現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【試乗】BMW2シリーズにクーペセダンが登場! ライバル多数の2Lターボ+4WDを積むM235iの走りを徹底チェック

ここから本文です

【試乗】BMW2シリーズにクーペセダンが登場! ライバル多数の2Lターボ+4WDを積むM235iの走りを徹底チェック

掲載 更新 34
【試乗】BMW2シリーズにクーペセダンが登場! ライバル多数の2Lターボ+4WDを積むM235iの走りを徹底チェック

 キドニー・グリルはよりダイナミックな印象!

 BMWといえばFR(フロントエンジン後輪駆動)のスポーツセダンというイメージが強いだろう。だが近年はFF(フロントエンジン前輪駆動)もラインアップに増えている。

クルマ好きがFRをもてはやす理由とは?

 きっかけとなったのはBMWのMINIの存在だ。BMWが手がける初めてのFF車として2001年の初登場時には大きな話題となった。だが、その初代BMW/MINIの完成度が非常に高く、とくにハンドリングの秀逸さは初めてFF車を手がけたとは思えぬレベルで、世界をあっといわせたものだ。そんなBMW製MINIも今では第3世代にまで進化している。そのプラットフォームを利用してBMW2シリーズのアクティブツアラーが誕生し、昨年には1シリーズもFFとして進化させられている。

 2シリーズに関して言えばアクティブツアラーはミニバン風のファミリーカーとして位置付けられ、2シリーズのスポーツモデルとしては、前1シリーズベースのFR2ドアクーペが主要ポジションにあった。とくにM2コンペティションなどはBMW車全ラインアップのなかでも最速クラスの速さに仕上げられていて人気がある。

 そして今回紹介するのが新しく2シリーズのラインアップに加わった「グランクーペ」だ。グランクーペはこれまでも4シリーズや6シリーズ、そして8シリーズにも設定されている4ドアクーペというスポーツコンセプトの新カテゴリーだ。4つのドアウインドウにサッシがなく、低いルーフでスタイリッシュな外観を備えているのが共通した特徴。寸法的には2世代ほど昔の3シリーズとほぼ同寸になり、大きくなりすぎた現行3シリーズのポジションを引き継がせるのも狙いだ。

 エクステリアは一見して格好良く仕上げられ、3次元の個性的なラジエターグリルはBMWの証であるキドニー・グリルをよりダイナミックに見せている。またフロントバンパーのデザインはスポーティで迫力満点だ。複雑なエアインテークの造形はイミテーションではなく、オイルクーラーやブレーキ冷却ダクトへのエアフローを突き詰めて作り込まれていて、フロントタイヤまわりの整流効果を高めるエアインレットもある。

 エンジンフードを開けると、2リッター直4ツインターボエンジンが横置きに積み込まれ「ああFFベースなんだな」と現実を直視させられるが、走りが良ければ問題ない。

 試乗車は最上級グレードのM235i、4WDのxDrive仕様。直4の2リッターターボ4WDというパッケージングは三菱ランサーエボリューションシリーズやスバル・インプレッサWRXシリーズ(現スバルWRX)を彷彿とさせ、メルセデス・AMGでいえばA 45 AMG/CLA 45 AMGと競合することになる。

 パワースペックは306馬力の最大出力を5000回転で発生し、最大トルクは450N・mを1750~4500回転という幅広い回転域で引き出せる。馬力的にはメルセデスAMGのA 35 AMGとバッティングするところだ。トランスミッションには8速のトルコン式ATを搭載。ただしマニュアル操作可能なステップトロニック機能付きでレーシングスタートを可能とするローンチコントロールも装備している。

 ライントレース性とトラクションにはさらなる熟成を望みたい

 室内に乗り込むとルーフライナーまでブラックに統一されたインテリアカラーがスポーティで、液晶のメーターや皮巻きでグリップの太いステアリングホイールもBMWのMスポーツモデルとして統一されている。エンジンを始動すると回転が瞬間的に吹き上がり触媒を活性化させつつエモーショナルなサウンドが運転心をかき立てる。

 では走りだそう。ドライブモードはエコ、コンフォート、スポーツから選択可能。スポーツモードを選ぶとサスペンションのダンパーがハードに固められ、ステアリングがクイックになり、シフトスケジュールも変更される。加えて排気音もより迫力のある音色に切り替わる。

 ちなみにローンチコントロールを作動させるには50km以上を走行した後にDSCをオフにし、シフトセレクターを左に押してSポジションにしなければならない。今回は試せなかったが、ゼロ発進加速計測では威力を発揮するだろう。AT仕様でローンチコントロールを備えるのは珍しいのだ。

 一方、エコモードでエコ・PROを設定すると惰性走行(コースティング)も可能になる。25~160km/hでパドル操作とアクセルワークでコースティングでき高速燃費に大きく貢献するだろう。

 コーナー部分をスポーツモードで攻めるとステアリングレスポンスがクイック過ぎてライントレース性に落ち着きがない。さらにパワーをかけるとトランスファーとトルセンデフのマッチングがよくないのかスムースにトラクションがかからない。このあたりはランエボやAMGに一歩及ばない。

 FFベースの4WDスポーツとして新しい領域に踏み入れたBMW M235i xDriveはFRのBMWを愛するユーザーにはしばらくの間敬遠されるかもしれない。だが全天候型でスポーツ性を高く維持するには今後4WD化は避けて通れない。ハンドリングがさらに洗練され優れたドライバビリティが備わって走り好きなBMWユーザーを惹き付けることができるかどうかが成功への鍵となる。

こんな記事も読まれています

カワサキ「Z900RS」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
カワサキ「Z900RS」【1分で読める 国内メーカーのバイク紹介 2024年現行モデル】
webオートバイ
「ヤリスのクローン」「優れた経済性」 英国の自動車メディアは欧州限定「マツダ2ハイブリッド」をどう評価しているのか?
「ヤリスのクローン」「優れた経済性」 英国の自動車メディアは欧州限定「マツダ2ハイブリッド」をどう評価しているのか?
Merkmal
これはフラットスペースが広くて最高だ! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
これはフラットスペースが広くて最高だ! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
新規ユーザー爆増!!! [デリカミニ]注文殺到のワケに納得! 三菱の現行SUV4選
新規ユーザー爆増!!! [デリカミニ]注文殺到のワケに納得! 三菱の現行SUV4選
ベストカーWeb
キャンピングカーが気になるけれど、目立たずシンプルがいい人にオススメ! スズキ エブリイがベースの軽キャンパー
キャンピングカーが気になるけれど、目立たずシンプルがいい人にオススメ! スズキ エブリイがベースの軽キャンパー
月刊自家用車WEB
バースレーシングプロジェクト、サンライズブルバードとともにニュルブルクリンク24時間挑戦へ
バースレーシングプロジェクト、サンライズブルバードとともにニュルブルクリンク24時間挑戦へ
AUTOSPORT web
スーパーGT第2戦富士のZFアワードはGT300でポール・トゥ・ウインを飾ったJLOCが受賞
スーパーGT第2戦富士のZFアワードはGT300でポール・トゥ・ウインを飾ったJLOCが受賞
AUTOSPORT web
新車価格は衝撃の63万円!!! 気分は[日本一速い男] 日産チェリーの正体とは?
新車価格は衝撃の63万円!!! 気分は[日本一速い男] 日産チェリーの正体とは?
ベストカーWeb
イタリアのSAはコーヒーが美味しい! ただしガソリンは日本以上に高いのでセルフサービスを活用しましょう【みどり独乙通信】
イタリアのSAはコーヒーが美味しい! ただしガソリンは日本以上に高いのでセルフサービスを活用しましょう【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
新型トラックや多彩な架装など約150台が集結!ジャパントラックショー2024
新型トラックや多彩な架装など約150台が集結!ジャパントラックショー2024
グーネット
MotoGP:2027年に1000ccから850ccへマシン規則変更。空力パーツは50mm削減、車高調整デバイスは禁止
MotoGP:2027年に1000ccから850ccへマシン規則変更。空力パーツは50mm削減、車高調整デバイスは禁止
AUTOSPORT web
世界に1台!フェラーリ「812GTS」ベースのフルカーボン仕様車を披露 ノビテック
世界に1台!フェラーリ「812GTS」ベースのフルカーボン仕様車を披露 ノビテック
グーネット
時速6キロのお台場めぐり!トヨタの3輪BEV使った観光サービス「おさんぽ」スタート
時速6キロのお台場めぐり!トヨタの3輪BEV使った観光サービス「おさんぽ」スタート
グーネット
アウディの美点を「ギュッと凝縮」 更新版S3へ試乗 333馬力にトルクスプリッター 少し真面目すぎ?
アウディの美点を「ギュッと凝縮」 更新版S3へ試乗 333馬力にトルクスプリッター 少し真面目すぎ?
AUTOCAR JAPAN
日産「マーチ」ベースの「フェアレディ」!? 大人が驚く学生ならではの感性で仕上げたカスタムポイントとは
日産「マーチ」ベースの「フェアレディ」!? 大人が驚く学生ならではの感性で仕上げたカスタムポイントとは
Auto Messe Web
ルノーの名物イベント、今年は10月27日に決定! 「ルノー カングー ジャンボリー2024」開催概要を発表
ルノーの名物イベント、今年は10月27日に決定! 「ルノー カングー ジャンボリー2024」開催概要を発表
月刊自家用車WEB
ルクレール3位「マクラーレンの強さは予想以上。僕たちにはアップグレードが必要」フェラーリ/F1第6戦
ルクレール3位「マクラーレンの強さは予想以上。僕たちにはアップグレードが必要」フェラーリ/F1第6戦
AUTOSPORT web
宮田莉朋、無念のトラブルで勝利逃すも「全然ネガティブには思っていません」。原因はギヤボックス/ELMS第2戦
宮田莉朋、無念のトラブルで勝利逃すも「全然ネガティブには思っていません」。原因はギヤボックス/ELMS第2戦
AUTOSPORT web

みんなのコメント

34件
  • FFだとしてもこんな気持ちいいFFは初めてです!
    あっ、もう乗っています。
  • 良い車なのでしょが、デザインが好きではない
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

490.0708.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

205.0548.0万円

中古車を検索
2シリーズ グランクーペの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

490.0708.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

205.0548.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村