世界最大のタイヤメーカーとして名を馳せるブリヂストンは、二輪用としては意外にも後発である。二輪用タイヤブランド「BATTLAX」がスタートしたのは1983年のこと。以来、OEタイヤ(新車装着タイヤ)として、またリプレイス用タイヤとして数多くのスポーツモーターサイクルに装着されてきたが、近年はMotoGPの公式サプライヤーとして世界最高峰のモータースポーツの現場で開発に携わるなど、今や二輪界においてもトップブランドの地位を築いている。そのブリヂストンが今年2月から発売する新型スポーツラジアルタイヤ「BATTLAX HYPERSPORT S22」のテクノロジーに注目してみた。REPORT●ケニー佐川(SAGAWA Kentaro)
昨年末に発表された「S22」はBATTLAX 35周年のメモリアルイヤーに相応しい先進技術が注がれたモデルであり、高い評価を受けた従来の「S21」の後継モデルとして全方位的に性能が高められている。「ライバルは自分自身。S21のすべてを凌駕する」という目標を掲げて開発に挑んだS22はストリートにおけるドライグリップ、軽快性、ウェット性能すべてにおいて妥協のない性能を備えたブリヂストンの自信作だ。
気温5℃で高速道路を走行。果たして、電熱グローブe-HEATの実力は……。【RSタイチ】
新トレッドパタンが軽快性とウェット性能をアップ
技術的なポイントとしては、まず新設計のトレッドパタンに注目したい。トレッドパタンとは平たく言えば溝模様のこと。ショルダー部分(中間バンク部分)の溝/ブロック比率を高めて、つまり溝の面積を増やすことで排水性を高めてウェット性能を向上させているのが特徴だ。同時にパタン剛性を最適化することで軽快性も高めている。特にフロントの軽快性はブリヂストンの高速テストコースでも体感できたことは以前のインプレッションでもお伝えしたとおり。見た目も「日本刀」をイメージしたデコレーショングルーブ(デザインのための模様)をS21から継承しつつ、さらに洗練されてスマートな印象になっている。ちなみにS22はS21に比べてブロックのピッチを細くすることで、トレッド面を動かして早く発熱するようにチューニングされているそうだ。
2輪初の微粒径シリカが路面に吸い付く
今回、ゴムにも新設計コンパウンドが採用されている。フロントのセンターゴムとリアのショルダー部分に使われるトラクションゴムに含まれる樹脂の配合を最適化することで、低温域を含む幅広い温度領域でのドライグリップ性能向上に貢献しているとのこと。つまり、ブレーキングにおけるフロントの踏ん張り感とコーナー立ち上がりでのリアのトラクション(路面を蹴る力)だ。
また、リアのセンター部分には2輪タイヤ初の「微粒径シリカ」が採用されたこともトピックだ。シリカは水との親和性が高く、細かいシリカ粒が路面と接触する面積を増やしたことで、路面との凝着力が高まりウェット性能も向上している。
耐久レースで磨かれた開発技術を投入
さらにFIM世界耐久選手権(EWC)のタイヤ開発で培われたブリヂストン独自の開発技術「ULTIMAT EYE(アルティメット アイ)」を活用して、接地面におけるタイヤの動きを細かく把握することで、S21対比で接地後方の滑り域を減少。グリップ性能と軽快性を向上させながらライフ性能も維持している。開発者の話では、究極の耐久性が試されるEWC用タイヤの開発で得られた知見はストリート用タイヤ開発にも活かせる部分が大きいそうだ。
日本の道路環境に合わせて性能を最適化
二輪用タイヤとして後発だったブリヂストンは、もともと国内をメインマーケットと定めてタイヤ作りを目指してきたという。自分自身、22年前に発売されたBT22の始祖に当たるBT-56から試乗してきた経験があるが、歴代のブリヂストンタイヤは総じて剛性感が高く比較的乗り味がカチッとしている印象を受ける。それもやはり日本の道路環境と関係があるのかもしれない。
開発者によると、ブリヂストンでは平坦でキメ細かいアスファルト路面が普及した日本の道路を想定して、空気をしっかりと入れて接地圧を高める方向でのタイヤ作りをしてきたそうだ。そのためサイドウォールの剛性をいたずらに下げることなく、逆にトレッド面はしなやかに作られているという。
一方、海外ブランドの場合はたとえば超高速道路のドイツ・アウトバーンでも路面にはけっこうな凹凸があったり、市街地は石畳が多く残っていたりと路面状況が日本に比べて複雑で多様である。それを前提にタイヤも空気圧を下げて接地面積を広げる方向性でチューニングされていたり、ダンピングを稼ぐためにサイドウォールを軟らかめに作っているケースも目立つようだ。その話を聞いて他ブランドを思い浮かべると、フィーリング的にも腑に落ちる部分がある。これは良い悪いではなく、そういう味付けがされているということで、走る場所やライダーの好みによっても評価は分かれるところだろう。
「S22はドライグリップ、軽快性、トラクション、ウェット性能などすべての性能において、S21を上回るパフォーマンスを備えたタイヤ」と開発者が豪語するだけのことはある。前回お伝えしたインプレッションでの好印象は、そこに投入されたテクノロジーによっても証明されているのだ。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
“生産版”「“R36”GT-R」公開に反響絶大! 日産の「旧車デザイン」採用&4.1リッター「V6」搭載で「借金しても欲しい」の声! 1000馬力超えもあるArtisan「“和製”なスーパーカー」が話題に
トヨタ新型「ミニアルファード」登場は? 「手頃なアルファードが欲しい」期待する声も!? 過去に"1代で"姿消した「ミドル高級ミニバン」があった!? 今後、復活はあるのか
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
「黄信号だ。止まろう」ドカーーーン!!! 追突されて「運転ヘタクソが!」と怒鳴られた…投稿に大反響!?「黄信号は止まるの当たり前だろ」の声も…実際の「黄信号の意味」ってどうなの?
「中古車を買いに来たら『支払総額表示』で売ってくれませんでした、詐欺ですよね?」 「別途費用が必要」と言われることも…! 苦情絶えないトラブル、どんな内容?
「高いのはしゃーない」光岡の55周年記念車『M55』、800万円超の価格もファン納得の理由
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
27年ぶりにあの懐かしいスターレットが戻ってくる!? ヤリスより小さいリッターカーは2026年登場か!?
「子供が熱を出したので障害者用スペースに停めたら、老夫婦に怒鳴られました。私が100%悪いですか?」質問に回答殺到!?「当たり前」「子供がいたら許されるの?」の声も…実際どちらが悪いのか
スズキが新型「ソリオ」1月発表!? “迫力顔&先進機能”採用!? 既に予約した人も!? 何が変わった? 販売店に寄せられた声とは
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?