アストンマーティンF1のリザーブドライバーを務めるストフェル・バンドーンは、チームがF1で一貫して先頭集団で戦えるようになるまでには「まだ長い道のり」が待ち受けていると語った。
アストンマーティンは、2023年シーズン前半は表彰台を争っていたが、開発プログラムの効果が出なかったことから、同年後半には後退してしまった。今年はこれまでのところ、チームは長期にわたる低迷からまだ回復していない。アストンマーティンは現在、F1のコンストラクターズ選手権で昨シーズン終了時と同じ5位につけているが、ポイントの点では4位のメルセデスから大きく差をつけられている。
アストンマーティンF1はニューウェイ獲得を目指す一方、積極的な採用活動と内部人材の育成にも取り組む
昨シーズンの直近のライバルはすべて今年優勝を飾っているが、アストンマーティンの現在の野望はF1の中団をリードすることに限られているようで、期待からは程遠い状況だ。第14戦ベルギーGPでは、フェルナンド・アロンソが8位でフィニッシュできた一方で、ランス・ストロールはポイント圏外の11位で1日を終えた。
「難しいレースだった」とバンドーンは、ポッドキャスト『F1 Nation』に語った。
「僕たちのマシン特性を考えると、より競争力のある週末になるだろうと全員が期待していた」
「ストレートの速度はもっと速くなると思っていたが、僕たちは劣勢に立たされていた。フェルナンドとともに、中間の地点にいた。言ってみれば、彼は第2グループのチームのなかで勝利を飾ったようなものだ。僕たちはトップチームからは大きく遅れていたが、残りのチームよりは前にいた」
「残念ながら、それが今の時点で僕たちが直面している現実だ。僕たちの前には長い道のりが待っている」
アロンソは先週末のベルギーでのレース後、アストンマーティンはF1のサマーブレイク中とそれ以降も大変な仕事をすることになるだろうと認めた。バンドーンも、チームが大量ポイントの獲得に挑戦できるようになるまでには、おそらく2025年まで続く長い道のりが待ち受けているだろうと示唆した。
「まだそこまでには至っていないと思う。もう少し時間がかかるだろう。来シーズンに向けて状況を改善するために、今年後半にはやれることはまだたくさんある」
「アップグレードを押し進めるのは難しいことだが、これらのマシンの哲学と、マシンが何を必要としているかを理解することがより重要だ。どのような特性が必要かということだ。トップチームはそれをうまくやっている。彼らは取り組むべき分野と改善すべき点をわかっている」
「僕たちは機能するものも、まったく機能しないものも持ち込んでいる。そこが重点を置くべき領域だ」
アストンマーティンは、最先端の風洞が2025年初頭にようやく稼働を開始するなど、シルバーストンの新本社の潜在能力をまだ十分に活用していない。さらに、元フェラーリのシャシー担当テクニカルディレクターのエンリコ・カルディレなどの主要人材はまだチームに加わっていない。一方で、エイドリアン・ニューウェイのアストンマーティン移籍の可能性に関するうわさも渦巻き続けている。
現在の展開は、アストンマーティンにとって本質的には非常にポジティブだ。一方で、2026年のF1の大幅な技術規則の変化が、チームの次の大きな目標であることが示されている。
「新しい風洞はまだ準備ができていない。おそらく年末までに使えるようになるだろう」とバンドーンは述べた。
「それは助けになる。でも新しいツールなので、最初のうちは難しいだろう。システムのなかで新しい働き方が生まれるだろうね。つまり、最初からよくなるわけではない」
「僕たちは新しいシミュレーターも構築していて、年末までに完成する予定だ」
「僕たちは成功するチームになるために力を可能性に注いでいる。来年は、2026年に向けて強固な基盤を築く必要がある。2026年はレギュレーション変更がある大きな年だ。ホンダがチームに加わる。これは大きな挑戦になるだろうが、僕たちには特別な何かを創り出すチャンスがある」
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