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【試乗】今秋発売のクラウンスポーツに乗った! 重いPHEVでもスポーツの名に恥じない旋回性能を確認!!

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【試乗】今秋発売のクラウンスポーツに乗った! 重いPHEVでもスポーツの名に恥じない旋回性能を確認!!

 この記事をまとめると

■新型クラウンには4タイプの登場が発表されている

クラウンセダンの「全長5m超え」ってデカすぎじゃない!? タクシーやパトカーに向かないサイズで果たしてどうなる?

■すでに登場しているクラウンクロスオーバーに続く第2弾がクラウンスポーツ

■2023年秋以降に発売予定のクラウンスポーツのプロタイプに試乗

 シリーズ中もっとも全長もホイールベースも短いSUVモデル

 まもなく発売となる新生クラウンシリーズの第二弾、クラウンスポーツ。そのプロトタイプ(HEVとPHEVの登場が予定されているが、今回はPHEVのみ)に試乗することが許された。昨年7月にワールドプレミアした際、クロスオーバー、スポーツ、エステート、そしてセダンという4つのタイプが発表されたが、今回の車両はその名のとおり新たなスポーツSUVの形を示している。

 それを如実に現わすのがそのプロポーションだ。ホイールベースはシリーズ中でもっとも短い2770mmと、先に発売されているクロスオーバーより80mmも短い設定。全長×全幅×全高は4710×1880×1560mm。クロスオーバーは4930×1840×1540mmである。つまりクラウンスポーツはクロスオーバーに対し、長さ方向に凝縮され、幅はかなりボリューミーになり、全高が引き上げられているわけだ。一見するとこれが同じシリーズなのかと疑問を持つほどの違いを感じる。

 チーフデザイナーの宮崎満則氏は「作りたかったのはカッコ良くて美しいSUV、これに尽きると思います。街なかでこのクルマを見られた時に二度見してしまうような存在感、強さを表現したいと考えています。この手のクルマにありがちな武骨さを持たせず、サイドビューは凝縮感と伸びやかさを持たせていることが特徴的。また、それぞれの断面がひとつとして同じところがない形状としています。トヨタで言うとスープラやセリカのようなスポーティさをこのクルマでは体現しております。もっとも売りとなるのはリヤの張り出しやタイヤの存在感を強調した部分です」と語っている。

 その足もとを覗き込んでみると、クロスオーバーとはサイズが異なっていることに気づく。クロスオーバーが225/45R21サイズだったのに対し、スポーツは235/45R21となっており、これで外径が20mmほどアップしたそうだ。また、足まわりについても20mmアップとなり、最低地上高は全体で40mmも引き上げられているという。そこにホイールベースの短縮やPHEVの設定なども加わるため、足まわりも後輪操舵のDRS(ダイナミック・リア・ステアリング)のセッティングも見直しを図っている最中だとか。

 そんな開発過程のプロトタイプをいよいよ富士スピードウェイのショートコースで試乗する。何か問題があれば開発スケジュールにも影響するということで、最高速度は80km/hに制限されるため、その条件下で違いが理解できるかが心配だが、まずは静かにノーマルモードでコースインして行く。

 しなやかな足まわりと旋回性能の高さを確認

 走り始めてまず感じることは、とても滑らかに動き出すということだった。試乗車はPHEVだが、今回はハイブリッドモードで走ってほしいとのこと。よって、アクセルを少し踏み込むとエンジンが始動してしまうのだが、ノイズも程よく抑えられていて静粛性はまずまず。のちにエコモードで走るとモーター領域が広がり更に静粛性がアップして滑らかさがより感じられた。言わずもがな、EVで走れば静けさはもっと高まる。このクルマにクラウンという冠を与えることが少々疑問だったが、この滑らかさと静粛性があるのなら納得もできそうだ。

 コースインしてペースを上げると、旋回性がかなり高いことが感じられる。ステアリングを少し切ったところからリヤが追従し、キビキビとした身のこなしを展開するのだ。PHEVなのだからおそらく車重は2トン前後だろうが(車両重量は未公表)、それをものともせずに駆け抜けて行くところが面白い。けれども、だからといって足まわりをガチガチに引き締めたような感覚はなく、しなやかさも残しているところが好感触だ。

 重量級をキビキビスポーティに走らせようとすると、どうしてもガチガチになりがちだが、そこは後輪操舵や四輪駆動があってこその仕立てのようにも感じる。のちにスポーツモードに変更し、足まわりやDRSがスポーツ方向に変化したとしても、クラウンらしい所作を忘れてはいない。

 クラウンの担当主査である本間裕二氏は「おひとりおひとりに合ったクラウンをと、4つのモデルを展開しますが、このスポーツは、上質でありながらも、俊敏でスポーティな走りを提供できるように開発を行ってきました。新たなカタチのスポーツSUVを提案したいと思っております」と語っていた。

 その言葉どおり、プロトタイプながらもしなやかかつスポーティだったクラウンスポーツ。正式に登場した時、その方向性がどこまで引き上げられているのか? また、HEVの仕上がりはどのようになるのか? 夏から秋にかけて話題になりそうなこのクルマの公道での姿を早く見たいものだ。

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