現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 残すはアウディのみ!?「4」と「6」の良いトコ取り! 5気筒エンジン搭載車5選

ここから本文です

残すはアウディのみ!?「4」と「6」の良いトコ取り! 5気筒エンジン搭載車5選

掲載 更新 11
残すはアウディのみ!?「4」と「6」の良いトコ取り! 5気筒エンジン搭載車5選

■瞬発力と滑らかさを両立する5気筒エンジン

 現在ではアウディが採用しているのみになってしまいましたが、過去には多くの車種に「直列5気筒エンジン」が搭載されていました。

4000ccクラスの加速力! ターボ搭載の激速「マツダ3」が発売

 4気筒のコンパクトさと6気筒の滑らかな回転フィーリングを両立するといわれる直列5気筒エンジンは、実際に人気も高いエンジンです。

 そこで今回は、5気筒エンジンを搭載し、人気を博したクルマを5台ピックアップして紹介します。

●アウディ「TT RS」

 アウディは、ひとつの車種に「ベースモデル」とスポーティに仕立てた上級グレード「S」に加え、特別なスポーツモデルのみに与えられる「RS」シリーズを展開しています。

「A3」をベースにスペシャリティクーペのような存在感を放っていた「TT」は1998年に登場。

 日本でのデビュー時は225馬力の1.8リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載、フルタイム4WDシステム「クワトロ」を搭載していました。

 そして2009年、2代目TTをベースに、リアルスポーツカーと呼べるハイパワーエンジンを搭載した「TT RS」が登場します。

 全長4200mm×全幅1840mm×全高1380mmのボディには、RS専用のフロントグリル&バンパーを採用し、255/35R19という太く薄く大きいタイヤを装着。只者ではないオーラを放っていました。

 心臓部には、フォルクスワーゲン「ジェッタ」のエンジンをベースに開発された直列5気筒直噴ターボエンジンを搭載。

 最高出力は2009年当時で340馬力を誇り、当初は6速MTのみで展開していました(2011年からは7Sトロニックも追加)。

 また強力なエンジンに適応すべく、可変ダンピングシステム「アウディマグネティックライド」や、フロント対向4ピストンキャリパーを装備するフロントブレーキなど足回りもグレードアップされています。

 現在では3代目をベースにしたTT RSへと進化し(2017年登場)、最高出力は400馬力までパワーアップされています。

●ホンダ「アコードインスパイア」(初代)

 現在はアッパークラスとなった「アコード」ですが、かつては2リッター以下のミドルサイズのファミリーセダンでした。

 アコードと最上級サルーン「レジェンド」の中間を埋めるべく、1989年に誕生した上級セダンが「アコードインスパイア」です。

 1980年代後半から1990年代前半のいわゆるバブル期は、高性能・新機構が次々に採用された日本車の高度成長期でした。

 当時は「スペシャリティカー」という、オシャレに乗れる上質なクルマが大流行していたこともあり、セダンなのにドアピラーがないハードトップを採用するクルマがブームでした。

 そんななか登場したアコードインスパイアは、全長4690mm×全幅1695mm×全高1355mmのハードトップボディに、専用設計された直列5気筒エンジンを縦置きに搭載。

 しかも運転席寄りにエンジンを配置する「FFミッドシップ」なるコンセプトで、個性を強調していました。

 これも4気筒エンジンを搭載するアコードとV型6気筒エンジンを搭載するレジェンドの中間を位置付けるのに最適だったといえます。

 クロームメッキパーツを多用し、インテリアにはウッド調パネルを採用するなど実用性よりラグジュアリー感を優先させた設計で、アコードインスパイアは大人気モデルとなりました。

 1992年には、重量税の区分の変更に伴い2.5リッターで3ナンバーボディの「インスパイア」も追加。

 いわゆる「ハイソカー」ブームをトヨタ「マークII」兄弟とともに牽引し、バブル時代を駆け抜けたおしゃれな5気筒セダンでした。

●メルセデス・ベンツ「Cクラス」(初代)

 メルセデス・ベンツのラインナップでもっとも人気が高いシリーズといえば「Cクラス」です。

「Aクラス」や「Bクラス」が存在していなかった時代、メルセデスのエントリーモデルはDセグメントの「190」で、世界中で大ヒットしていました。

 そんな人気車種「190」の後継として、新たに車名も変更したCクラスが誕生したのが1993年。

「Eクラス」や「Sクラス」といった高級車ほどではないけれど、日本の道路事情にもマッチしたサイズと排気量で、ライフスタイルを演出する1台として日本でも大ヒットを記録しました。

 グレード展開は、ベーシックな2.2リッター直列4気筒エンジンと高性能な2.8リッター直列6気筒エンジンのほかに、当時の日本では珍しい乗用車のディーゼルとして、2.5リッター直列5気筒ディーゼルエンジンを搭載したグレード「C250ディーゼル」が用意されました。

 全長4495mm×全幅1720mm×全高1420mmのボディサイズは、全幅のみ3ナンバーという扱いやすいサイズ。

 搭載される2.5リッター直列5気筒ディーゼルエンジンは最高出力こそ115馬力でしたが、ディーゼル特有のガラガラ音も乗ってしまえば気になりません。

「乗用車にディーゼル」というヨーロッパでは定番のスタイルがそのまま導入されたことで、5気筒のディーゼルエンジンを搭載したCクラスは一部に根強い人気を誇りました。

■パワーと上品さを併せ持つ5気筒で個性を強調

●フィアット「クーペフィアット」

 曲線を基調としながらもスパッと裁ち落としたリアスタイルや、タイヤに少し被るフェンダーなど、まるでコンセプトカーのようなスタイルで1994年に登場した「クーペフィアット」。

 斬新すぎるデザインはイタリアの名匠ピニンファリーナによるもので、まるでワニを思わせるフロントマスクなど、スタイルについて議論されることが多かったモデルです。

 このオシャレなクーペも直列5気筒エンジンを搭載していました。

 全長4250mm×全幅1765mm×全高1340mmのボディに隠れるプラットフォームはフィアット「ティーポ」のものを流用。デビュー当初は2リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載していました。

 当時としては195馬力のハイパワーで、一時は「FF最速」の異名を取っていたのです。

 そして1997年に、220馬力を発揮する直列5気筒エンジン搭載モデルが登場します。

 一般的なエンジンは1気筒あたりの排気量に限界があるといわれ、パワーを確保するための手段として多気筒化することは、振動の軽減や回転のスムーズさを獲得できるメリットが大きかったといえます。

 また直列5気筒エンジンは直列4気筒の安っぽさが薄れ、直列6気筒ほどスペースを必要としないメリットもあり、ピニンファリーナが手がけた独創的なボディに搭載するスペシャリティクーペに最適だと判断されたのでしょう。

 マイナートラブルも多く整備性の悪さでも有名なクーペフィアットですが、現在でも通用する個性的なスタイリングで、見た目以上にスポーティな走りが楽しめる5気筒ターボを搭載したスポーティクーペでした。

●ボルボ「V40」(2代目)

 ボルボといえば、ドイツともフランスともイタリアとも違う、スウェーデンらしい独自の個性と高い安全性を持つブランドとして有名です。

 そしてそんなボルボのエントリーモデルとして1995年に誕生したのが「V40」です。

 初代モデルは、当時の三菱やオランダ政府との合弁会社で生産され、あまり話題にはならないまま2004年に生産終了。

 しかし2012年にまったくのニューモデルとして「V40」が復活。コンセプトは「ボルボの大型モデルの機能や特徴をコンパクトクラスに取り入れる」というものでした。

 そのため、全長4370mm×全幅1800mm×全高1440mmの5ドアハッチでありながら、プレミアム性を高めたモデルとなっていました。

 V40のなかでもベースグレードとなる「T4」には1.6リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載していましたが、スポーティさに磨きをかけた「T5 R-DESIGN」(FF)やクロスオーバーモデル「クロスカントリーT5 AWD」には、2リッターまで排気量をアップして213馬力にまでパワーアップした直列5気筒ターボエンジンを横置きに搭載しています。

 V40は2019年に生産が終了してしまいましたが、現在でも見劣りしない美しいデザイン、独自の「スカンジナビアン」テイストでまとめられたインテリアとともに、操り切れる適度なスポーティ感を堪能できる5気筒エンジンと、魅力的なモデルでした。

※ ※ ※

 パワーユニットがレシプロエンジンからモーターへと移りゆく現代において、大排気量エンジンはもはや必要のない存在になりつつあるのかもしれません。

 ましてや直列4気筒でもなく、シルキーな直列6気筒でもない直列5気筒エンジンは、消滅していく可能性も否定できません。

 しかしピックアップのいい4気筒と、スムーズな回転フィーリングの6気筒エンジンの長所を併せ持つ直列5気筒エンジンは、まだまだ十分な魅力があるエンジンだといえるでしょう。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

【特集】レッドブルの非情なドライバー育成……しかし彼ら以上にドライバー育成に注力してきた存在はゼロ
【特集】レッドブルの非情なドライバー育成……しかし彼ら以上にドライバー育成に注力してきた存在はゼロ
motorsport.com 日本版
前の車との「車間距離」めちゃ大事! でも運転中「どうやって」測る!? 「高速」や「一般道」で適切な車間を取る方法とは
前の車との「車間距離」めちゃ大事! でも運転中「どうやって」測る!? 「高速」や「一般道」で適切な車間を取る方法とは
くるまのニュース
まるでリアルRPG!? 目指せ鈴鹿8耐優勝! レーシングライダー石塚健が新チーム立ち上げを発表
まるでリアルRPG!? 目指せ鈴鹿8耐優勝! レーシングライダー石塚健が新チーム立ち上げを発表
バイクのニュース
デジタル装備が進化、走行性能もアップ!フリークも納得した新型「ゴルフ8.5 GTI」の高い実力
デジタル装備が進化、走行性能もアップ!フリークも納得した新型「ゴルフ8.5 GTI」の高い実力
@DIME
【MotoGP】ホンダは思ったより大丈夫? アプリリアから加入のアルベシアーノ「革命は必要ない」
【MotoGP】ホンダは思ったより大丈夫? アプリリアから加入のアルベシアーノ「革命は必要ない」
motorsport.com 日本版
「これが普段使い!?」メルセデスAMG A35が“異次元”サウンドマシンに進化 Pro Shop インストール・レビュー by レジェーラ 後編
「これが普段使い!?」メルセデスAMG A35が“異次元”サウンドマシンに進化 Pro Shop インストール・レビュー by レジェーラ 後編
レスポンス
スーパーフォーミュラの改革は話題づくりだけじゃない。さらなる発展に不可欠な“制度整備”……ハンドボールリーグ元事務局長が荒地を耕す
スーパーフォーミュラの改革は話題づくりだけじゃない。さらなる発展に不可欠な“制度整備”……ハンドボールリーグ元事務局長が荒地を耕す
motorsport.com 日本版
スバル新型「S210」登場! 計算された“300馬力”の意図は? めちゃ速いのに室内が超快適なワケとは? 「“スゴい”スポーツセダン」についてSTI本部長に聞いてみた!
スバル新型「S210」登場! 計算された“300馬力”の意図は? めちゃ速いのに室内が超快適なワケとは? 「“スゴい”スポーツセダン」についてSTI本部長に聞いてみた!
くるまのニュース
 今や“シールドあり”が主流!? 「オフロードヘルメット」とは?
今や“シールドあり”が主流!? 「オフロードヘルメット」とは?
バイクのニュース
タナク、2.5秒差の3番手から虎視眈々「明日を楽しみにしている」/WRCスウェーデン デイ2コメント
タナク、2.5秒差の3番手から虎視眈々「明日を楽しみにしている」/WRCスウェーデン デイ2コメント
AUTOSPORT web
ランチア「ストラトス」やアウディ「クワトロ」など貴重なラリーカーが富士を逆走!「トヨタ7」のエンジンにも火が入りました
ランチア「ストラトス」やアウディ「クワトロ」など貴重なラリーカーが富士を逆走!「トヨタ7」のエンジンにも火が入りました
Auto Messe Web
Genbの『ハイエース』用ブレーキパッドが進化、同乗者や積載物にも優しい自然なフィーリング実現
Genbの『ハイエース』用ブレーキパッドが進化、同乗者や積載物にも優しい自然なフィーリング実現
レスポンス
神童アントネッリ……実は普通の18歳。好物は和牛!? 「鈴鹿を走るのは楽しみだけど、東京とか日本の色々な所に行ってみたい!」
神童アントネッリ……実は普通の18歳。好物は和牛!? 「鈴鹿を走るのは楽しみだけど、東京とか日本の色々な所に行ってみたい!」
motorsport.com 日本版
インテグラなのにおっさんセダン! マークXなのにFF!! 名前は「名車」中身は「迷車」なクルマ4選 
インテグラなのにおっさんセダン! マークXなのにFF!! 名前は「名車」中身は「迷車」なクルマ4選 
WEB CARTOP
路面電車にも「スピード違反」はあるのか 最高速度制限の法律と運用どうなっている?
路面電車にも「スピード違反」はあるのか 最高速度制限の法律と運用どうなっている?
乗りものニュース
わずか全長4m! マツダ「ベリーサ」に反響多数!「まさに小さな高級車」「エンジンが良く回って楽しい!」 コンパクトカーに“豪華内装”実現した「プレミアムハッチ」は今注目の1台!
わずか全長4m! マツダ「ベリーサ」に反響多数!「まさに小さな高級車」「エンジンが良く回って楽しい!」 コンパクトカーに“豪華内装”実現した「プレミアムハッチ」は今注目の1台!
くるまのニュース
死亡リスク大!! 楽しいバイクライフに潜む事故の原因とは?
死亡リスク大!! 楽しいバイクライフに潜む事故の原因とは?
バイクのニュース
F1日本GPアンバサダー、市川團十郎親子が鈴鹿サーキットに見参! レースの世界を満喫……スポーツ走行のエンジン音にも興奮「すごい緊張感」
F1日本GPアンバサダー、市川團十郎親子が鈴鹿サーキットに見参! レースの世界を満喫……スポーツ走行のエンジン音にも興奮「すごい緊張感」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

11件
  • 所詮ネットの情報で知った気でいる奴には永遠に理解できんだろうがTTRSとかまるでV10みたいな音だしちょっといじるとGT3すら余裕でカモれる恐ろしい車 実はかなり金掛かってるってのが触れるとわかる
  • 記事見て5気筒エンジンの中古車指名買いするかな?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

299.0499.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

29.8269.0万円

中古車を検索
V40の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

299.0499.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

29.8269.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村