■もはや「国民車」と呼べる存在の「ルーミー」はどうなるのか
トヨタ「ルーミー」は、排気量1リッターのコンパクトハイトワゴンで、2016年11月に発売されました。
デビュー8年目に突入しましたが、次期モデルはどうなるのでしょうか。
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ルーミーはダイハツが企画・開発・製造を行いトヨタに供給されるもので、同社でも「トール」の車名で販売されるほか、スバルにも「ジャスティ」の車名で販売されていました。
なおトヨタではルーミーのほか、ルーミーの兄弟車として「タンク」も販売されていました。
デザインを少し変え、異なるディーラー系列で販売されるものでしたが、2020年9月のマイナーチェンジ時に消滅しています。
これはトヨタのディーラー全車種併売化に伴って整理されたもので、ルーミーに統合されています。
ルーミーはデビュー後7年が経過した2023年の通年においても、モデル末期でありながら登録車販売台数5位の10万800台という人気ぶりでした。
この人気の背景には、ハイトワゴンならではの広大な室内空間、全長3.7mという取り回しの良さ、リッターカーの経済性の高さなどがあり、なんと言っても100万円台というリーズナブルな車両価格がありました。
バブル崩壊後から続く日本経済の低迷は、世界先進国の給与水準上昇率に比べると大きく劣る事態も引き起こしていましたが、クルマの値段は世界水準と同等に高くなっていきました。
バブル景気終了の1990年代初頭のトヨタ「カローラ」6代目の価格は、上級グレードで120万円ほどでしたが、今では300万円前後となりました。
もちろんその間には、安全装備の拡充などの要因もありますが、もはや「大衆車」とは呼べない価格帯となってしまったのも事実です。
ルーミーの販売台数が高い数値で推移し続けたのは、製品力の高さとトヨタディーラーの数の多さに加えて、日本経済という背景も理由にあったからでしょう。
しかしそんなルーミーも、製造元のダイハツが2023年12月に前代未聞の大規模な不祥事を起こして出荷停止。その後ひっそりとトヨタの新車ラインナップから落ちました。トール、ジャスティについても同様でした。
その頃には次期型ルーミーの噂も流れており、実際にダイハツも開発の終盤にさしかかっていた時期かと思われます。
もはや国民車となったルーミーの販売が停止となったのは、クルマを売る側も買う側も大きな損失です。
ダイハツの不祥事の全容が明らかになった2024年初頭には、同社の小型車の開発や認証をトヨタが責任を持つことになり、ダイハツはトヨタから受託して開発を進めるという体制が敷かれました。
このあたりが次期ルーミーにどう影響を及ぼすのか、非常に気になるところです。
■次期型「ルーミー」に搭載の「ハイブリッド」はどうなる!?
SNSなどでさかんに噂されている次期ルーミーの予想を横断的に見ながら、確度が高そうな情報をまとめます。
デザインについては、ドラスティックな変化はないと予想できます。
ボディサイズは、最新の衝突安全性能を確保するために若干大きくなる可能性がありますが、全幅は5ナンバーサイズに収めてかつ1.7m以下(これまでのルーミーは1670mm)、全長はこれまで同様の3.7mないしはそのプラスアルファ、全高も同様に1.7m強までに収めてくるでしょう。
パワートレインについては、2つの考え方が予想されます。
ひとつは、ルーミー同様にダイハツ主導で開発されたコンパクトSUVのトヨタ「ライズ」/ダイハツ「ロッキー」に搭載されていたダイハツ開発の1.2リッターシリーズハイブリッド「e-SMART HYBRID」が新採用されるという説。
あるいは、トヨタのコンパクトカー「ヤリス」「アクア」などに搭載されるトヨタ独自の1.5リッターパラレル式ハイブリッド「THS II」ベースとなる説ですが、どちらとなるのかは現段階で不明です。
前述の通り、次期ルーミーの開発はトヨタが責任を持つことになりますが、現場ではすでに開発が進んでいる「ダイハツ主導のモデル」の設計にトヨタが見直しを加えつつ、進行している可能性も十分に考えられます。
いっぽうですべてを新体制とし、プラットフォームやパワートレインまで「トヨタ主導のモデル」に切り替えるとなるとほぼ白紙状態からの開発となり、次期型登場もかなり遅くなりそうです。
販売台数も多い主力モデルだけに、1日も早い登場が期待されることから、ダイハツ主導のモデルに大幅に手を加えつつ登場するのが有力ではないかとみられます。
なお、これまでのルーミーに搭載されていた1リッターガソリンエンジンですが、登録車で最も安い自動車税ということもあって、ユーザーにとっても大いに魅力があるものでした。
現行型ルーミーの1リッターエンジンは自然吸気とターボの2種類がありましたが、ハイブリッドを上級仕様として、中級グレード以下にガソリンエンジン仕様が継続採用されると想定すると、自然吸気のみが設定されると考えられます。
ダイハツのクルマの開発ポリシーに、「既存ユーザーの声をしっかりと聞き、商品改良や次期型の開発に取り入れる」というものがあります。また「良品廉価」というキーワードも多用されています。
装備や機能面においては、これまでのルーミー/トールをベースにユーザーの声を反映して、充実化する部分と捨てる部分を高次元でバランスを取り、コストパフォーマンスの高い価格設定と必要十分な装備を設定してくるはずです。
気になる車両価格は、ガソリンモデルで100万円台後半、ハイブリッドモデルで200万台前半と予想します。
発売時期は年内を期待したいところですが、設計の見直しという事態を考えると、早くても発売は来年2025年の春から遅くとも夏頃となると予想しています。
※ ※ ※
2023年10月に開催された東京モーターショー改め「ジャパンモビリティショー 2023」でトヨタは「カヨイバコ」というハイトワゴンタイプのコンセプトカーを発表しました。
このコンセプトカーのプレゼンテーションのなかには、「bB」の名を冠しローダウンなどのカスタマイズを加えたモデルが含まれており、コアなファンのあいだで注目を集めています。
bBは2000年から2016年まで2世代にわたって販売されたコンパクトハイトワゴンで、実質的なルーミーの先代モデルともいえ、いまも高い知名度を誇ります。
イメージを一新する意味でも、こうした懐かしい名称が復活する可能性も否定はできません。
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みんなのコメント
まあ、これを買う層はトヨタマークさえ付いてれば
何も考えずに買うからトヨタとしてはコストかけて
新型を急いで発売しなくてもコストダウンの現行車を
売り続ければ利益率が異常に高くて儲かるからな。