走りのいいFFスポーツはタイプRだけじゃない!
1995年に登場したインテグラタイプR、1997年に登場したシビックタイプR。この2台が登場して以降、「日本車のFFスポーツと言えばタイプR」という時期が長らく続いていました。しかし、タイプR以外にも魅力的なFFスポーツが存在したのも事実です。今回はそんな打倒タイプRなFFスポーツたちを紹介。車種によってはタイプRよりも中古相場がリーズナブルで、まだまだこれから楽しめるかも?
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トヨタ・カローラレビン/スプリンタートレノ(AE111型)
トヨタが販売していた小型スポーツクーペであるカローラレビンとスプリンタートレノ、その最終型が1995年に登場した7代目AE111系です。先代モデルよりも軽量化を実現したボディに、名機4A-GEの最終進化系であり、1気筒当たり5バルブを有した20バルブエンジンの通称「黒ヘッド」は、リッター100psを超える165psを実現。
1997年のマイナーチェンジでは、2L以下クラスでは珍しい6速ミッションの採用も相まって、パワーバンドを外さない、回して楽しいボーイズレーサーらしい軽快なドライブフィールを持つモデルでした。
日産パルサー/ルキノ VZ-R(N15型)
1995年に登場した、5代目パルサーセリエとルキノの3ドアハッチバック。1997年にマイナーチェンジを受けますが、そのときに追加されたグレード「VZ-R」は、まさにホットハッチと呼ぶにふさわしいグレードでした。
日産の可変バルブタイミング機構であるNEO VVLを採用した1.6Lの通称「青ヘッド」のSR16VEは175psを発生。さらに同時期N1レースベース車両であるVZ-R N1も200台限定で販売されました。こちらは軽量化のために快適装備が省かれているほか、冷却性能の向上などが行われています。
何と言っても注目すべきはエンジンで、ハイパワーなSR16VEをさらにチューニングし200psを実現。チューニング内容は専用のシリンダーヘッド、吸排気系、クランクシャフトとフライホイールのバランス取り、ポートや燃焼室、吸排気マニフォールドの研磨など。
翌1998年にはさらに進化したVZ-R N1 version2が300台限定で発売。エンジンスペックこそ変わらないものの、足まわりやマフラーの変更でさらなる走りの進化を遂げていました。
トヨタ・セリカ(ZZT231系)
トヨタのスペシャルティクーペであったセリカ。その最終型が1999年に登場した7代目のZZT231系です。4WDターボグレードであるGT-FOURがラインアップにあった先代に比べて、FFのみのラインアップとなり軟派になったという意見もあるかもしれません。ですが、上級グレードであるSS-II系グレードには、1.8Lで190psというハイパワーを誇る2ZZ-GEエンジンが搭載されていました。
吸気バルブタイミングの連続可変と、吸排気バルブのリフト量も制御するという、さらに進んだ可変バルブタイミング機構のVVTL-iを採用。高回転でのピークパワーはもちろんのこと、低中回転域でのトルクにも優れて、扱いやすいスポーツNAマシンと言えるモデルでした。
三菱ミラージュ(CJ系)
1995年に登場した5代目CJ系ミラージュ。3代目からラインアップされていたスポーツグレード「サイボーグ」はこの5代目でも健在で、1.6Lに可変バルブタイミング機構MIVECを組み合わせた4G92エンジンは、175psを発生していました。そのエンジンフィールはまさに高回転型NAという感じで、MIVEC切り替えポイントも5000rpm前後と、タイプR系のVTECにも負けず劣らずの気持ちよさを持ったFFスポーツでした。
通常カタロググレードであるサイボーグに加えて、競技ベースグレードであるRSもラインアップされていて、Bライ系競技、とくにラリーでは多く活躍。現在でもダートラやラリーの地方選手権でその姿を見かけることもあります。
トヨタ・ランクス/アレックス Z(ZZE123H型)
2001年に登場した、カローラのハッチバックモデル「ランクス」とその姉妹車「アレックス」。一見すると普通のハッチバックに見えるこのモデルですが、スポーツグレードのZ系(アレックスはRS系)には、セリカと同じ190psを発生する2ZZ-GEエンジンが搭載。普通な見た目ながら熱い走りを実現するホットなモデルでした。
ほかのグレードにはないスポーツシートや大型ブレーキ、リヤディスクブレーキ、専用サスペンションなどエンジンだけではない走りの装備が与えられています。見た目がほかのグレードと大きく変わらないので侮ってしまうかもしれませんが、アクセルを踏踏み込めば速い、そんな羊の皮を被った狼のようなFFスポーツなのです。
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