中古車ライターとして長年活躍してきた筆者が、思うところあり自腹で50万円の中古MINIを購入。クルマ選びから店選び、状態チェック、自分でメンテやオプション追加などをお届けする本企画。4回目となる今回は、買ったあとの「クルマの健康診断」。さすがに整備点検記録簿に記載ゼロの中古車を、そのまま乗り続けるのはちょっと不安。そこでプロに頼んで診断してもらいました。
格安50万円中古MINI購入奮闘記シリーズはこちら
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文/萩原文博
写真/萩原文博
【画像ギャラリー】50万円の中古MINIの健康診断状況を画像でチェック
■中古MINIの健康診断
走行距離10万km超、諸費用込み50万円の中古ミニクーパーSを手に入れて、3週間が経過した。クルマ代50万円に加えて、自動車保険代約6万6000円、ナビ&ドライブレコーダー取付工賃込みで約9万円。
フロアマット&ラゲッジマット約2万6000円。そしてハンドルカバーや室内のニオイ除去で約5000円、オイル交換約7000円と、ここまで69万4000円を投入。ようやく自分の愛車に仕上がってきた。
そのタイミングでミニの健康診断を行うことにした。
13年落ち、10万kmランナーのクルマなので、このタイミングで健康診断を受けることに!
車検は2021年4月に取得したばかりだが、整備点検記録簿にまったく記載がないため、気がかりな部分が多い。人間も年を重ねると年に一度は手健康診断を受けるようになる。
13年落ち、10万kmランナーのクルマだけに、現状のコンディションは気になるところ。コンディションチェックはMINIを熟知したジャーナリストと専門ショップにお願いした。果たして50万円MINIのコンディションはどんなものだろうか。
まずは、MINIに詳しいジャーナリストとして自身で4代のBMW MINIを乗り継ぐ竹岡圭氏にインプレッションをお願いした。
竹岡さんは初代MINIクーパーのMT車を皮切りに、旧型クーパーMT車、現行型クーパー5RドアAT車そして現行型MINIクロスオーバー クーパーD(AT車)を乗り継いでいる。現在の愛車であるクロスオーバー クーパーDは非常に便利で、どこへ行くにも使っていたら3年間で6万8000kmも走行してしまったそうだ。
リアシートはスライドするし、背もたれも倒すことができ荷物がいっぱい詰めて、しかもサスペンションのストロークが長くて、乗り心地もイイ。その上高速道路でもビシッと走る。まさにミニ好きな人のファミリィカーの本命モデルと太鼓判を押す。
■駆動系になんらかのトラブルか!?
走行距離10万km超の我が愛車ミニクーパーSを試乗してもらうと、まず内装のキレイさに驚いた様子。13年落ちの輸入車というとインパネの樹脂がとけてきて、ベタベタすることが多い。しかし、このクーパーSはべたつきがないうえ、接着剤も浮いていないのはスゴイと高い評価。
そして、旧型MINIの弱点と言われているのが、運転席のシート座面とプラスチックの接合部が破れてしまうこと。しかしこのクーパーSはその症状が起きていなかった。
いよいよ、試乗開始。開始早々竹岡氏から、この世代のクーパーSは電動パワステアリングだけど振動も出ているし、切り始めが重くて切っていくと軽くなる。元々MINIのハンドリングは非常にナチュラルで、ゴーカートフィーリングやオンザレール感覚と言われるように、ビシッとしている。しかしこのMINIはビシッとしていない。これは経年劣化なのか、それとも何かトラブルを抱えているのかチェックした方が良い、と言われた。
経年劣化なのか、それとも何かトラブルを抱えているのか…
そして、エンジンかミッションもしくはドライブシャフトか駆動系からゴロゴロという音が出ているとのこと。停止していても、ドアミラーが揺れるほど振動しているので、駆動系になんらかのトラブルがあるのではないかという診断が下った。
タイヤの溝がないことを伝えると、直進安定性がイマイチなのはタイヤの影響も多少はあるはず。タイヤを交換して、アライメントを取り直したらもう一度チェックしたい。ということで再検査となった。
一方で10万kmも走行しているのに、ボディはしっかりとしていて、やれている感じがない。エンジンやサスペンションなどをしっかりとケアすれば、MINIらしさが復活するはず。
クーパーS本来のパフォーマンスから比べると50%くらいだけど、あと50万円かけてキチンとリフレッシュすれば、MINIらしさを100%取り戻せるはず。エンジンはまだ元気なのだけれど、異音と振動が本当に気になる。もしかすると見えない部分に病巣があるのかも。。。という不吉な言葉を囁いていた。
■緊急入院することに!
竹岡さんのインプレッションに続いては、MINIを治すプロである東京都練馬区にあるガレージカメイ練馬にお伺いした。
MINIを治すプロ、東京都練馬区にあるガレージカメイ練馬
練馬区大泉学園町にあるガレージカメイは関東一円のMINIユーザーの駆け込み寺的存在で、取材に伺った日も初代そして2代目MINIが工場に並んでいた。
ガレージカメイは関東一円のMINIユーザーの駆け込み寺的存在
メカニックの成田栄次氏にまずR56型クーパーSのトラブルで多い部分を聞いた。最も多いのがサーモスタッドとラインパイプからの冷却水漏れ。そして、タイミングチェーンが伸びたり、チェーンガイド・テンショナーが破損したりすること。
これを防ぐためには、サーモスタッドとラインパイプは5万km、タイミングチェーンとチェーンガイド・テンショナーの交換は6万kmが目安で、これをほったらかしで走行するとエンジンが壊れて、ディーラーだとエンジン載せ替えで約150万円の費用が掛かるという。
今回は成田氏に、入庫した際のチェックを行ってもらった。
まず専用のチェック機器を繋いで診断を行うと、バルブタイミングに異常な信号があったことがデータとして残っていた。そのほか燃調が濃い程度で診断終了。
続いては成田氏が目視でチェックしていく。ブレーキディスクは交換したばかりで問題なし。ブッシュ系やブーツも破れなどはなかった。エンジンの下回りでも若干のオイルにじみなどはあるが、急を要する必要はないとのこと。
目視ではブレーキディスク、ブッシュ系やブーツも破れなどはなかった
しかし診断中にエンジンを掛けたままにしていたら、マフラーから白煙がモクモクと出てきた。これは、バルブシールの劣化によるものということ。ひと通り、見終わると成田氏から「エンジン開けてみますか」と言われた。
整備記録簿がないこと。タイミングチェーンの交換時期はどうなのかという不安と竹岡さんに指摘されたエンジンの異音や振動の原因があるかもと思い、意を決して開けてみることに。
MINIのエンジン
エンジンのヘッド部分を外していくとなんと!!タイミングチェーンのチェーンガイド・テンショナーが破損していた!
成田氏曰く、「このまま走行していたら、年内でエンジンは壊れていましたね。ラストチャンスだったかも」とのこと。
走行距離を考えると、一度は交換しているかもしれないが、チェーンガイド・テンショナーのアルミの部分が引きちぎられて樹種部分がエンジン内部に落ちているという状況でまさに不幸中の幸い。
そしてそのまま50万円MINIはガレージカメイに緊急入院。そのままタイミングチェーンの交換と白煙の原因であるバルブステムシールの交換することになった。
■トラブルを未然に防ぐことが大きな出費を防ぐ
購入して3週間、早くも大きな出費決定。
車検を4月に取得したばかりだが、タイミングチェーンは車検とは関係ない項目。やはりMINIに限らず年式の進んだクルマは主治医のような存在が必要で、トラブルを未然に防ぐことが大きな出費を防ぐ秘訣となる。
そして最も重要なのはそのクルマをいつまで乗るのかというユーザーの考えだ。
最も重要なのはそのクルマをいつまで乗りたいのかというところだ
今回、成田さんから、さらに予防を兼ねた修理メニューを勧めてもらったらが、とりあえず次の車検まで乗れるようにということでタイミングチェーンの交換とバルブステムシールの交換を行うことにした。やはり、50万円の中古MINI。一筋縄ではいかないようだ。
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修理期間、金額も後で記事にしてくださいね