ポル・エスパルガロは2021~2022年にかけてホンダでチームメイトとしてマルク・マルケスと過ごした時間について語った。
エスパルガロは2015年にテック3からMotoGPクラスに昇格。最初の3年間はヤマハのマシンに乗り、2017年からはKTMへ移籍して陣営のエースとしてMotoGPを戦った。
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その後、2021年にはホンダファクトリーチームへと移籍。最高峰クラス6度王者のマルケスのチームメイトとなった。この時、マルケスは2020年に負った大怪我が回復しきっていなかった。さらにドゥカティを中心とした欧州勢に対して、ホンダがパフォーマンスで急速に競争力を失い始めていった時期でもあった。
エスパルガロもかなり苦戦してしまい、2年間で表彰台獲得はわずか2回。2021年はランキング12位、2022年もランキング16位に終わっている。
マルケスも身体的な問題が合わさり、かつてのような最強ぶりは発揮することはなかった……しかし同じバイクでもエスパルガロより遥かに好成績を残しており、2021年は3勝、2022年も欠場ありだったがホンダ勢トップだった。
この対照的な結果についてエスパルガロは、KTM時代の2019年シーズンを思い起こさせると語る。2019年当時、エスパルガロはKTM・RC16から最大限のパフォーマンスを引き出していた一方、新加入したヨハン・ザルコは非常に苦しみ、1年も経たずにチームを離れる結果となっていた。
「ザルコのようなライダーがチームに加わって来た時、KTMで僕がやっていることに気がつけた」
エスパルガロはMotoGP公式ポッドキャストでそう語った。
「彼はバイクのあそこが良くないとか、凄く悪いとかいったことを指摘していたんだけど、僕には理解できなかったんだ。僕はその部分はこのバイクの強みであって、そこでとても良いパフォーマンスを発揮できると話していた」
「だけどホンダに移籍してみると、僕があの時ヨハンが言っていたことが分かった。僕は(ホンダの)バイクのこの部分が最悪だとか言っていても、そこは実際にはマルクの強みになっていたんだ」
「マルクのようなライダーは、バイクの問題に適応し、問題をアドバンテージにできるということを発見したよ」
「僕にとって問題になったのは、外部や他のライダーがそのバイクに乗ると、問題はとても大きくなることだった。でも既存のライダーにとっては、それが大きなゲインになっているんだ。とても奇妙なことだった」
エスパルガロは苦戦したままチームを離れることになった。この選択について、エスパルガロはホンダというチームの持つ魅力以外にも、マルケスという歴代最強の一角に数えられるライダーと同じチームでスピードを競うということも、望みだったのだと語った。
「知ってのとおり、僕は(ホンダ以前から)マルケスと戦ってきた」
「125cc、Moto2クラスとキャリアを通じてそうだったんだ」
「ホンダへの移籍は、単にそこに入るだけということではなくて、マルクのチームメイトとなって、彼がなぜあれほど速いのかを確かめるためでもあり、自分自身を証明するためでもあった」
「自分については、バイクの開発ができるのは分かっている。それをやってきたからね。でも(ホンダ移籍時は)僕自身のエゴであり、『あのライダーだけが勝っているバイクで、何ができるのか見てみよう』といったものだった」
「そして実際のところ、ホンダはたくさんの表彰台と勝利を素晴らしいライダーと収めてきた歴史がある。そのカラーを纏うことも名誉なことだ」
「でもマルク・マルケスが何をしているのか、それを理解するために彼を見続けることが僕にとって重要だった」
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