初代シビックは1972年、ホンダ初の小型乗用車として登場した。今回は、その初代シビックに特別に試乗する機会を得た。記事末には、実際に走行する映像を収めた動画も用意する。(Motor Magazine2021年6月号より)
現行10代目シビック タイプRのハンドルも握る
「ワンダー」や「グランド」といった愛称で親しまれていたのがホンダ シビックである。実は当時、購入も検討した(結果的にはアコードになった)ほど大好きなクルマだった。ただ、それ以外の歴代モデルにもこうしたネーミングが付いていたようだが、それらはあまり記憶に残っていない。「スポーツ」、「ミラクル」あたりはなんとか記憶の片隅から引っ張り出せたのだが・・・。
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初代シビックの誕生は1972年。生誕から50年を迎えるモデルだ。ちなみに現在は10世代目である。そんな歴代シビックがすべて揃う企画展が現在、ツインリンクもてぎのホンダコレクションホールで「CIVIC WORLD 受け継がれるHONDAのDNA」というテーマのもと開催(~2021年5月31日)されている。
改めて一堂に会した10世代のシビックを見たが、記憶に強く残っているのは3世代目「ワンダー」と4世代目「グランド」だ。前述したようにシビックは2世代目から7世代目まで愛称があるという。みなさんはいくつ思い出せますか?
実際に、10世代が並んだシビックをじっくりと初代モデルから見ていくと7世代目あたりでかなり迷走しているような印象を受けた。9代目あたりは記憶も薄い。しかし、それも当然かもしれない。日本では2010年から、シビックは販売が休止されていたのだ。
さて、試乗した初代シビックだが、運転してみると50年近く前のクルマだとは思えないほどしっかりしていることに驚く。しっかり整備されており、完璧な状態で維持されていた。運転も難しい操作は必要ない。走っていると自然と頬が緩み、心が癒されてくる。
そして今回の取材ではもうひとつイベントがあった。現行型タイプRの試乗である。つまり、初代と10代目を乗ることができるという夢のような1日だった。現行型タイプRの試乗は、ツインリンクもてぎ南コース。制限速度こそ設定されていたものの、そのパフォーマンスを確認するには十分である。実に楽しい時間はあっと言う間に終わる。気がつけば与えられた走行時間が終了していた。
改めて試乗することができた初代と現行の2台のシビック。2台の世代間には50年の月日が流れ、車名以外共通する部分はないが、ホンダが挑戦し続けてきたクルマづくりの歴史を体感できた。(文:Motor Magazine編集部 千葉知充/写真:井上雅行)
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