現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > トヨタ新型「GRヤリス」は本格4WDスポーツも意外な美点が!? 公道試乗で判明した実力とは

ここから本文です

トヨタ新型「GRヤリス」は本格4WDスポーツも意外な美点が!? 公道試乗で判明した実力とは

掲載 更新 16
トヨタ新型「GRヤリス」は本格4WDスポーツも意外な美点が!? 公道試乗で判明した実力とは

■「新型車と思えないくらい自然」 GRヤリスの実力は?

 プロトタイプをサーキットで試乗して、すでにレポートしているトヨタ「GRヤリス」ながら、まだ公道をじっくり試していない。はたして使い勝手や乗り心地、絶対的な速さ感など、どんなレベルだろうか。

スポーツカー好き女子が見た「GRヤリス」は最高にいいクルマ! でも欲しくない理由とは!?

 試乗車は「何でも付き」の最上級グレード。といってもスポーツモデルなので豪華装備じゃなく、LSDや高性能タイヤなど速さを追求するアイテムのフル装備です。

 一般道を走るクルマとして考えれば十分なホールド感を持つドライビングシートに座り、プッシュボタンでエンジン始動。

 1速を選びクラッチミートすると、このあたりの操作感は新型車と思えないくらい自然です。シフトフィール良好! クラッチ繋がるストロークや位置もほどよい。新型車って完成度低いことが少なからずあります。

 試乗会場は山の上にあるホテルだったこともあり、ワインディングロードを普通のペースで下っていく。ステアリングギアボックスの容量が大きいため、ハンドルを切った量に対し素直にクルマは反応してくれる。ハンドルの重さもちょうど良い感じ。

 いろんな意味で熟成されている。普通の新型車なら1回、2回の改良を受けた程度の仕上がりといって良いでしょう。

 サスペンションはスポーツモデルとあって減衰力をキッチリ出しています。その割に初期が滑らかに動くため乗り心地も悪くない、と思っていたら、路面の段差など大きい入力があると「ガツン!」ときた。このあたり、KYBの限界かもしれません。

 三菱「ランサーエボリューション」シリーズ(ランエボ)も、スバル「WRX」シリーズも、KYBが最後まで要求値に届かずビルシュタインを選んだ。

 滑らかな路面の高速道路など走っていればとても快適ながら、荒れた途端にドタバタします。コーナリング時のようなロール速度だと、これまた悪くない。

 サーキットを走るなら問題無し! もっとも厳しいのはターマックラリーのように荒れたワインディングロード走ったときの挙動でしょう。ここを改善したら乗る心地の奥行きも出る。

 GRヤリスの開発陣が長い時間を掛けてKYBを改良していくのか、それとも「良いものは躊躇わず使う」という選択して実績のあるダンパーを採用したグレードを作るか、興味深い。

 KYBのダンパー、スバルと三菱が15年掛けてモノにならなかった。ここはZF(ザックス)あたりを使ったらいいと思う。

 しっかりしたクルマ作りが出来ない自動車メーカーにはB級ランクの製品しか出してこないZFながら、GRヤリスの開発チームならA級ランクのダンパーを作ってくれると思う。

 正規グレードじゃなく、オプション設定でもいい。少なくとも私(国沢光宏)がGRヤリスを買ったらダンパーは手を加えます。もちろん普通の人なら標準で満足出来るだろう。

■内燃機関のみのスポーツカーという貴重な存在

 乗り心地がしっとりすれば質感だってググッと上がる。駆動系の遊びは無く、ブレーキタッチはガッチリしていて気持ち良い。素晴らしいことに優れた性能を持つ自動ブレーキだって付く。

 加えてブレーキホールド機能付きのため、坂道発進で面倒なサイドブレーキ操作不要。万が一エンストしても、アイドリングストップ付きだから自動で始動してくれます。

 バリバリの高性能モデルながら街乗りしていてストレス無し。ランエボとWRXもストレス無く乗れるクルマだったけれど、GRヤリスには「軽快感」がある。

 このクルマに近いモデルを挙げるならポルシェ「911」でしょう。いや、10タイプくらいの路面コンディションで勝負したら911に勝てると思う。コストパフォーマンス、高いです。

 このまま乗るのも良いが、私なら前述の通りダンパーを変更し(前のめりになった車高は、もう少しリアを落としたい)、バーチャル発表会に出ていたGRヤリスのような大型リアウイングを付ける。

 というか、なんでリアウイングのオプションを用意しなかったのか不思議でならない。モリゾウさんが乗っていたGRヤリス、カッコ良いです。

 そうそう。1.5リッター直列3気筒+CVTを組み合わせたFFの「RS」グレードにも試乗してみた。AT限定免許で乗れるため、GRヤリスの雰囲気を楽しむならいいと思う。

 WRC好きならラリーカーのような大きいリアウイングを付け、奥さん用のクルマとして導入するも良い? ボディや車体骨格など共通なので、どんな走りをしたってボディは余裕しか感じない。

 世界規模で燃費規制が厳しくなっているご時世、もうGRヤリスのようなガソリンエンジンだけで走るスポーツモデルは出てこないだろう。エンジンで走るクルマ好きにとって、最後のプレゼントのような存在です。

 気になる人はぜひディーラーで試乗してみたらいいと思う。

こんな記事も読まれています

無冠の帝王が汚名返上。苦節13年で初王者のヌービル「本当に長かった。大変な努力へのご褒美だ」
無冠の帝王が汚名返上。苦節13年で初王者のヌービル「本当に長かった。大変な努力へのご褒美だ」
AUTOSPORT web
フェルスタッペンがドライバーズ選手権4連覇【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP 決勝
フェルスタッペンがドライバーズ選手権4連覇【正式結果】2024年F1第22戦ラスベガスGP 決勝
AUTOSPORT web
古さと新しさが同居した天才的デザインに仰天!! ディフェンダーの「貫禄」にシビれた!!!【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】
古さと新しさが同居した天才的デザインに仰天!! ディフェンダーの「貫禄」にシビれた!!!【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】
ベストカーWeb
ドリキンが自腹購入したホンダ「シビックタイプR」でチューニング指南! 無限×ヤマハコラボの「パフォーマンスダンパー」は買いです
ドリキンが自腹購入したホンダ「シビックタイプR」でチューニング指南! 無限×ヤマハコラボの「パフォーマンスダンパー」は買いです
Auto Messe Web
【F1第22戦決勝の要点】 岩佐歩夢が分析するメルセデスの速さの秘密「マシン特性の不利を覆すほどのいい仕事」
【F1第22戦決勝の要点】 岩佐歩夢が分析するメルセデスの速さの秘密「マシン特性の不利を覆すほどのいい仕事」
AUTOSPORT web
1.2L 3気筒+モーター3基で300ps ルノー・ラファール E-テックへ試乗 アルピーヌに相応しい走り
1.2L 3気筒+モーター3基で300ps ルノー・ラファール E-テックへ試乗 アルピーヌに相応しい走り
AUTOCAR JAPAN
ヒョンデ「アイオニック5」がマイチェンで航続可能距離703キロに! 気になる車両価格は523万6000円から…30台限定の「コナ マウナ ロア」にも注目
ヒョンデ「アイオニック5」がマイチェンで航続可能距離703キロに! 気になる車両価格は523万6000円から…30台限定の「コナ マウナ ロア」にも注目
Auto Messe Web
『絶対完走』の重圧に耐えた勝田。来季シートがかかっていたことを示唆【ラリージャパン後コメント】
『絶対完走』の重圧に耐えた勝田。来季シートがかかっていたことを示唆【ラリージャパン後コメント】
AUTOSPORT web
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 後編 ジャンクヤード探訪記
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 後編 ジャンクヤード探訪記
AUTOCAR JAPAN
中型からステップアップ 人気の“ミドルクラスネイキッド”スズキ「SV650」とカワサキ「Z650RS」どっちを選ぶ?【スペックでライバル比較】
中型からステップアップ 人気の“ミドルクラスネイキッド”スズキ「SV650」とカワサキ「Z650RS」どっちを選ぶ?【スペックでライバル比較】
VAGUE
ラリージャパンで一般車の侵入という衝撃トラブルが発生! SSのキャンセルもあるなかトヨタ勢は2・3・5位に着ける
ラリージャパンで一般車の侵入という衝撃トラブルが発生! SSのキャンセルもあるなかトヨタ勢は2・3・5位に着ける
WEB CARTOP
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 前編 ジャンクヤード探訪記
米国にある「廃車の山」で見つけたお宝 40選 前編 ジャンクヤード探訪記
AUTOCAR JAPAN
サーキット派に朗報! ウェッズスポーツ「TC105X」に16インチの新サイズ登場…マツダ「ロードスター」や走りのFF車にオススメです
サーキット派に朗報! ウェッズスポーツ「TC105X」に16インチの新サイズ登場…マツダ「ロードスター」や走りのFF車にオススメです
Auto Messe Web
【ラリージャパン2024】最終ステージでトヨタが逆転! マニュファクチャラーズタイトル4年連続獲得、豊田章男会長「感動という共感を生んだ」
【ラリージャパン2024】最終ステージでトヨタが逆転! マニュファクチャラーズタイトル4年連続獲得、豊田章男会長「感動という共感を生んだ」
レスポンス
1度の運転では好きになれない シトロエンCX 5台を乗り比べ(2) GTiにファミリアール 仏大統領も愛用
1度の運転では好きになれない シトロエンCX 5台を乗り比べ(2) GTiにファミリアール 仏大統領も愛用
AUTOCAR JAPAN
独創的な「近未来」フォルム! シトロエンCX 5台を乗り比べ(1) モデル名は空気抵抗係数から
独創的な「近未来」フォルム! シトロエンCX 5台を乗り比べ(1) モデル名は空気抵抗係数から
AUTOCAR JAPAN
4連覇を決めたフェルスタッペン「苦しいシーズンの中で多くのことを学んだ。だからこそ特別だし、誇らしい」
4連覇を決めたフェルスタッペン「苦しいシーズンの中で多くのことを学んだ。だからこそ特別だし、誇らしい」
AUTOSPORT web
【ポイントランキング】2024年F1第22戦ラスベガスGP終了時点
【ポイントランキング】2024年F1第22戦ラスベガスGP終了時点
AUTOSPORT web

みんなのコメント

16件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

150.1235.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

98.4318.0万円

中古車を検索
ヤリスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

150.1235.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

98.4318.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村