空気抵抗の小さいボディに活発なエンジン
カリブラは、単なるベクトラの2ドアクーペ版ではない。巧みな技術力と優れたデザインが施された、今でもドライバーを高揚させてくれる特別なモデルだ。
【画像】ヴォグゾール(オペル)・カリブラ 同時期のスポーツモデル E30 M3とVWコラードも 全55枚
新車当時、その滑らかなボディは量産車として最も空力特性に優れていた。空気抵抗を示すCd値は、グレードによって異なるものの、最小で0.26。10年間もその地位を譲ることはなかった。
魅力的なスタイリングを生み出したのは、デザイナーのウェイン・チェリー氏とエアハルト・シュネル氏という2人。高回転域を好んだ直列4気筒16バルブか、トルクフルな直列4気筒8バルブのエンジンが、見た目にそぐわない走りを与えていた。
4速ATも選べたが、5速や6速のMTは滑らかな変速感が魅力。今でも、パッケージングの魅力は薄れていないと思う。
フロントマスクの特徴といえるのが、薄いヘッドライト。高さは70mmほどしかなく、優れた空気抵抗に一役買っていたものの、夜間の明るさは平均以下だった。
カリブラのベースとなったのは、GM社製の大きな2900フロアパン。シボレー・キャバリエなども採用するもので、その結果、このクラスでは最もゆとりのある車内空間が備わっていた。
装備も充実しており、パワーステアリングにABS、集中ドアロック、パワーウィンドウ、電動ミラー、サンルーフなどが標準。しかし、当初はエアコンをオプションでも選べなかった。グラスエリアの広い車内は、真夏にはサウナ状態だったとか。
ドライバーを満たすモダン・クラシック
1990年、16バルブ・モデルで四輪駆動が選択できるようになり、トラクション不足と不快なトルクステアを解決。さらに6速MTのターボも追加され、当時のホットハッチを蹴散らす加速力を身に着けた。
モデル末期に登場したのが、4カムのV型6気筒エンジン。トラクション・コントロールが実装され、増加したパワーへ対応した。
英国ではヴォグゾール・ブランドからの販売で、複数のグレードが展開された。インテリアがアップグレードされ、専用アルミホイールを履く1991年のティックフォード、カリビック・ブルーのボディに専用のアルミと内装が与えられた、1992年のSEなど。
ほかにも、チェッカー柄クロスかアルカンターラの内装に、スポーツ・サスペンション、専用アルミが奢られたDTMは1995年に登場。ブラックのボディにBBSアルミ、スポーツ・サス、レザーシート、エアコンが装備されたターボLE 8は1996年に発売された。
ターボエンジンに四輪駆動の組み合わせでも、刺激が足りないと当時の自動車評論家は印象をまとめている。基本的な能力は高いものの、過大なアンダーステアが評価を伸ばせなかった原因だった。
直列4気筒ターボは足まわりが硬すぎ、V型6気筒では柔らか過ぎたたことも、やや鈍重な動的能力の改善にはつながらなかった。それでも日常的に運転している限り、不足なくパワフルに走った。
現代でも通用する装備を持ち、流麗なスタイリングは今でも良く映える。モダン・クラシックとして、ドライバーを満たしてくれるクーペだ。
オーナーの意見を聞いてみる
カリブラを10年ほど前に購入した、根っからのクルマ好きのクリス・ブルッカー氏。妻の影響を受け、決断に至ったという。「妻のフェネラは、16年間もV6エンジンのカリブラに乗っていたんです。彼女の最初の愛車は、オペル・マンタでした」
「ガレージには、アルファ・ロメオ・スパイダーも納まっていますが、日常的に乗っているのはカリブラのSE2。V6エンジンのカリブラはラジエターが故障して、現在は動きません。部品待ちの状態ですが、かなりのモノが入手困難なんです」
「SE2は、以前は年配の女性が乗っていたカリブラで、何年間もガレージで眠っていました。別の人が部品取りとして購入したものの、バラすには状態が良すぎるということで、わたしが850ポンドで入手しました」
「テールゲートとサンルーフ、フロントガラス下部のドレインホールは、定期的な掃除が不可欠。シリンダーヘッドはヒビが入り、一度交換しています」
「現在、英国で生き抜いているSE2のカリブラは、10台くらい。色があせていたので再塗装していますが、サビはリアフェンダー付近に少し見られた程度でした。フェイスリフト前のクルマは、かなり希少になりましたね」
英国で掘り出し物を発見
ヴォグゾール(オペル)・カリブラ 2.0i 16V SE8
登録:1997年 走行:27万3000km 価格:2999ポンド(約48万円)
カーディーラーのリトル・コンプトン・ガレージ社を営むドム・スルディ氏は、個人のコレクションとしてカリブラを購入したものの、殆ど乗らないため手放すことを決めたという。直列4気筒16バルブ・エンジンのマニュアル車だ。
状態は最良ではないものの、悪くないと表現している。ボディには腐食に伴う気泡が若干あり、運転席はサイドボルスターが摩耗しているが、それ以外の状態は良いようだ。幾つかの整備も必要だという。
ヴォグゾール(オペル)・カリブラ 2.5 V6
登録:1998年 走行:25万5000km 価格:4000ポンド(約64万円)
現在の英国で流通しているカリブラは、直列4気筒エンジンで大幅に改造された例が多い。そんななかで、ノーマル状態のV6エンジンはとても珍しい。
2020年からの1年間はガレージに保管された状態だが、車検を受ければ走行可能。ブラックレザー内装の状態は良く、エンジンルームもきれいなようだ。レストアが施され、実用的なクーペを求めるドライバーへ売却する準備は整っているとのこと。
中古車購入時の注意点などは後編にて。
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みんなのコメント
テレビCMを見て一目惚れ
新車が買えず、偶然見つけターボ中古車を即決
5月になると冷却系で何が壊れてましたけど、ともかく速かった
おとなしい外観で逆によかったです
イギリスだと右ハンドルでMTなんですね
当時ターボは左ハンドルでした