2020年度(2020年4月~2021年3月)登録車車名別販売ランキングを見ると、1位はヤリス、2位にライズ、3位カローラ、4位アルファード、5位ルーミーとなっている(すげえなトヨタ…)。1位のヤリスは標準ヤリスに加えてヤリスクロス、GRヤリスも含む数字なので、単体車種で数えればなんとライズがいま日本で一番売れている車種となる。
そんなライズ、「ちょっと気になる」「そんなに売れているというなら購入候補に入れてもいいかな」という人も多いのではないでしょうか。
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そこで本稿では、ライズを買う前にざっと目を通しておくと、ディーラーに行ってなにかと商談がスムーズにすむ内容をお届けします!(最近トヨタは販売店統合で全店舗全車扱いになったので、お客さん側がある程度調べていかないと話が進まないことが多いです!)
文/諸星陽一
写真/TOYOTA
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■2019年11月に発売されたライズ
ライズは2019年11月に販売開始されたコンパクトSUV。ボディサイズは全長3995mm×全幅1695mm×全高1620mm、最小回転半径は4.9m
2019年の東京モーターショー、ダイハツブースに「新型コンパクトSUV(市販予定車)」の名で展示されたモデルが、同年11月5日に市販モデルのダイハツ・ロッキーとトヨタ・ライズとして発表、発売が開始されました。
2020年4月~2021年3月までの登録台数はロッキーが2万6425台、ライズが12万988台と4.5倍もの台数を誇ります。もっともディーラー数はトヨタが約6000拠点、ダイハツが790拠点と拠点数には大きな開きがありますので、登録台数の差は推して知るべしでしょう。
今回はトヨタのライズにフォーカスして話を進めます。
トヨタは以前にダイハツから1.5リットルSUVであるビーゴの供給を受け、「ラッシュ」の名前で販売していましたが、ライズはラッシュの後継というよりも独立したモデルとして投入されたと考えていいでしょう。
なお2020年3月~2020年4月の登録台数12万988台は、ヤリスに次ぐ2位(登録車販売台数ランキング)の順位です。ヤリスは20万2652台と断トツの台数を誇りますが、その台数はヤリス、ヤリスクロス、GRヤリスの合計。ヤリスの登録台数のうち約半分はヤリスクロスだというのだから、じつはライズが日本で一番売れているクルマと言ってもいいのかも知れません。
随所に散りばめられた赤のアクセントカラーが明るさや楽しさを演出する。前後シート距離は900mm確保されており、同じトヨタのヤリスクロスに匹敵する広さが確保されている
2019年11月の発表以来、仕様変更や追加モデルに関する情報は発せられていませんが、すでに1年半以上が経過していることを考慮すれば、そろそろなんらかの動きがあるかも知れません。
トヨタ製ハイブリッドユニットの搭載などもウワサされていますが、価格的に大きく跳ね上がることになるハイブリッドモデルがライズのキャラクターに合うかは疑問が残ります。いずれにせよ、仮にハイブリッドモデルが登場しても従来の1リットルモデルは存続することでしょう。
ただし、(安全装備などが追加、改良される可能性が高く)若干の価格アップはあるかも知れません。
■グレード展開と安全装備
ライズは1リットル3気筒ターボエンジンを積むモデルで、FFと4WDの2種の駆動方式が用意されています。
ミッションは駆動方式にかかわらずCVTが採用されます。
グレード展開は上からZ、G、X・S、Xの4種となります。このうちXグレードはスマートアシストの名で呼ばれる衝突回避支援ブレーキ機能(いわゆる自動ブレーキ)などのASV(先進安全自動車)関連の装備が装着されませんので、ショッピングリストからは外していいでしょう。XとX・Sの価格差は6万6000円です。新車から3年間は任意保険のASV割引きもあるので、ランニングコストまで含めれば価格差はさらに圧縮されます。
小型SUVトップクラスの荷室容量を実現したラゲッジスペース。底のデッキボードを下段にセットした場合の容量は369L、荷室高は865mm
Xグレードを除くライズに採用されるおもなASV装備と安全関連装備は次のものです。
・衝突回避支援ブレーキ機能[対車両、対歩行者]
・衝突警報機能[対車両、対歩行者]
・車線逸脱警報機能
・車線逸脱抑制制御機能
・ブレーキ制御付誤発進抑制機能[前方、後方]
・先行車発進お知らせ機能
・アダプティブドライビングビーム(Zのみ)
・オートハイビーム(G、X・S)
・コーナーセンサー[前後各2個]
・進入禁止標識認識機能(Z、Gに標準。X・Sにセットオプション)
・全車速追従機能付きACC[アダプティブクルーズコントロール、停止保持機能なし](Zのみ)
・サイドビューランプ
・レーンキープコントロール
・ブラインドスポットモニター+リヤクロストラフィックアラート(Z、Gにオプション、6万6000円)
・パノラミックビュー(Z、Gにセットオプション)
・スマートパノラマパーキングアシスト[駐車支援システム](Z、GのFFにセットオプション)
■お薦めグレードは?
全車速追従機能付きクルーズコントロール(ACC)は最上級グレードのZに標準装備。価格は2WD車で206万円
注目すべきは全車速追従機能付きACCがZグレードでしか選べないことです。休日でのレジャー使用や帰省で長距離を運転するとなるとぜひとも欲しい機能です。オプションでの設定はないので、ACC装着車が欲しいという方はZグレードしか選択肢がありません。セカンドグレードGとの価格差はFFで16万5000円、4WDで14万8500円となります。
もちろんこの価格差はACCの有無だけではなく、上記にあるようにZグレードの場合(オートハイビームではなく)アダプティブドライビングビームとなります。アダプティブドライビングビームはハイビーム走行時に対向車が現れた際などに対向車に当たる部分を減光する機構で、周囲の交通に悪影響を与えることなく視界を確保できます。
さらに灯火関連だとLEDのフロントシーケンシャルウインカーとLEDイルミネーションランプが標準、ヘッドランプがオートレベリングとなります。
またZグレードの場合、タイヤ&ホイールが195/60R17タイヤ+17インチアルミホイールとなります。Gは195/65R16タイヤ+16インチアルミホイールです。Zグレードはタイヤ&ホイールのグレードがアップされるわけですが、タイヤは消耗品なのでグレードの高いものは交換時には費用がかさむことになります。
とはいえ195/60R17と195/65R16の価格差は、1500~2000円程度なのでさほど大きな出費にはならないでしょう。ただし、195/60R17サイズのタイヤはあまりポピュラーではないので選べるタイヤの種類は限られます。
中間グレードGにはオートエアコンやシートアジャスターなどの実用装備が装着される。価格は2WD車で189万5000円
街乗り中心で普段使いのクルマとしてのみ使いたいのでACCは不要という方はGもしくはX・Sを選ぶことになるでしょう。オートエアコン、LEDデジタルスピードメーターなどはオプション装着が不可能なのでそれらを希望する方はGを選ばなければなりません。また、シート上下アジャスターもX・Sでは選べません、正しいドライビングポジションを得るためにシート上下アジャスターが必要な体型の方はGを選びましょう。
■値引き額は?
車両本体価格で200万円程度がトップエンドとなるライズは、値引きについてはさほど大きな額が期待できません。狙うとしたらディラーオプションなどの装着なども込みで20万円プラスといったところでしょう。この程度の額も決算時期に合わせたものといえるようで、人気車種だけに平時に大きな値引きを引き出すのは難しそうです。
ライズのライバル車は兄弟車であるダイハツ・ロッキー、同じトヨタのヤリスクロス、スズキ・クロスビー、スズキ・ジムニーシエラといったところでしょう。
このうちロッキーは似ているようで意外と異なります。以前によくあったようなバッジだけ違うというクルマではなく、ライトなどのデザインも異なります。またボディカラーも異なるので、一度チェックをしておいたほうがいいでしょう。
ヤリスクロスはコンパクトSUVという面ではライバルとなりますがボディは幅広で3ナンバーとなります。ヤリスクロスにはハイブリッド車も用意されますが、ハイブリッドの場合は価格も60万円程度上がるので同じ土俵で比べるのは無理がありそうです。
スズキのクロスビーは価格帯が同じクラスとなります。
クロスビーの場合MX以外はACC標準装備なので200万円を切る車両本体価格でACCが手に入ります。ジムニーシエラはこのクラスでは唯一の本格的なクロカン4WDです。ライズのようなお手軽なSUVとはちょっと方向性が異なります。さらに納車は約1年待ちという状況で、一般的な考えではライバルになりにくいモデルと言えますが、何年経っても高く売れるという点では非常に魅力的です。
今後エンジン車が減っていくなか、投機的な意味まで含めるならばジムニーシエラはライバルとなり得るでしょう。
ライズ グレードと価格
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みんなのコメント
他メーカーがほとんどスルーしているのが不思議でなりません
国内は車があまり売れないから欧米のデカい車だけ作って売ろう、ではなくて
今一度、国内の需要に目を向けてほしいです
こんなのダイハツ一本だったら月1000台も売れやしない。
あまり人気が無い現行フィットもトヨタエンブレム着けたら爆売れするんじゃない?
日本人はマークで買う馬鹿なんだし。