ZE1型も3度目の車検となりました
執筆/撮影:Kaoru Kobayashi(小林薫)
【画像】日産リーフを3台乗り継ぎ13年、ZE1型3度目の車検 画像はこちら 全4枚
日産リーフZE0型24kWhで始まり、3台目となるZE1型40kWhに乗り換えて7年、この10月に3度目の車検を日産ディーラーで受けました。ここまでの走行距離は51,695km、通勤などに使っていないので、比較的少ない数値になっています。
今回の車検作業の内容は、車体の点検・検査、そしてブレーキフルードとエアコンフィルターの交換だけ。前回実施した減速機オイルの交換は、交換時期4万kmなので、今回はありませんでした。
また、同時に行ったバッテリーのコンピュータ診断は、問題なしの結果でした。万が一バッテリーセルの異常でもあると、保証期間5年を過ぎているので、修理代は安くはなさそうです。
車検に対する日産ディーラーへの支払総額は88,500円。内訳は整備費用40,450円、諸費用48,050円でした。1回目の車検時の重量税は免除、今回は2回目の車検時と同じ20,000円を納税しています。
12Vの補助用バッテリーについては、特に問題はありませんでしたが、5年目の車検時に用心して交換しています。エンジン車にあるようなセルモーターへの大電流の負荷がないので、長く使えるかもしれません。しかし、補助用バッテリーが万が一不良になると、大きなトラブルになる可能性もありそうなので要注意です。
バッテリーの容量低下はどの程度か
このZE1型については、納入後7年間、充電時と走行時のデータを全て記録してきています。これにより、特別な測定器を使わずにバッテリー容量の相対的な変化を把握してきました。
昨年秋の6年目の時点での新車からの容量は、推定値90~91%であったことを予測方法と合わせて本サイトで報告しています。さらにこの1年間のデータを見ると、昨年より約1%減だけで、新車からの推定値は89~90%となり、期待以上の結果となっています。新車からの容量変化は、以下のようになります。
・3年目(1回目の車検)94~95%
・5年目(2回目の車検)91~92%
・7年目(3回目の車検)89~90%
確かに、最初の数年は容量の低下がそれなりに進みますが、それ以降は劣化の進行は明らかに緩やかになってきています。このまま10年以上このような傾向が続くのかどうか、このまま乗り続けるのも面白そうです。
今年もこの秋、甲府から軽井沢へ行きました。自宅を満充電で出発したバッテリーは、軽井沢で30%だけ追加充電し、帰宅時には残量40%になっていました。往復の走行距離は248km、平均電費は8.7km/kWhとなり、高速道路もありましたが良好な電費になっています。車両重量が1520kgとEVとしては比較的軽く、時期的にエアコンの使用もほとんどなかったからだと思います。
この時のバッテリー消費量は28.50kWhとなり、自宅充電分60%と追加充電分30%を合わせて90%なので、現時点のバッテリー容量100%の計算値は31.67kWhとなります。もし新車時のバッテリー容量があと20%程多ければ、追加充電がなくても電欠の不安はなく軽井沢を往復できるのですが、今の容量ではちょっと無理なのが残念です。
今回宿泊した『軽井沢ふふ』では、夜間に充電できなかったので、近くの充電スポットで約20分間充電しました。利用したのは農産物直売所「軽井沢発地市庭」にある比較的新しい急速充電スポットで、500円/1回(30分まで)のリーズナブルな料金になっていました。エコQ電の充電スポットは全国に多くありますが、どこも利用しやすい料金で、操作にはエコQ電アプリを使い、手順もとても簡単。充電カードのないEVユーザーにはお勧めです。
EVライフも13年経ち、今思うこと
2011年から乗り継いだ24kWhと30kWhの日産リーフZE0型は、バッテリー容量の低下で遠乗りに耐えられなくなり、3台目となるZE1型に買い換えることになりました。当然その時にEVをやめる選択肢もありましたが、すでにEVの魅力にとりつかれており、凝りもせずまたまた日産リーフを購入してしまいました。
その結果、幸いにもZE1型の40kWhバッテリーの劣化性能はとても改善されており、7年経った今でも快適なEVライフが続いています。ただ、日常生活での利用が中心で、月に1~2回ある平日の遠出でも、1日に200km以上走ることはほとんどありません。また、夏場の高速道路で、SAでの充電を必要とするような連続運転は、バッテリー温度の上昇があるのでなるべく避けています。
このようなライフスタイルであるのと、自宅で夜間充電できることもあり、日産リーフを問題なく楽しめているのだと考えられます。このように、ライフスタイルと生活環境の合致することが重要で、そのようなユーザーには魅力的なEVワールドをもたらしています。
2011年の秋から約13年間も3台の日産リーフに乗ったことになりますが、この間、車体トラブルなどは全くありませんでした。急速充電のスポットで充電できなかったこともありません。新しいクルマなので、もう少し何か困ったことが起こるかと覚悟していましたので、嬉しい想定外でした。これは日産リーフに限らず、構造のシンプルなEV共通の強味なのではないでしょうか。
それにしても、電気代の高騰には驚きです。13年前は多くの原子炉発電所は稼働しており、夜間の電気料金は特別に安かったのです。今も一応夜間料金の安いプランを契約していますが、昼間とほとんど同じ28.85円/kWhで、13年前の約2.5倍にもなっています。お得感はだいぶ減ってしまいました。それでも通常のハイブリッド車よりはランニングコストは抑えられていると思います。
充電スポットの利用状況はそれなりに混雑してきていますが、思っていたほどにはなっていないと感じています。13年前は、充電スポットが増えていったとしても、すぐに足りなくなり、パニックにでもなるのではないかと思っていました。しかし、EVの普及が遅く、搭載されるバッテリーの容量も増えたことで、経路充電のニーズが予想ほどには増えていかなかったのではないかと考えられます。
日産リーフの次世代モデルへの期待
3台目日産リーフも7年経ち、そろそろ次期EVへの買い替えを検討しています。
EVに何を求め、期待するかは人それぞれでしょうが、近年輸入車も含めいろいろなEVが発売され、好みやライフスタイルにあったクルマを選べられるようになりました。
そこで昨年、世界的にコスパの高さが好評なBYDのドルフィンを、今年になってからはヨーロッパで売れているボルボのEX30に試乗してみました。
どちらもサイズは日産リーフとほぼ同じで、内部インテリアの豪華さは素晴らしく、高級感を感じながらの運転を体験することができました。中央にある大きなディスプレイは見やすく、機能面も充実しており、人を魅了するようなクルマであると思いました。
しかしながら、どちらもドライブモードでの回生ブレーキを強くできないことが残念で、現在まで購入には至っていません。回生ブレーキの強い『Bモード』のなかった日産リーフの初期型モデルと同じであり、EVの面白さを楽しむことができないのではないかと感じてしまいます。
そこで期待するのが、日産リーフの次世代モデルです。今のバッテリー容量は40kWhで、日常生活中心で乗るならちょうど良いのですが、遠乗りのことを考えると当然ながらバッテリー容量はもう少し欲しくなります。
かと言って、大きくて重たいEVには不合理性を感じてしまい、個人的にあまり好きにはなれません。これまで乗り換える毎に、ほぼ同じ車両重量で、約3割程度バッテリー容量は増えてきています。
その容量増加による利便性向上は、購入前に想像していたものよりはるかに大きく、EVワールドの景色が変わるといっても過言ではありませんでした。目的地を追加充電なく往復できることは、とても快適であることを再認識させられました。また、急速充電で起きる充電電流の低下も始まりが遅くなり、その結果充電時間は短くて済みます。
日産リーフの次世代モデルは、いろいろな新機能に加え、バッテリー容量も今より3割以上増えることを期待しており、いったいどのようなEVワールドの景色を見ることのできるクルマになるのか、今、興味津々です。
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みんなのコメント
やっぱ電気自動車は無いわ。