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【サーキット試乗】新型三菱アウトランダーPHEV 「投資価値は十分」

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【サーキット試乗】新型三菱アウトランダーPHEV 「投資価値は十分」

新型アウトランダーどこが進化?

三菱アウトランダー従来型が登場したのが2012年、同年末にはPHEVが発表。

【画像】大きく変わった三菱アウトランダー新型【従来型と比べる】 全137枚

量産型では2011年に発売されたプリウスPHVに次ぐPHVとして誕生し、電動化の先駆けする一車でもある。

PHVは「プラグイン」即ち外部充電が可能なハイブリッド車を示すが、アウトランダーPHEVのシステムはもう少しEV寄り。

外部充電システムは普通充電の他に急速充電にも対応する。

EVに航続距離延伸用発電機を搭載するレンジエクステンダーの一歩手前という性格のモデルである。

新型は形式的には従来型を踏襲しているが、クルマを構成する主要部の大半を刷新。

ルノー日産との協業によって開発された軽量高剛性プラットフォームを採用。

PHEVシステムは小型高出力化を狙いモーター/バッテリー/PCU等を新開発。

発電用エンジンは型式では従来型と同じだが、クールドEGRの採用等により広い回転域での効率向上と高出力化が図られた。

安全&運転支援システムはカメラ/ミリ波レーダー併用型のMiパイロットを採用。

制御は三菱のオリジナルだが、ノート系に用いられた最新型プロパイロットと同型システムである。

また、車種構成も変更点の1つで、ガソリン車を整理したが、PHEVのみの構成で2列シート/3列シートを展開している。

新しい時代の「プレミアム」実感

PHEVが採用するハイブリッドシステムはシリーズ式をベースに高速巡航用のエンジン駆動機構備えているのが特徴。

直動機構は変速機を持たずトップギア相応の変速比。ハイブリッド走行時の巡航では電動系をパワーアシストとするパラレル式として振る舞う。

シリーズ式/パラレル式と負荷と速度で切り替えるわけだ。

今回は直動高速巡航が試せる試乗環境ではなかったが、シリーズ式が不利とされる高速巡航燃費改善の決め手だ。

と言うことで試乗中はシリーズ式制御で走行。モーター出力の大幅向上もあって、どっしりとした外観のイメージに似合わず力強い加速性能を示す。

比較すれば低中速域でトルクに厚いが、従来型よりも高速域での加速力低下が減少している。

もう1つの変化は加速の質である。

急発進や急加速で初期に起こる駆動軸の捻れ戻りやバックラッシュ等で起こるトルク変動が少ない。

ダウンシフト的エンブレ回生強化でも同じ。加速度の微細な揺らぎを打ち消すようにモータートルクを制御した結果。

つまり、ノートのeパワーと同様の制御をおこなっている。

ただし、日産からの技術導入ではなく三菱の独自開発。加速度の揺らぎや車体を揺するような感覚が極めて少ない雑味ゼロの加速感は新型の走りの質感向上の要点の1つ。

新しい時代のプレミアムを実感させてくれた。

スポーツカーのように操れるSUV

アウトランダーPHEVの駆動系の特徴の1つが前後のモーター出力設定。新型の前後の最高出力比はおよそ4:6。最大トルクも同様である。

デフ等の駆動系の容量は入力される出力とトルクに応じるので、FRベースの4WD車に近い設定だ。

SUVにおける後輪の駆動容量は悪路踏破性にも影響するが、トルク配分を積極的な制御はオンロードにおける操安性の向上にも役立つ。

さらに左右トルク分配でヨーを制御するAYCのブレーキ制御は新型から前後輪で作動。ハードウェアも制御システムもランクアップされた。

タイムアタックレベルではないにしてもタイヤのグリップを使い切るくらいの攻めの走り。SUVには不似合いな状況だが、走らせてみればビックリのパフォーマンス。

高速から減速しながらコーナリングラインを絞り込むような挙動を乱しやすいコーナーでも神経質になる必要はない。

操舵量と速度が適切にコントロールされている限り、弱アンダーからニュートラルのステア特性を維持。

時として深切り操舵からリアを滑らせてみても、グリップバランスよくトラクションも活きているので4輪ドリフト気味にコーナリングラインに乗っていく。

重重量で高車高の身、スポーツカーのような限界性能は示せないにしてもスポーツカーのように操れるSUVでもある。

従来の魅力に新しい価値が加わる

サードシートに乗り込む。身長175cmではヘッドルームが決定的に不足。実用適合身長は160cm以下。多人数乗車目的で選べないが、ミドルSUVでは御の字。

そもそも同クラスには3列シート車が少なくアウトランダーPHEVの実用面のアドバンテージの1つだ。

なお、サードシート収納は後方床格納。床面が高いのが難点だが、フラットな荷室床面で2列シート状態の収まりもいい。

また、今回の試乗はサーキット路のみだったが、路面対応別の走行モードにはターマック(舗装)/グラベル(未舗装)/マッド(泥濘)/スノー(雪路)の4モードを用意。

グラベルは従来型のロックモードにも相当し、パワー&ドライブトレインと合わせて悪路踏破性もかなりのものと予想。

給電システムと合わせてアウトランダー本来のアウトドア趣味の相棒としても期待値はかなり。

価格はベーシックグレードでエクリプスクロスPHEVの上級グレード相応と予想。つまり従来型から大幅価格上昇はなく、およそすべての部分で性能や実用性の向上が図られているので、その分は丸々コスパ上乗せ。

もちろん、ミドルSUVはガソリン4WD車なら300万円くらいから選べ、アウトドア趣味の道具としては割高だが、ファントゥドライブも含めて一歩先の未来を味わうなら投資価値は十分だろう。

三菱アウトランダーPHEV G(5人乗り)のスペック

価格:490万4900円
全長:4710mm
全幅:1860mm
全高:1745mm
ホイールベース:2705mm
車両重量:2050kg
パワートレイン:直列4気筒2359cc+モーター
最高出力(エンジン):133ps/5000rpm
最大トルク(エンジン):19.9kg-m/4300rpm
最高出力(モーター):40kW(前)/40kW(後)
最大トルク(モーター):26.0kg-m(前)/19.9kg-m

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みんなのコメント

3件
  • 補助金も出るし、装備内容を考えたらバーゲンプライス!
  • 旧型からの追加で新型アウトランダーPHEVを購入予定ですが、購入価値はありますが投資価値は無いです。
    バッテリー容量、タンクの増量、内装など旧型の不満点が改善されたので概ね満足です。
    RAV4やレクサスのPHEVに無い急速充電、V2Hもあり価格的にも不満は無い。
    趣味と防災の一環での購入なのでリセールバリューには期待していないです。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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