを採用したSUVもチラホラと存在していました。
そんな1998年に、当時のホンダが展開していた「J・ムーバー」シリーズの軽バージョン「K・ムーバー」のひとつとして誕生したのが「Z(ゼット)」です。コンセプトは「スモール・イズ・スマート」でした。
乗用タイプの「ライフ」もほぼ同時期にデビューしたため同車がベースと思われがちですが、Zはかなり奇抜なレイアウトを採用。それが、後席下にエンジン&トランスミッションを搭載するミッドシップ方式の採用です。
しかも当時のホンダといえば4WDは「デュアルポンプ式」が主流でしたが、Zにはビスカスカップリング式のリアルタイム4WDを採用。
ミッドシップ4WDという2代目「NSX」と同じレイアウトを今から20年以上も前に、軽自動車で採用するあたりがホンダらしいチャレンジングな一面を感じさせます。
ボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1675mmで、ハイトワゴンとしても十分活用できる居住性を確保。また当時としては珍しい軽自動車に15インチタイヤを装着していました。
オフロードにも対応できる悪路走破性も確保していますが、3ドアボディのみという実用性を犠牲にしたのがイマイチ人気にならなかった理由のひとつかもしれません。
■個性が光る軽クロスオーバーとは?
●三菱「eKアクティブ」
三菱の軽自動車「eKシリーズ」は2001年にはじまったシリーズですが、「eKワゴン」「eKスポーツ」「eKクラッシィ」に続く第4弾として2004年に登場したのが、SUV感を演出する装備を充実させた「eKアクティブ」です。
現在のSUVは乗用車などで使用されるモノコック構造が主流ですが、1990年代前半までは、クロスカントリー4WDなどで使用されるラダーフレーム構造がSUVでも主流で、王者「パジェロ」を有する三菱全盛の時代でもありました。
その黄金期で培われた本格派SUVのテイストを軽自動車にも盛り込んだチャレンジングな1台として誕生したeKアクティブは、大型の専用カラードバンパー(前後)やスキッドプレート風ガーニッシュ(前後のボディ下部)、ドアやサイドにもガーニッシュを装着。
さらに14インチタイヤを装着し、現在の「デリカD:5」にも通じるアウトドア感を演出していました。
グレードは660ccNAエンジン(50馬力)の「V」と、豪華な同ターボ(64馬力)エンジン搭載の「VT」の2種類。駆動方式はFFかフルタイム4WDが用意されました。
内装の意匠はeKスポーツと共用し、最低地上高もそれほど高くないなど、どちらかといえば「なんちゃって」に近いクロスオーバーではありますが、eKシリーズの実用性の高さを犠牲にすることなく雰囲気を楽しめる、乗りやすい1台になっています。
●スズキ「Kei」
軽自動車が得意なスズキにも、かなり古くからクロスオーバー的モデルが存在していました。それが1998年に登場した「Kei」です。
ちょうど軽自動車の規格が、現在でも採用されている全長3.4m以下に拡大することを受けて、これに適合した第1弾として、SUV風のクロスオーバーモデルのKeiがデビュー。
もともとKeiは、セダンとSUVの中間を目指して開発されたモデルで、乗降性の良さと高いヒップポイントによる良好な視界、それでいて立体駐車場に入るサイズ(全長3395mm×全幅1475mm×全高1545mm)を実現しました。
デビュー時は3ドアのみでしたが、翌1999年には実用性を高めた5ドアも追加。2000年にフロントデザインを一新したり、2006年にも手が加えられ、2009年の生産終了まで11年ものロングセラーモデルとなっています。
また1999年には3ドアをベースにしたスポーティモデル「Keiスペシャル」が誕生。2000年に軽スポーツの代表格「アルトワークス」の生産中止を受けて、軽スポーツ部分を背負うべく「Keiスポーツ」、さらに2002年には「Keiワークス」に進化するなど、クロスオーバーというより軽スポーツモデルとして認知された部分もあります。
そもそもクロスオーバー的発想で作られただけに、まさに乗用タイプ+SUV÷2的なモデルになっており、ハイトワゴンほどノッポではないものの頭上空間にも余裕があり、通常の軽セダンとは違う使い勝手を持っていました。
※ ※ ※
登録車と比較してホイールベースが短い軽自動車だけに、最低地上高が上がるメリットは大きく、多少の段差も難なく乗り越えられます。
ハイトワゴンやスーパーハイトワゴンのように居住性も強く意識していない半面、適度な重心高で視界も良好。今後の軽自動車には、さらにクロスオーバーモデルが増えてくる可能性は高そうです。
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「地獄すぎる…タスケテ…」トヨタ「高級ミニバン」修理後初日に起きた悲劇… 5児の父、芸人「エハラマサヒロ」の身に何が?
約100万円! マツダが“新型”「軽トラック」発表! 5速MT+“LSD付き”4WDもアリ! 燃費も高まった「スクラムトラック」に販売店でも反響あつまる
「激安っ!」“3550円”で運転免許が取得できる! “技能試験不要”な「1番安い」運転免許と「1番高い」運転免許とは?
300馬力のトヨタ「和製スーパーカー」が凄い! 「ミッドシップ×オープンカー」の山盛り仕様! ハイブリッドも搭載した「斬新スポーツモデル」に期待大!
[元警察官に聞いた] 押収された違法改造バイクは、警察側で処分するのか? 持ち主に返却するのか?
[元警察官に聞いた] 押収された違法改造バイクは、警察側で処分するのか? 持ち主に返却するのか?
「日本の運転マナー = 三流レベル」は本当か? データ&歴史で再検証、原因は“警察”にもあったのかもしれない
「激安っ!」“3550円”で運転免許が取得できる! “技能試験不要”な「1番安い」運転免許と「1番高い」運転免許とは?
国民ブチギレ!? なぜ「13年」で“自動車税&重量税”高くなるのか…「クルマは税金の塊」「いい加減見直して~」の声も? 理不尽な重課措置の仕組みとは
約100万円! マツダが“新型”「軽トラック」発表! 5速MT+“LSD付き”4WDもアリ! 燃費も高まった「スクラムトラック」に販売店でも反響あつまる
みんなのコメント
失敗を恐れているのかどうか分からないが、ユーザーが望むものを敏感に嗅ぎ分ける商売勘も残念ながらホンダは退化しているように思う。
それにCMでは、アメリカのロックバンドZZTopと言うバンドを起用してました。
Z繋がりで使われました。
髭面のおじさんです。