現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > トヨタ「WiLLサイファ」覚えてる? コンセプトカーのまんまのスタイルで登場した異業種合同プロジェクトは過去の遺物になってました

ここから本文です

トヨタ「WiLLサイファ」覚えてる? コンセプトカーのまんまのスタイルで登場した異業種合同プロジェクトは過去の遺物になってました

掲載 14
トヨタ「WiLLサイファ」覚えてる? コンセプトカーのまんまのスタイルで登場した異業種合同プロジェクトは過去の遺物になってました

時代を先取りした1台だった

異業種合同プロジェクト「WiLL」ブランドの自動車第3弾として2002年8月に登場したWiLLサイファ。デザインモチーフは“ディスプレイ一体型ヘルメット”ということで、今でいうVRゴーグルのようなものだったのだろうか。

失敗か成功か賛否両論渦巻くデザイン! 「ブサカワ」としかいいようがない見た目のクルマ7台

コンセプトカーのような内外装が魅力的

そんなテーマで作られたエクステリアは非常に個性的だ。縦にランプを4つ配した特徴的なヘッドライトをはじめ、UFOのように丸みを帯びて張り出したフェンダーやなんとも形容しがたいリアウインドウなど、コンセプトカーのデザインをそのまま市販化したようなものとなっていた。

その個性はインテリアでも同様で、サークル(円)モチーフと名付けられたそれは、ステアリングはもちろんメーターやセンタークラスター、エアコンのノブやドアトリム、シート表皮に至るまであらゆる部分に採用されている。円形のセンタークラスターなどは今見ると、のちのBMWミニを思わせる斬新なものとなっていた。

ちなみにボディカラーにもビビットな色合いが多く用意されており、そのカラー名も「MIDORI」や「AO」など、アルファベット表記の個性的なものとなっていた。ただ違うのは呼び名だけで、カラーコードは一般的なトヨタのものと同一となっていたのはご愛嬌だ(例えば「SIRO」のカラーコードは040のスーパーホワイトIIだった)。

こんなにぶっ飛んだ内外装を持ちながらも、ベースとなったのは初代ヴィッツであり、パワートレインも1.3L(FF車)と1.5L(4WD車)の直列4気筒DOHCエンジンに4速ATという大変常識的なものとなっていた。足まわりもヴィッツと同形状ということで、乗り味は非常に一般的なものだった。

ナビゲーションシステムの「G-BOOK」を標準装備

そんな個性的な出で立ちのWILLサイファだが、最大の特徴は通信機能を持ったナビゲーションシステムの「G-BOOK」を標準装備していたことだ。今でこそ通信機能を持った車載端末も珍しくないが、20年以上前にそれが存在していたことになる。

その仕組みは今と大きく変わらず、G-BOOK本体に専用通信モジュール(DCM)を搭載することで、携帯などを使うことなくデータ通信が可能となっていた(ただし別途月額使用料が必要)。データ通信によって最新のナビデータやメールの送受信、ニュースや天気予報の確認などが行えるというもの。

ただ惜しむらくは現在のように高速通信が可能な環境が整っていなかったため、信号待ちにメールをチェックしようとしても時間がかかって停車中に確認できなかったり、大容量の地図データはなかなかダウンロードが完了しなかったりという弱点も存在していた。

そして最大の問題は、G-BOOKのサービスがシステム老朽化に伴い2022年3月31日をもって終了してしまっているという点だ。そのため、WILLサイファに備わるG-BOOKは今後アップデートされることのない過去の遺物となっており、センタークラスター一体型となっているため、簡単に取り外すこともできないという状況だ。

幸いにもG-BOOKの下に2DINサイズのオーディオスペースが設けられているため、ここに別途ナビなどを装着することで引き続き快適なドライブを楽しむことはできるが、時代を先取りし過ぎた故の悲しい現実と言えるだろう。

とはいえ、こんなにチャレンジングな試みは異業種合同プロジェクトだからこそできたとも言え、このクルマがあったからこそ今の通信モジュール搭載の車両が存在しているとも考えれば、決してネタに走った変わり種車でないことはお分かりいただけるのではないだろうか。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

「これが売れなかったら四輪撤退…」→超ロングセラーに! 世界の「シビック」を生んだ“妙な納得感のある理論”とは
「これが売れなかったら四輪撤退…」→超ロングセラーに! 世界の「シビック」を生んだ“妙な納得感のある理論”とは
乗りものニュース
沼にハマる 『レトロモビル2025』でフランス車の魅力に迫る 高い技術力と芸術的デザインの融合
沼にハマる 『レトロモビル2025』でフランス車の魅力に迫る 高い技術力と芸術的デザインの融合
AUTOCAR JAPAN
トヨタ「86」&スバル「BRZ」用クラッチは「歯打ち音」を低減!「ヤリス」用は半クラが扱いやすい…待望のアイテムが「小倉クラッチ」からリリース!
トヨタ「86」&スバル「BRZ」用クラッチは「歯打ち音」を低減!「ヤリス」用は半クラが扱いやすい…待望のアイテムが「小倉クラッチ」からリリース!
Auto Messe Web
先端の「クマ」も再現 ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(2) 受賞多数のオープンボディ
先端の「クマ」も再現 ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(2) 受賞多数のオープンボディ
AUTOCAR JAPAN
帽子を焦がしたレーシングシャシー ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(1) バラバラからの再生
帽子を焦がしたレーシングシャシー ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(1) バラバラからの再生
AUTOCAR JAPAN
トヨタ勝田貴元、惜しくも優勝逃す2位フィニッシュ……3.8秒差で僚友エバンスに軍配|WRCラリー・スウェーデン
トヨタ勝田貴元、惜しくも優勝逃す2位フィニッシュ……3.8秒差で僚友エバンスに軍配|WRCラリー・スウェーデン
motorsport.com 日本版
スズキの超ハイルーフ「本格SUV」に期待大!「ジムニー」超える“悪路走破性”に「まるで軍用車!?」な斬新デザイン採用! 日常から“アウトドア”まで大活躍の「エックスヘッド」コンセプトがカッコイイ!
スズキの超ハイルーフ「本格SUV」に期待大!「ジムニー」超える“悪路走破性”に「まるで軍用車!?」な斬新デザイン採用! 日常から“アウトドア”まで大活躍の「エックスヘッド」コンセプトがカッコイイ!
くるまのニュース
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
WEB CARTOP
被災3年…ついに架設スタート! 阿武隈川を渡る国道399号“軽くなる”新しい橋の姿は?
被災3年…ついに架設スタート! 阿武隈川を渡る国道399号“軽くなる”新しい橋の姿は?
乗りものニュース
“ランクル250”をハードコアにカスタマイズ!? オフロードチューニングのスペシャリストが最新コンプリートカー「AT37」を発表!
“ランクル250”をハードコアにカスタマイズ!? オフロードチューニングのスペシャリストが最新コンプリートカー「AT37」を発表!
VAGUE
FDJ2がMIDホイール一色に! 公式ワンメイク化でドリフトシーンに新時代到来!!…大阪オートメッセ2025
FDJ2がMIDホイール一色に! 公式ワンメイク化でドリフトシーンに新時代到来!!…大阪オートメッセ2025
レスポンス
【特集】レッドブルの非情なドライバー育成……しかし彼ら以上にドライバー育成に注力してきた存在はゼロ
【特集】レッドブルの非情なドライバー育成……しかし彼ら以上にドライバー育成に注力してきた存在はゼロ
motorsport.com 日本版
前の車との「車間距離」めちゃ大事! でも運転中「どうやって」測る!? 「高速」や「一般道」で適切な車間を取る方法とは
前の車との「車間距離」めちゃ大事! でも運転中「どうやって」測る!? 「高速」や「一般道」で適切な車間を取る方法とは
くるまのニュース
まるでリアルRPG!? 目指せ鈴鹿8耐優勝! レーシングライダー石塚健が新チーム立ち上げを発表
まるでリアルRPG!? 目指せ鈴鹿8耐優勝! レーシングライダー石塚健が新チーム立ち上げを発表
バイクのニュース
デジタル装備が進化、走行性能もアップ!フリークも納得した新型「ゴルフ8.5 GTI」の高い実力
デジタル装備が進化、走行性能もアップ!フリークも納得した新型「ゴルフ8.5 GTI」の高い実力
@DIME
【MotoGP】ホンダは思ったより大丈夫? アプリリアから加入のアルベシアーノ「革命は必要ない」
【MotoGP】ホンダは思ったより大丈夫? アプリリアから加入のアルベシアーノ「革命は必要ない」
motorsport.com 日本版
「これが普段使い!?」メルセデスAMG A35が“異次元”サウンドマシンに進化 Pro Shop インストール・レビュー by レジェーラ 後編
「これが普段使い!?」メルセデスAMG A35が“異次元”サウンドマシンに進化 Pro Shop インストール・レビュー by レジェーラ 後編
レスポンス
スーパーフォーミュラの改革は話題づくりだけじゃない。さらなる発展に不可欠な“制度整備”……ハンドボールリーグ元事務局長が荒地を耕す
スーパーフォーミュラの改革は話題づくりだけじゃない。さらなる発展に不可欠な“制度整備”……ハンドボールリーグ元事務局長が荒地を耕す
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

14件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

132.3155.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

6.085.0万円

中古車を検索
WiLLサイファの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

132.3155.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

6.085.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村