この記事をまとめると
■日本の物流を支えるトラックドライバー
「ちょんまげ」「月光仮面」「墜落」「ガッチャマン」! 携帯電話もSNSもない時代のトラック乗りが使っていた「無線用語」が謎すぎる!!
■事故を起こせば命にかかわるため、安全の確保が重要だ
■運送事業者がドライバーに行っている指導について解説
運行管理者はドライバーに対して指導・監督を行う義務がある
日々、日本の物流を支えているトラックドライバーは、厳しい労働環境のなかで、神経をすり減らしながら運送業務に従事している。この仕事が過酷であるといわれる理由はさまざまあるが、やはり長時間にわたって運転業務に携わらなければならないことが大きい。そこではさまざまに変化する道路状況に対応し、常に適切な判断をする必要がある。万一それを誤れば、命にかかわる事故に直結しかねないのだ。
こういった背景もあって、国土交通省は運送事業者に対し、トラックドライバーに向けた適切な指導監督をするように義務付けている。その目的は、「関係法令に基づき運転者が遵守すべき事項に関する知識のほか、運行の安全を確保するために必要な運転に関する技能および知識を習得すること」で、指導指針は以下の7項目だ。
1)国民生活を支える者として、関係法令を遵守する 2)運転者に車輌の特性を把握させ、運転上の注意点を理解させる 3)適切な貨物の積載方法や積載重量を理解させる 4)道路状況や気象状況を踏まえつつ、計画に基づく運行を行うよう指導する 5)防衛運転の徹底や、非常時に実施すべき対応を指導する 6)適性診断の結果を指導・監督に活かす 7)運転者と密にコミュニケーションをとり、健康管理を徹底する
また、具体的に義務付けられている教育内容は、以下の12項目である。
1)事業用自動車を運転する場合の心構え 2)事業用自動車の運行の安全を確保するために遵守すべき事柄 3)事業用自動車の構造上の特性 4)貨物の正しい積載方法 5)過積載の危険性 6)危険物を運搬する場合に留意すべき事柄 7)適切な運行の経路や当該経路における道路および交通の状況 8)危険の予測や回避並びに緊急時における対応方法 9)運転者の運転特性に応じた安全運転 10)交通事故にかかわる運転者の生理的および心理的要因並びにこれらへの対処方 11)健康管理の重要性 12)安全レベルの向上を図るための装置を備えるトラックの適切な運転方法
さらに、特定の条件に該当するドライバー(事故惹起運転者・初任運転者・高齢運転者)には、「特別教育」を行わなければならない。こういった国の方針を受けて、事業者はドライバーに対する運行業務に関する教育を実施する。そのやり方は、集合教育と個別指導にわかれる。前者は座学方式がほとんどで、講師は運行管理者やベテランドライバーといった社内講師のほか、教習所教官・警察OB・交通専門家(大学教授や交通事故分析機関研究員など)といった有識者が担う。
ただ、講義が中心の座学ばかりだと変化に乏しい。そこで、交通安全週間のイベントで行われるようなスタントマンを使った事故の再現や、違反者講習で見るようなビデオの上映など、受講者を飽きさせずに視覚から訴えて、教育成果を向上させる試みに挑戦する事業者も増えてきた。
座学は複数のドライバーが一度に受けられて効率のいい面もあるが、個人の状況に細かく対応することが難しい。そこで、事業者の運行管理部門などが教育の一環として、ドライバーの個別指導を行うのである。そのベースとなるのが、走行時に記録された運行データだ。デジタルタコグラフなどのDX機器を利用し、個別のデータを正確に把握。これを分析することで、個々のドライバーの運行状況が把握できるようになるのだ。それを基に、個別にドライバーの改善指導を行うのである。
ドライバー教育の第一は、なんといっても安全の確保である。そのために、ドライバーはあらゆるリスクを想定し、それに対処できるスキルをもっていなければならない。人手不足が叫ばれるなか、教育に時間を割くのは難しい面もあるのだろうが、運送業界の未来のために決しておろそかにはできないのだ。
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トラック運転士以前にスマホに夢中で周りが見えてない、ウインカー出さない、無灯火、頻繁にブレーキ踏む奴、フラフラ蛇行運転、スピードが一定に走れない人は車に乗らないで!