2016年11月に発売された「ノート e-POWER」は、発売直後から人気を呼び、11月にはトヨタのハイブリッド車、プリウス、アクアを抑えて販売ランキングのトップに立った。その後1月もトップ、2月も2位で、2016年度下期(10月~3月)ではコンパクトカークラスで首位の座を獲得している。
ノートe-POWERの何が受けたのか、e-POWERの本質は何かなど、ノートe-POWERという新しいクルマの知られざる本質を探ってみた。
■ノートe-POWERはシリーズ・ハイブリッド
周知のように、日産が開発した「e-POWER」は、分類上はシリーズ・ハイブリッド方式と呼ばれるハイブリッド・システムで、エンジンの力で発電し、その電力でモーターを駆動するという、けっこうシンプルなシステムだ。
史上初のハイブリッド車は、フェルディナント・ポルシェが開発した「ローナー・ポルシェ」で、シリーズ・ハイブリッドシステムを採用していた。日産はe-POWERを2010年頃から、つまり電気自動車のリーフと並行して開発をしていたという。つまりリーフは純粋な電気自動車にするか、発電用のエンジンを搭載するかという検討が行なわれていたと推測できる。
しかし、なぜリーフよりかなり遅れて登場したのか? それはシリーズ・ハイブリッドの重要ポイントであるエネルギー変換効率を高めることと、エンジンの最適な使い方を研究・開発していたからだ。
エンジン→発電機→バッテリー→インバーター→モーターというエネルギーの流れの中で、個々の変換時にエネルギー損失が大きければ、高効率のハイブリッド・システムとはいえない。変換時のエネルギーロスを最小限にし、なおかつエンジンやバッテリーの使い方を煮詰めることでe-POWERは実現したのだ。
また商品としては、長時間の充電を必要とし、長距離走行では電欠の不安があるため、途中での充電が欠かせない、といった純電気自動車にはまだ抵抗感を持つ人が多いのが実情で、長距離走行が不安なくでき、同時に電気自動車と同等の走りができるe-POWERに存在価値があるという位置づけも行なわれている。
■e-POWERの燃費性能
e-POWERは、バッテリーに電力が蓄えられている間はEV走行で、バッテリーの電力が不足するとエンジンが始動して発電するという仕組みだ。そのエンジンは常用域では発電のために約2500rpm/スロットル全開で運転される。
これはエンジンにとって最も高効率な運転条件で、通常のエンジン車なら120km/hの巡航状態に相当する。つまりエンジンとタイヤ駆動が直結されていないために、こうした発電専用のエンジンの高効率運転が可能になっているわけだ。
そして市街地走行では、充電が終わればエンジンはすぐに停止するという運転パターンになる。もちろん市街地走行では加減速が繰り返されるために、減速時のエネルギー回生も多用される。結果的に市街地モードの走行では約70%はエンジンを停止したままで走行でき、これが従来方式のハイブリッド車より燃費性能が優れている要因だ。
もちろん、より走行の負荷が大きくなると、エンジンは連続運転になり、車速とエンジン回転数が比例する運転となり、エンジンは最高5500rpm付近まで回転数がアップする。したがって、e-POWERが他のハイブリッド車を上回る高効率な範囲は80km/h以下で、つまり日本でのクルマの使用条件にマッチしているのだ。
もうひとつのポイントはバッテリーで、e-POWERには出力密度の大きなリチウムイオン・バッテリーを採用しておりエネルギー密度重視のリーフ用とは特性を変えている。さらにバッテリーはその容量をフルに使い切るような制御を採用し、他のハイブリッド車のような20~80%の充電状態に維持する制御とも違っている。
■加速と減速
ノートe-POWERはモーターの駆動力だけで走行するため、走りのフィーリングは電気自動車と全く同じだ。エンジンを遥かに上回るレスポンスのよさ、力強く滑らかで、これがリーフから採用している80kWの強力なモーターと発進の制御技術が生かされている。
スタートする瞬間の滑らかさ、市街地での一定速度からの加速では穏やかにするといったきめ細かなチューニングがされている。また市街地ではモーターのみの走行が多く、その結果として上級車なみの静粛さも実現している。
S、Ecoモードを選ぶとワンペダル・ドライブもe-POWERの大きな特徴だ。減速時のエネルギー回生力を強めることで、ブレーキペダルを踏まなくても停止でき、市街地ではアクセルペダルだけで加減速をしてスムーズに走ることができるのだ。
このアクセルペダル・オフでの減速は最大で-0.15Gに設定されている。もちろん技術的にはもっと強くすることもできるが、普通のクルマの各ギヤでのエンジンブレーキを参照しながら決めたという。
またアクセルペダル・オフでの減速時は0.7~1.3m/秒の減速度でブレーキランプが点灯するようになっているが、この点については近いうちに保安基準でより詳細に規則が決められる見込みで、当然それに適合させるという。
なお、リーフの場合は初めての電気自動車ということもあり、電気自動車特有の回生ブレーキの使用は抑えられている。これは今までのクルマと違和感がない運転感覚を重視して開発された結果なのだが、ノートe-POWERは一歩前進して、EV走行ならではのメリットをアピールしているのだ。
ノートe-POWERは原理的にはハイブリッドだが、実際に乗ったフィーリングは確かに電気自動車のフィーリングで、試乗した一般ユーザーも、強力なモーターが生み出す加速感と燃費性能の両立、静粛さ、減速回生力を活かしたワンペダル・ドライブを評価しているそうだ。
また、ノートe-POWERは、市街地走行を重視した走り、燃費のため日本専用のモデルと位置付けられているが、じつはバッテリーの容量を増大すればレンジエクステンダーEVになり、それに充電装置を付け加えればプラグインハイブリッドになるなど、大きな可能性を持つ電気駆動アーキテクチャーだと見ることができる。
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