日産の人気ミニバンであるセレナが、2022年11月にフルモデルチェンジを行いました。その新型セレナの使い勝手は、どのようなものなのでしょうか。シートアレンジ、荷室スペース、収納など、新型セレナの使い勝手を解説します。文・鈴木 ケンイチ/写真・PBKK
自慢は広々とした室内空間
セレナ e-POWER発売開始!通常のセレナと比べてどう違う?
ミニバンの最大の特徴は、箱型のボディを生かした、広々とした室内空間。歴代のセレナも、その広々とした室内空間が売りのひとつとなっていました。新型セレナも当然、広い室内空間が売りのひとつ。室内長3135mmと室内幅1545mmという寸法は、同クラスでナンバー1となります。
インストルメントパネルは出っ張りが少なく、先代よりも運転席の足元スペースは120mmほども広くなっています。また、運転席と助手席の間のコンソールは、2列目にも移動させることのできる「スマートマルチセンターシート」が最上級グレード「LUXION(ルキシオン)」以外すべてのグレードに採用されました。この「スマートマルチセンターシート」を2列目にセットしてシートとして使えば1列目から2列目への車内移動が簡単にできるようになります。また、前席にセットすれば2列目から3列目への移動が楽になります。
シートアレンジと3列目シートの格納法
2列目シートは、前後にロングスライドするだけでなく、左右スライド機能、そしてリクライニング機能までも備えています。3列目シートは、前後のスライドとリクライニング機能を有しています。2列目シートと3列目シートのヘッドレストを外して、めいっぱいリクライニングさせれば、2列目シートと3列目シートを繋げてフルフラットにすることも可能です。
2列目シートのシートベルトはシート内蔵式となります。2列目にチャイルドシートを装着した状態のまま、3列目の乗り降りができます。
3列目シートは、左右に跳ね上げて壁側に固定することができます。これにより3列目シート部分を荷室として使うことも可能です。
荷物を積めるスペース
3列目シートを格納して、2列目シートを前に出せば、26インチの自転車も搭載することができます。また、3列目シートを使ったままでも、荷室部分にクーラーボックスを2つ、9.5インチのゴルフバックを立てて4個積載することができます。
ラゲッジ部分の床下には、深く左右に広いラゲッジアンダーボックスが用意されています。
スライドドアとバックドア
スライドドアは全グレードでオートクロージャ―が標準装備となります。エントリーグレードの「X」を除く、他グレードにはハンズフリーオートスライドドア機能(両側)とサードシート用助手席側オートスライドドアスイッチが備わります。ハンズフリーオートスライドドア機能は、インテリジェントキーを持っているときに、車側面の下に足先を入れると、ドアが自動でオープンするもの。両手に荷物を持っているときに、車に乗り込むのに便利な機能です。
サードシート用助手席側オートスライドドアスイッチは、3列目シートに座っている人が、車内から助手席側からスライドドアを自動で開けるスイッチです。他の人の補助がなくても、3列目シートの乗員が簡単にドアを開けることができます。
バックドアは、デュアルバックドアとなります。全体で開け閉めするだけでなく、ガラス面だけを開閉することもできます。ガラス面だけであれば、狭い場所でも開閉が可能です。
便利な装備類
エントリーの「X」グレード以外には、2列目シートの横のスライドドアの窓にロールサンシェード、プラズマクラスター搭載フロントオートエアコン+リヤオートエアコンが装備されています。
また、メーカーオプションとして100VのAC電源(1500W)のコンセントを設置することもできます。
たっぷり用意された収納&物置スペース
エントリーグレードの「X」を除く他グレードには、2列目と3列目シート用の前席のシートバックを使ったパーソナルテーブルが用意されています。
また、最上級の「LUXION(ルキシオン)」を除く他グレードに備わっている前後にスライドする「スマートマルチセンターシート」の中には、ティッシュボックス用の収納が用意されています。
それ以外にも、前席シートバックポケット(ロア)、フロントドアポケット、サードシート用カップホルダー、インストセンタートレイ、インストセンターロアボケっと、インスト助手席用アッパーボックス、インスト助手席用トレイ、スライドドアボトルホルダー、グローブボックスなど、数多くの収納と物置のスペースが用意されています。
新型セレナのメインのユーザーはファミリー層。そのため新型セレナには、人もモノもたっぷり載せられる広い室内空間と、きめ細やかな配慮が用意されていました。また、2列目や3列目に座る人のための装備や工夫も随所に見られます。ある意味、使い勝手という部分は、新型セレナでは、最も重要なであり、日産も熱心に作り込んでいるように見えました。
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