2021年F1はドラマチックなフィナーレとなったが、F1の中継や記事を見ていると、聞き慣れない用語が出てくることがある。なんとなくわかるし、たしかにちょっとカッコいい響きだけど、正確にはどういう意味なのかわからないことがある。そこで、ここではそんな言葉をいくつか集めてみた。今回は「デブリ」や「ブリスター」、「フラットスポット」、「タイヤデグラデーション」、「ハード/ミディアム/ソフトタイヤ」、「デプロイメント」、「ブレーキバイアス」、「ICE」を解説。
「ターン1にデブリあるから注意ね」って、いったい?
モータースポーツに限らず、ほかの分野でもデブリという言葉はよく使われるが、F1では接触などでマシンが破損した際に散らばった破片などのことを言う。いわゆるゴミのことで、「デブリ=debris」はフランス語で「破片・瓦礫」のこと。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
路面に転がったタイヤかすのことは、とくに「マーブル(marbles)=大理石」と呼ばれる。
現在、F1で使われるカーボンファイバーは極めて薄くテンションが高いので、小さな接触でパーツが粉々になることも多く、タイヤに対して攻撃的で、また処理に時間がかかる。
ブリスター
タイヤトレッド面に気泡が発生する現象。異常発熱が起きると、トレッドコンパウンドに配合された揮発性の高い物質が沸騰し、気化することで起きる。
フラットスポット
トレッド面の削り取られてしまった部分のこと。ハードブレーキングなどによってタイヤがロックすると摩擦で削り取られる。2021年最終戦アブダビGP予選で、マックス・フェルスタッペンがミディアムタイヤでのアタックラップでフラットスポットを作ってしまい、急遽ソフトタイヤに交換してQ2をクリアするという出来事があった。
タイヤデグラデーション
デグラデーションとは「性能劣化」のこと。つまりタイヤデグラデーションとは、タイヤが「タレ」た状態のこと。摩耗、疲労、損傷、温度異常など、原因はさまざま。
ハード/ミディアム/ソフトタイヤ
現在、F1のタイヤはピレリの独占供給となっているが、ピレリはひとつのグランプリに3種類のコンパウンドのドライタイヤを持ち込み、各ドライバーに決勝レースで2種類以上のコンパウンドの使用を義務付けることで、レースをエキサイティングなものにしている。そのため各ドライバーはレース中断などがない限り、決勝レースで1度は必ずタイヤ交換しなければならない。
3種類のコンパウンドは、もっともソフトな仕様にレッド、もっともハードな仕様にホワイト、その中間のミディアムの仕様にイエローのマーキングが施されているので、ドライバーがどのタイヤで走行しているかわかる。
かつて2種類のコンパウンドが用意されていた時代は、メインで使うスタンダードスペックのタイヤを「プライム」、柔らかい方のスペックを「オプション」と呼んでいた。
デプロイメント
エネルギーを放出すること。エネルギー回生システムで回生した電気エネルギーをどこでどう効率的に使うかということを指す。デプロイメント=deploymentは「配置」「展開」を意味する。
ブレーキバイアス
前後ブレーキの制動力バランス。F1ではステアリングホイールのダイヤルやスイッチを操作することで走行中にブレーキバイアスを変更できるシステムを採用する。つまりドライバーによってはコーナーごとにブレーキバイアスを調整しながら走行している。
ICE
Internal Combustion Engineの略、直訳すれば内燃機関。パワーユニットの中のエンジン部分のことを指す。
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みんなのコメント
以前は使っていなかったものや、呼称が変わったものもあるし。
最近のオレだな