開業後に迫る課題と地域特性
日本各地で新たな開発プロジェクトが進むなか、注目すべき動きがある。2025年に沖縄県名護市で開業予定の「JUNGLIA(ジャングリア)」を巡る交通対策計画だ。
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この計画では、開業にともない、近隣の交通状況に多大な影響が出ることが予測されている。沖縄県はこれに対応するため、2020年、2021年、そして2024年にかけて複数回の交通シミュレーションを実施し、課題や対策を洗い出してきた。しかし、シミュレーションだけでは見えてこない課題もあるのが現実だ。開業後に新たな問題が表面化する可能性も大いにある。
過去の巨大商業施設事例を参考にすることはひとつの方法だが、
・交通事情
・住民環境
といった地域ごとの特性が異なるため、課題解決には個別対応が求められる。
私(都野塚也、ドライブライター)の地元でも、新しいショッピングモールの開業が予定されており、交通渋滞の懸念が高まっている。対策として道路拡張工事が進められているものの、その効果が十分に発揮されるかは未知数だ。
愛知県小牧市の「小牧ハイウェイオアシス」や滋賀県大津市の「ラーゴ大津」といった新しいスポットの開業も控えている。こうした施設の誕生は期待を集める一方で、交通渋滞や環境への影響といった課題も見過ごせない。
今回は、新巨大商業施設開業にともなう交通問題を中心に、地域社会と調和する開発のあり方について考察したい。
筆者の意見
新しい巨大商業施設の開業は、その規模次第で周辺地域だけでなく、日本全国に話題を広げる可能性を秘めている。一方で、開業によって近隣住民の生活に影響を与えるリスクもあることは見過ごせない。
たとえば、2022年10月に埼玉県深谷市で開業した「ふかや花園プレミアム・アウトレット」では、開業前日のプレオープンが大きな注目を集めた。このイベントでは、三菱地所グループカードの会員や近隣住民ら約3万人が招待され、多くの来場者がマイカーを利用。その結果、約3000台収容可能な駐車場は瞬時に満車となり、関越自動車道の花園インターチェンジ(IC)まで渋滞が発生した。当日は花園ICの料金所を通過するだけで2時間以上かかる時間帯もあり、混乱が生じた。
このような状況は、近隣住民やICを利用するドライバーに迷惑をかけるだけでなく、騒音や排気ガスといった環境問題も引き起こす。事例からもわかるように、周辺の交通環境の整備は避けて通れない課題であり、
・十分な駐車場の確保
・新しい道路の建設
・既存道路のレーン拡張
といったインフラ整備が必要になる。また、交差点での右折や左折レーンの増設など、渋滞の発生を抑える工夫も求められる。さらに、マイカー以外の交通手段の充実も重要だ。
・最寄駅からのシャトルバス運行
・タクシーの利便性向上
・来場者増加に応じた公共交通の増便
などが挙げられる。これによりマイカー利用者の減少が期待でき、結果として周辺の交通渋滞緩和につながるだろう。
過去の事例を振り返ると、開業前にすべての問題を予測することは難しいものの、他の巨大商業施設の成功例や課題を参考にすることで、事前に多くのリスクを回避できる可能性がある。
今後は、計画段階から交通対策をしっかりと盛り込み、明確なビジョンと開業後の見通しを住民に丁寧に説明することが欠かせない。それにより、開業した後も近隣住民が安心して生活できる環境を整えることができるだろう。
筆者への反対意見
巨大商業施設開業に向けた交通対策は重要だが、過剰に進めると逆効果になる場合もある。施設内に入るまでの手間が増えれば、評判が低下し、来場者数の減少につながる可能性があるためだ。
たとえば、駐車場の台数を増やすと、施設までの距離が遠くなるエリアが生じる。駐車場から施設入口まで徒歩10分以上かかるような状況では、来場者にとって大きな負担となりかねない。
また、新しい道路の建設や既存道路の拡張には多額の建設費が必要で、工事期間中には近隣住民の生活に悪影響を及ぼす可能性がある。こうした状況が続けば、建設自体に反対の声が上がるリスクも避けられない。
さらに、開業準備の過程で近隣住民との話し合いを軽視したり、住民の意見を無視した方向転換を行ったりすると、反対運動が活発化する恐れがある。このような場合、工事の中断や営業開始後の規制が生じ、巨大商業施設の運営に深刻な影響を与える可能性が高い。
成功には、近隣住民の理解が不可欠だ。そのため、開業前から住民の声をしっかりと聞き、丁寧に説明しながら合意を得るプロセスが重要になる。住民との信頼関係を築くことで、地域と共存しながら長期的に安定した運営が可能になるだろう。
交通計画が生む開業後の顧客満足度
巨大商業施設を成功させるには、柔軟な対策と緩和策を取り入れた運営が欠かせない。開業前だけでなく、開業後も状況に応じて改善を重ねる姿勢が求められる。
たとえば、静岡県御殿場市の「御殿場プレミアム・アウトレット」では、利用客の増加に対応して、東京駅や新宿駅など主要駅から直行便の高速バスを運行し、アクセス向上を図っている。また、「ふかや花園プレミアム・アウトレット」のように、まず小規模で開業し、その後段階的に施設を拡張していく手法も有効だ。
さらに、近隣住民との対話を重ねることも重要だ。運営方針やビジョンを明確にし、住民の意見を取り入れることで、地域と調和した巨大商業施設の運営が可能になる。住民の理解を得ることは、長期的な成功の鍵と言える。
開業予定は今後も続くが、地域住民への影響を軽減する取り組みが必要だ。沖縄県の「JUNGLIA」では、複数回の交通シミュレーションを行い、さまざまな状況を想定して対策を講じている。このような準備を徹底することで、開業後の予期せぬ交通渋滞にも柔軟に対応できる。
時間と手間を惜しまず、利用者と住民双方にとって魅力的で調和の取れた巨大商業施設づくりを進める姿勢が求められる。今後の運営が、地域とともに発展していくことを期待したい。
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みんなのコメント
実際にできたのはドンキ、って話を聞いた事がある
引越しを考えるくらい渋滞するそうだ