■人気SUVの納期は軒並み6か月以上!?
ここ数年の傾向として、新車の納期が延びています。これまでは契約してから納車されるまで、在庫車でなくても1か月から1か月半ほどで済むことが多かったのですが、今は2か月でも短い部類に入ります。
新車の納期について販売店に問い合わせると、「半年かかる車種が増えています」という返答が目立ちます。
納期が遅れる理由について、一般の報道では「半導体の不足」が挙げられていますが、自動車メーカーの開発者からは別の事情も聞かれます。
「半導体はクルマのエアコンなどにも幅広く使われ、供給量が不足すれば、車両全体の納期を延ばします。それは事実ですが、納期遅延の理由は、半導体の不足だけではありません。
ワイヤーハーネス(電気信号を伝える電線など)や塗料、樹脂製品、複数の装備を組み合わせた各種のユニットなども不足しているのですが、新型コロナウイルス感染拡大による上海のロックダウン(都市封鎖)なども納期に影響を与えています。
納期が遅れる背景にはさまざまな事情が絡んでいて、単純なものではありません」
納期遅延の状況を見ると、クルマのカテゴリーによる違いもあります。軽自動車は、6か月以上に達する車種もありますが、2か月から4か月で納車できるものも多いです。逆にSUVには長めの車種が多いです。
SUVの納期について販売店に聞いたところ、次のような状況でした(2022年5月上旬時点)。
●トヨタ
ライズハイブリッド:8か月
ヤリスクロス:6か月以上
カローラクロスハイブリッド:10か月
ランドクルーザー:4年以上
●ホンダ
ヴェゼルe:HEV:6か月以上(PLaYは受注を停止中)
●スズキ
ジムニー:1年以上
主力のSUVの納期は軒並み6か月以上となっています。そして販売店に尋ねると、納期遅延の事情が車種によって異なることが分かりました。
トヨタの販売店は次のようにいいます。
「ライズはハイブリッドを追加したことで売れ行きが増えて納期も長くなりました。
ヤリスクロスやカローラクロスは、半導体などの影響が大きいですが、ランドクルーザーは発売直後から納期が不明でした」
また、ランドクルーザーの納期について開発者は、「ランドクルーザーは、海外向けの商品です。販売される地域としては、中東諸国が圧倒的に多く、しかも新型は人気が高いために日本への供給台数が減ってしまいました」と説明。
つまり半導体の不足以前に、需要に対して国内市場への供給台数が少なく、納期が短期間で延びたのです。ランドクルーザーの納期を遅延させる原因は、需要を大幅に下まわる生産計画にあったというわけです。
■ジムニーは増産しても納期遅れが解消されない
ヴェゼルも売れ筋グレードの「e:HEV・X」などが6か月以上で、前述のように「e:HEV・PLaY」は受注を停止しています。
ホンダの販売店は、「ヴェゼルは納期が全般的に長く、その中でもPLaYは1年以上に達したので受注を一時停止しています。PLaYには専用装備のパノラマルーフ(ガラスルーフ)が標準装着され、生産規模も小さかったのですが、そこに予想以上の注文が集まったので納期が延びて受注を停止しました」と説明しています。
ヴェゼルの納期遅延もメーカーが需要を読み誤ったことです。昨今の国内市場では、ヴェゼルのようなコンパクトSUVの人気が急上昇しているのに、十分な生産規模を持たせなかったから納期も延び、さらにe:HEV・PLaYは「欲しくても買えない」という状態になっています。
また以前のヴェゼルは、寄居工場(埼玉県)で生産していましたが、今は「N-BOX」などの軽自動車と同じ鈴鹿製作所(三重県)に移されています。
販売店からは「鈴鹿製作所が過密でヴェゼルの納期に影響を与えているのではないか?」という声も聞かれます。
納期遅れが長期間にわたって継続しているスズキのSUVとして、ジムニーも挙げられます。
納期は、2018年に現行型を発売してから、ほぼ一貫して1年から1年半に達しますが、新型コロナウイルスの影響で納期が遅延を始めたのは2020年以降なので、それ以前に始まったジムニーの納期遅れは生産規模の問題です。
それでもジムニーは、ほかのSUVに比べると増産に力を入れました。発売直後の届け出台数は1か月に約1800台でしたが、2021年は3300台弱に達します。生産台数を2倍近くまで増やしましたにもかかわらず、納期は短くなりません。
このジムニーの納期遅延についてスズキの販売店は「ジムニーの需要は、増産するほど増えてくる印象を受けます。街中で見かけるようになり、欲しいと思うお客さまも増えているため、需要も減らないのでしょう」といいます。
ここまで人気が根強いなら、生産ラインをさらに増やすことはできないのでしょうか。
この点についてメーカーの商品企画担当者に尋ねました。
「ジムニーはお客さまを長く待たせる商品ですので、もっと増産して納期を短く抑えたいのですが、生産ラインを増設するとその後も長く同じ生産ペースを保つ必要が生じます。
生産台数が減ると余分な生産設備を持つことになり、将来のクルマの需要を考えると大幅な増産には踏み切れません」
※ ※ ※
昨今高い人気を誇るSUVはさまざまな理由で納期が遅延していますが、その根本的な原因は、需要に対して生産規模が小さいことです。そこに新型コロナウイルスの影響も加わり、ますます納期が遅延しています。
この悪影響は中古車市場にも波及し、ランドクルーザーやジムニーの中古車価格は、現行型になると新車時の価格を上まわっています。希少価値が生じた結果、中古車がいわゆるプレミアム価格で売られているのです。
しかも現行型の中古車価格につられて、先代型の中古車まで高値で販売されるようになりました。
人気車の納期が遅延すると、新車市場だけでなく、中古車市場の混乱まで招きます。
メーカーは海外だけに関心を奪われず、国内市場の需要を正確に把握して、それに見合う生産をおこなうことが大切です。
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みんなのコメント
パジェロシリーズなくなって
日産もトヨタに対抗しようとしないし・・・
そら集中するよ