10月18日(金)、チェコ、ドイツ、オーストリアを舞台とする2024WRC第12戦セントラル・ヨーロピアン・ラリーのデイ2が行われ、ヒョンデ・シェル・モービスWRTのティエリー・ヌービル/マルティン・ウィダグ組(ヒョンデi20 Nラリー1)が総合首位に立っている。
日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、総合5番手で大会2日目を終えた。そんなデイ2を終えた各陣営から、ドライバーたちの声が届いている。
王座狙うヌービルが首位奪取。霧が漂うなかクラッシュ寸前のアタック合戦に【第12戦デイ2】
■Mスポーツ・フォードWRT
●アドリアン・フルモー(#16 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ2総合7番手
「ジャンプ中にハイブリッドを失った。マシンの感覚がまったく感じられなくて、悪夢みたいだよ。ステージはトリッキーでドライビングがとても難しく、マシンが僕を嫌っているみたいだ」(SS4)
「正直、本当にイライラする。ブレーキングが安定していないんだ。バンピーだし、マシンが大きく動いてしまう。確かにバンピーなセクションは、僕たちがかなり苦戦するところで、場所によってはグリップがまったくないよ」(SS6)
「僕たちにとって本当に難しい一日だった。望んでいたスタイルではなかったが、これがラリーだ。それにペースが出ないこともある。明日は違う一日になるだろうし、僕たちはベストを尽くしていく」(SS8)
●グレゴワール・ミュンスター(#13 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ2総合8番手
「昨日から、いくつか変更を加えた。改善は見られているが、それでもまだいくつかの場所では苦戦しているね。このステージではソフトタイヤは問題ないが、ブレーキング時にはあっという間にオーバーヒートする感じだ」(SS3)
「まだアンダーステアに悩まされており、ぼくもあのジャンプでハイブリッドを失った。しかも、フロントを内側に向けることに苦戦している。そうできなければフルスロットルで走ることはできないよ」(SS4)
「かなり乾燥しているので、少しプッシュしても大丈夫そうだ。まだ湿った部分があってマシンがラインから外れてしまうが、マシンのフィーリングが少し良くなったのでいい走りができるようになった。午後へ向けてはそれほど変更はしていなくて、ロールバー、クリック、それにいくつか小さな調整をしただけだったよ」(SS7)
●ジョルダン・セルデリディス(#19 フォード・プーマ・ラリー1)/デイ2総合29番手
「良いスタートだよ! 昨日の夜は暗かったけど、今は見えていて情報も多いんだ。暗いとあまりよく見えなくて難しかったけど、自信の問題でもあるかもしれないね」(SS3)
「前回と比べると、路面もステージもきれいすぎだった。今日楽しめるのは、これが最後になると思う!」(SS6)
「僕の走るタイミングになったら太陽が出てきたから、午前中よりもずっと良くなりそうだ」(SS7)
※いずれもSS走行直後の公式インタビューより
■ヒョンデ・シェル・モービスWRT
●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ2総合首位
「今日の最終ステージの終わりに、みんな僕の笑顔を見られたと思う! 素晴らしい一日を過ごし、今の順位で終えることができてうれしかった」
「チェコのステージは、天候と午前中の霧のせいで週末でもっともトリッキーで難しいコンディションだったが、今日の走りにはとても満足している。走行中は快適だったし、スピードと自信もあったので、ステージでの戦いは面白かった」
「こうしたポジティブな点を明日に持ち込みたいね。明日はまったく異なるタイプのステージを走ることになるので、これらの条件にマシンを適応させるためにやるべきことがあるかもしれない。激しい接戦なので、リズムを保って良い走りを続けなければならないよ」
●オット・タナク(#8 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイ2総合3番手
「全体的にポジティブな一日だった。とくに森林でのステージはとても過酷だったが、とても楽しかったよ。コンディションが難しくなるほど、マシンの挙動は良くなったが、サーキットのような道路ではいくつかのセクションで後れを取っていたね」
「それでも全体的には良い感じだった。明日も良いリズムを保ち、限界のなかに留まることが重要だ。僕たちは全力でプッシュする必要がある。先頭の4人の間の差はとても小さいからね」
「明日の道路はジャンクションがたくさんあるが、それでいてかなり高速だ。レッキ中はかなりきれいで、アンチカットがたくさんあったから、今日のステージよりも安定して走れると思う。重要なのは速く走ることだ。そこから最大限に力を引き出すよう努力していくよ」
●アンドレアス・ミケルセン(#9 ヒョンデi20 Nラリー1)/デイリタイア
「今日は完走できなかったので残念だ。午前中はとても難しい状況だった。SS5はステージ全体を通して難しかったが、それでも良いペースを保つように努めた」
「左コーナーでは、予想していたよりもグリップが弱く、アンダーステアになり、ワイドになってフェンスに突っ込んでしまった。残念ながら、マシンのダメージが大きすぎてレースを続行することができないが、明日は復帰できるよう願っている」
■TOYOTA GAZOO Racing WRT
●セバスチャン・オジエ(#17 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ2総合2番手
「フルデイ初日の今日は、我々にとってポジティブな一日だった。スタート順が早くないとコンディションが難しくなることは分かっていたが、主催者はインカットを防止するためのデバイスを設置するなどいい仕事をしてくれたと思う」
「おかげで、ここまでトップのクルマ同士でいい戦いができているんだ。朝は2回ほどオーバーシュートしてしまい、数秒を失った。SS5では路面にダートが多く出ていて、落ち葉もたくさんあったのでタイムロスを覚悟していたよ」
「午後はSS7の終盤で数秒を失いフラストレーションが溜まったが、最後のステージではリスクを冒して走り、トップに近い位置を維持することができたと思う。優勝争いにも残っているので、明日も全力を尽くすよ」
●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ2総合4番手
「まずまずの一日だったね。ステージによって非常に良いところもあれば、そこそこなところもあるなど、少々アップダウンがあったんだ」
「今朝はグリップが変わりやすく、2本の長いステージは路面がかなり湿っていて、他のクルマが走ったことで少し汚れていた区間も見られた。午後のリモートサービス後のステージは非常にうまく行ったと感じている」
「ただ最後のステージでは、とくに路面が汚れたセクションでかなりタイムを失ってしまったようで、少し不満が残った。明日は路面が少しクリーンになり、ステージの特徴も少し変わるので、それに適応することに集中していこうと思う」
●サミ・パヤリ(#5 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ2総合5番手
「今日は予想していた以上に楽しむことができた。ただ、最初のステージでハイブリッドブーストを失ってしまったのは少し残念だった」
「今週末は結果には重点を置いていないのだけれど、他のドライバーと自分のタイムを比較して自分の位置を知ることができなかったことを残念に感じている」
「それでもクルマのフィーリングはとても良く、クリーンに走ることができた。明日は出走順が良くなり、ステージももっとクリーンになるはずなので楽しみだ。良い流れに乗り、ステージを楽しみたい」
●勝田貴元(#18 トヨタGRヤリス・ラリー1)/デイ2総合6番手
「全体的にはとてもうまくいった一日でした。難しいコンディションのステージもありましたが、クルマの調子は良く、自信を持って走ることができました」
「コンディションが安定しているときはプッシュし、そうでないときは少しペースを抑えるなど、ラリー前に立てたプラン通りに走ることに専念しました。もちろん、その分タイムをロスすることにはなりましたが、なかなかクレバーな走りができたのではないかと思います」
「あとは、このポジションをラリーの最後までキープするだけです。明日はもっとクリーンな道を走れることを期待していますが、それでも依然トリッキーであることはまず間違いないので、とにかく集中してベストを尽くすだけです」
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