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【ロッキー&ライズはC-HRを打倒できるか?】新コンパクトSUV戦争の行方

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【ロッキー&ライズはC-HRを打倒できるか?】新コンパクトSUV戦争の行方

 2019年11月5日に発売されたダイハツとトヨタの新型コンパクトSUV、ダイハツロッキーとトヨタライズ。

 前評判が高く、早くもヒットの予感がするが、もともとこのコンパクトSUVクラス市場では、トヨタC-HRとホンダヴェゼルが熾烈な販売争いと繰り広げてきてきた。

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 2016年12月の発売以来、2017年、2018年とSUV販売ナンバー1を獲得したのはC-HRだが、2019年4月に登場した新型RAV4にSUV販売ナンバーの座を奪われている。ちなみにヴェゼルは、2015年、2016年にSUV販売ナンバー1だった。

 C-HRは、2019年10月18日にマイナーチェンジし、再びSUVナンバー1の座をつこうかとしている矢先に、ロッキー&ライズがデビューしたという状況だ。

 はたして、ロッキー&ライズはC-HR、ヴェゼルを抜いて、SUVナンバー1の座につくことができるのか? 最新の受注状況やC-HR、ヴェゼルとの販売争い、営業マンの生の声など、流通ジャーナリストの遠藤徹氏がレポートする。

文/遠藤徹
写真/ベストカーWEB編集部 トヨタ ダイハツ

【画像ギャラリー】ロッキーとライズはどこが違う詳細写真

ロッキーとライズはどこが違う?

ダイハツが開発・生産する。ダイハツ版はロッキー、トヨタ版はライズとなる。写真はロッキー

ダイハツからOEM供給を受けるトヨタライズ

 2019年11月5日、ダイハツロッキー&トヨタライズが発売となった。両モデルは兄弟車で、ダイハツが開発・生産し、トヨタ販売店に「ライズ」の名称でOEM供給すると同時にダイハツも「ロッキー」のブランドを自社の販売ネットワークで発売を開始している。

 当然、兄弟車だから、ボディパネル、エンジンなどの基本コンポーネントは共通だが、従来のOEM供給の兄弟車とは大きく手法が違っている。基本コンセプトは同様だが、内外装のデザイン、価格帯、カラーリングなどに違いを持たせているのだ。

ロッキーとライズでは顔が違う。ボンネット、ヘッドライトは同一で、グリルとバンパーがそれぞれ異なるデザインになっている。ロッキーは六角形グリルとなる

ヘッドライトはフルLEDで、ロッキーのPremiumとGグレード、ライズのZグレードはLEDシーケンシャルターンランプ付きフォグランプはライズではZグレードがLEDフォグランプ+LEDイルミネーションランプ付き。ロッキーではPremiumとGグレードがLEDフォグランプ+LEDイルミネーションランプ付きになる

 エクステリアデザインはフロントグリルがロッキーだと横長の6角形大型格子状グリルなのに対して、ライズはほかのトヨタ車によく使われている大型台形ハニカムグリルと、その下のブラックメッキ、バンパー組み込みのエアダムの組み合わせとなっており、ロッキーとライズでは顔つきがかなり違う。

 両サイドのフォグランプもロッキーが角型、ライズは丸型を配している。横長のヘッドランプは同じデザインを採用。

 アルミホイールのデザインも違いを持たせ、ライズは回転式スポークで動きを持たせ、ロッキーは左右均等なスポークですっきり感を持たせている。

 室内は同じ黒基調のフロントシート回りを赤線で囲み、コンソール部分はメタルメッキ板デザインでまとめている。

価格はライズの方が2万6000~14万円安い

リアコンビネーションランプのデザインはロッキー、ライズ共通。ランプの点灯パターンも共通 。写真はロッキー。ロッキーのPremiumとGグレード、そしてライズのZグレードにはLEDリアフォグランプ(右リアのみ)が標準装備になる

アルミホイールはロッキーとライズではデザインが異なる

 車両本体価格はロッキーが170万5000~242万2200円に対して、ライズは167万9000~228万2200円で、ライズの方が2万6000~14万円安い。

 これは装備内容の違いによるもので、ロッキーの方が多少ワイルド感を強調し、ライズはシンプルでおとなしめの仕立てとしている。

 両車のカタログを見ると差別化を図っているのがよくわかる。ロッキーは若いカップルがレジャーに出かける雰囲気。ライズは家族連れが遊びに出かけるようなコンセプトを強調。

 装備内容の一例はロッキーだと2トーンカラーや車線変更時の後方確認をアシストする「ブラインドスポットモニター」を標準装備した最上級グレードの「プレミアム」を独自に設定。

 ライズは「スマートアシスト」を搭載しないエントリーグレード「X」をラインアップしているなどの違いがある。

 ボディのカラーリングはロッキーがモノトーン8色、2トーン3色でテーマカラーは、コンパーノレッド、ライズはモノトーン8色、2トーン3色でテーマカラーはレーザーブルークリスタルシャインとなっている。

先行予約開始1カ月の受注台数はロッキーが3500台、ライズが6500台

1Lターボによる軽快なは走りが楽しめそうなロッキー&ライズ

 月販目標台数はロッキーが2000台、ライズが4100台。トヨタは4系列全店扱いでダイハツの3倍以上のセールスパワーを持っているのを考慮している。

 先行予約開始後約1カ月の受注台数は、ロッキーが3500台、ライズが6500台、合わせて1万台と好調なスタートを切っている。販売力から比較するとだいぶロッキーの方が健闘しているのではないだろうか。

 これまでコンパクトSUVは、トヨタC-HRとホンダヴェゼルが月販5000~7000台規模で、ナンバー1争いをしてきたが、これにコンパクトSUVのロッキー&ライズが参戦してくる。このスタートダッシュぶりだと一挙にトップを奪還しそうな勢いだ。

 これに対してC-HRは2019年10月18日にマイナーチェンジし、オーディオディスプレイの標準装備、GRスポーツを設定するなどして反転攻勢を開始し、11月5日から発売されるロッキー&ライズ両モデルに対し、引き離しを目指している。

 C-HRの価格帯は240万~309万5000円。マイナーチェンジ前の同グレードと比べると、STが6万7593円のアップ、G-T、S、Gが1万1556円のアップとなっているが、装備の充実を考えるとほぼ横ばいだろう。

 注目の6速iMTは1.2LターボのS-T、G-T、S-T”GR

SPORTS”に設定されており、CVTに比べ3万3000円安となっている。

 GR SPORTSは、1.2LターボのS-T GR SPORTSは273万2000円。1.8LハイブリッドのS ”GR SPORTS”は309万5000円となっている。

 エンジンは1.2Lターボ(116ps/18.9kgm)と、1.8L(98ps/14.5kgm)とモーター(72ps/16.6kgm)を組み合わせるハイブリッドの2種類。

 ロッキー&ライズと、C-HR、ヴェゼルのサイズを比べてみると、コンパクトSUVといえどもロッキー&ライズがC-HR、ヴェゼルに比べ、ひと回り小さいことがわかる。

 ロッキー&ライズの全長は、新型ヤリス(全長3940mm)よりもひと回り大きく、ほぼ現行フィット(全長4005mm)よりも少し小さい、といえばわかりやすいかもしれない。

ロッキー&ライズは全長3995mmとC-HRに比べて390mm短いことがわかる

C-HRの価格は240万~309万5000円 。ロッキー&ライズの最上級車の価格あたりが、C-HRのスタート価格となっている

2013年12月に発売されたヴェゼル。1.5Lガソリン車がロッキー&ライズのライバルとなりそうだ


 いっぽう、ホンダヴェゼルは2013年12月にデビューし、2015年、2016年にはSUV販売ナンバー1に輝いている人気のコンパクトSUVだ。

 パワートレインは1.5Lガソリン(131ps/15.8kgm)、1.5Lハイブリッド(エンジン:132ps/15.9kgm、モーター:29.5ps/16.3kgm)、そして2019年1月に追加された1.5L、VTECターボ(172ps/22.4kgm)の3種類。

 価格は1.5Lガソリンが211万3426~242万5093円。1.5Lハイブリッドが250万5555~298万186円。1.5Lガソリンエンジンがロッキー&ライズのライバルとなりそうだ。

ロッキー&ライズ、C-HR、ヴェゼルを販売する営業マンの生の声

■ライズとC-HRの両方を扱うトヨタ系列店

 「C-HRとライズではコンセプトが若干異なるので、あまり競合はないと見ています。C-HRの車両本体価格は236万7000~309万5000円だから68万8000~81万2800円も差があり、クラスも異なります。

 デザインもC-HRは尖ったスタイリッシュな仕立てですから、最初からユーザーは分けて選ぶのではないでしょうか。

 販売台数はC-HRの方が終始先行し続けると予想しています」(首都圏トヨタ店営業担当者)とC-HRの優位性を強調する。

■ヴェゼルを扱うホンダカーズ店

 「ヴェゼルはモデルが古くなったので販売は頭打ちになっています。今年初めには1.5Lターボ搭載のスポーツバージョン、ツーリングセレクションを発売し、一旦販売が回復しましたが、最近になって需要一巡したせいでしょうか、また勢いがなくなってきています。

 ヴェゼルは2020年末には7年ぶりのフルモデルチェンジを控えているので、これによって巻き返してくるのではと期待しています」(首都圏ホンダカーズ店営業担当者)と次期型の登場に期待を寄せる。

■ロッキーを扱うダイハツ店

 「新型ロッキーはダイハツが開発した歴代小型車モデルで最も出来のよい新型車と受け止めています。これまでだとほとんどがトヨタにOEM供給するモデルと内容が同じでした。

 このためトヨタブランドと競合し、販売力で負け、リセールバリューにも大差をつけられ売れ行きが伸び悩んだクルマもありました。

 今回の新型ロッキーは、ライズとかなり大きなコンセプト分けをして、違いを強調していますので期待しています。お客さんの反応もいいです。

 ライズとの競争よりもスズキのクロスビーとの対抗で、クロスビーとの競争を意識して販売を強化していきたいと思っています」(首都圏ダイハツ店営業担当者)と増販に意欲を見せる。

納期はロッキーが2020年1月中旬、ライズは2020年1月上旬

 2019年11月中旬現在の納期は、ロッキーが2020年1月中旬、ライズは2020年1月上旬、C-HRはハイブリッドが2019年12月下旬、ガソリンが2020年2月上旬、ヴェゼルは2019年12月中旬となっている。

 ロッキー&ライズだと人気の高さでロッキーの方が引き合いは多い傾向がある。C-HRのガソリンの方が待たされるのは、販売が少ないので生産を絞り、ハイブリッド優先の組み立てにしているため。

 値引き額はナビ、ETC付きでロックーとライズが同程度の15万円、C-HRは25万円、ヴェゼルは27万円あたりを一応の限度としている。

※値引き額は地域、季節によって異なりますので参考程度としてください

ロッキー、ライズではどちらがお買い得か?

 購入する際のアドバイスとしてはロッキー、ライズ、C-HR、ヴェゼル、クロスビーを競合させて好条件を引き出すようにする。ライズ、C-HR、ヴェゼルは取り扱うディーラーが、同じ地区に複数あるので、同一車種同士の競合も組み合わせる。

 さて、最後にロッキーとライズではどちらが買い得か? ロッキーの方が最終的には5万~10万円程度の買い得になりやすい。

 また残価設定クレジットを利用すると、ロッキーを扱うダイハツ店は年末までのセールで1.9%の低金利で10万円分のサービスパックが受けられる。

 ライズを扱うトヨタ系列店だと残価設定クレジットの金利は4.3%と高いケースが多いので、金利分の出費は15万円以上、余計に支払うことになるからだ。

【画像ギャラリー】ロッキーとライズはどこが違う詳細写真

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