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ロータス・エリーゼを友人から借りてみた 新モデルで通用する走り 25年前より魅力的

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ロータス・エリーゼを友人から借りてみた 新モデルで通用する走り 25年前より魅力的

注目を維持するための小さな改良

筆者の友人、サイモン・スコット・ラッセル氏は、ロータスを専門に扱うガレージを営んでいる。しばしば、愛犬のラブラドール・レトリバーの写真などと一緒に、レストア中のエリーゼの様子も送られてくる。

【画像】新モデルで通用する走り ロータス・エリーゼ エキシージと最新エミーラ/エレトレも 全117枚

いつも通り、スマートフォンのアイコンへ通知マークが付く。だが、そのショートメッセージは2度見した。「去年は50kmも走らなかったから、僕のS1を数か月走らせてみませんか。作業場に空間の余裕も必要なので」

自宅には、屋根の付いたガレージはない。広くない敷地に、クラシックカーが2台とバイクが1台停まっている。筆者も、去年はそれぞれへ充分に乗ることはできなかった。

実際のところ、クルマが更に必要なわけではない。それでも、即答でYESと返信してしまった。当然だろう。S1とは、ロータス・エリーゼ・シリーズ1を指しているのだから。

初代エリーゼの生産は、1996年に始まった。彼のシルバーのS1は、まだ話題の新鮮さが残っていた1998年式だ。

エリーゼは比較的長く生産されたが、注目を維持するための小さな改良が毎年のように繰り返された。彼のS1も、ホイールは僅かに軽量化されている。サスペンションにも微調整を受けている。

1996年7月に実施した試乗テストの取材では、ロータスのディーラーは大きな反響へ嬉しい悲鳴を漏らしていた。「問題なのは売ることではありません。供給の方です」

25年前よりエリーゼの魅力は大きい

スポーツカーを再定義したともいえた。「過去のセブンを置き換えるモデルではありません。エリーゼは過去にとらわれず、前を向いています。ドライバーへの訴求力を塗り替える、新しいスポーツカーです」。と、当時のAUTOCARはまとめている。

このクルマが製造された時、その主張は完全に当てはまっていた。ただし彼のシリーズ1は、保険会社が廃車扱いにするほど過去に重大な事故へあっている。だが、修復が不可能なのではなく、費用を考えれば同等のクルマを買った方が安いだけに過ぎなかった。

車両価値に大きな影響は残ったものの、彼の技術力で見事に修理されている。エリーゼのアルミニウム製シャシーは、基本的に外から全容を観察できるが、被害の痕跡はまったくない。走り込まれたS1であること以外、知らされなければ気付かないだろう。

25年前より、エリーゼの魅力は筆者の中で大きくなっている。知的な設計のアルミ製シャシーは、従来より美しく感じる。

10万km近く走っているから、シートカバーは傷んでいるし、FRP製ボディには飛び石傷も多い。サイドシルはシャシーに接着されており、エリーゼの再塗装は容易ではない。この年式のクルマとしては、見た目は悪くないように思う。

ソフトトップはオリジナルのようだが、しっかり雨をしのげる。少しコツはいるが、数分かけて折り畳めば、エンジン後方の荷室へ収納できる。プラスチック製のヘッダーレールは、簡単に脱着できる。

本来の力を発揮するKシリーズ・ユニット

ラインオフから四半世紀が経っているから、クラシックカーと呼んで良いだろう。それでも、問題なく普段使いできる。アルミニウムやFRPの腐食や劣化は、気にするほど進んでいない。

119psを発揮するローバーの1.8L直列4気筒、Kシリーズ・ユニットは、適切な温度まで上昇すれば、しっかり本来の力を発揮してくれる。かなりの距離を重ねていても。夏の期間は、殆どエンジンオイルを消費しなかった。クーラントは、少し継ぎ足した。

土砂降りの雨の後でドアを開くと、サイドシルからフロアヘ雨水が流れ落ちる。雨天時は、インジェクター周辺にも水が溜まる。駐車している間は、適切なカバーが欲しいところ。もちろん、走行中なら問題はない。

多くのクラシックカーと同様に、日常的に走っていた方が調子は良い。長期間乗らないでいると、イモビライザーがバッテリーを駄目にしてしまう。

古いホイールは、クリア層へヒビが入りがち。タイヤからはゆっくり空気が抜けていく。ヤレが気になり始めたら、サイモンが営むようなガレージを訪ねると良い。

クルマは、放置しているとすぐに劣化してしまう。エンジンも掛からなくなる。彼は毎日何台ものエリーゼの面倒を見ており、自分の1台へ充分に時間を割けない。筆者は、子供が遊ぶようにクルマの運転が大好き。お互いの利害が合致した。

2023年に発売されても最高のドライバーズカー

エリーゼは、今でも運転が非常に楽しい。以前に試乗したのは数年も前のことだが、シリーズ1はいつ運転したのかすら覚えていない。

ロードカーとして、非常に良く機能することがわかる。このまま新型としてロータスが2023年に発売したとしても、われわれを驚かせ、最高のドライバーズカーだと評価するだろう。電動化される時期はいつなのか、という疑問を抱くかもしれないが。

エリーゼや派生版のエキシージが、最後まで支持を集めた理由は、基本が最初からブレなかったから。アシストのないダイレクトなステアリングに、しなやかな乗り心地とタイトな姿勢制御、敏捷なシャシーバランス。すべてが素晴らしかった。

1996年にAUTOCARが計測したところ、車重は723kgと軽量でもあった。アリエル・アトムと、ほぼ同じ重さといえる。最高出力は119psでも、0-100km/h加速を5.5秒でこなす。これ以上必要ないと思えるほど、今でも速い。

エリーゼ・シリーズ1と数か月一緒に過ごすことができて、非常に嬉しかった。今後再び同じような機会が来ても、その印象は変わらないだろう。彼の要望へすぐに応えられるよう、良好な友人関係を保ち続けたい。

ロータス・エリーゼ・シリーズ1(1996~2001年/英国仕様)のスペック

英国価格:1万8950ポンド(新車時)
全長:3726mm
全幅:1719mm
全高:1202mm
最高速度:199km/h
0-100km/h加速:5.5秒
燃費:13.9km/L
CO2排出量:170g/km
車両重量:723kg
パワートレイン:直列4気筒1796cc 自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:119ps/5500rpm
最大トルク:16.8kg-m/3000rpm
ギアボックス:5速マニュアル(後輪駆動)

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みんなのコメント

3件
  • wat********
    119馬力
    軽けりゃこれでいいんやで
  • saekako77
    廃車するにもFRPが大変
    年式相応の雨漏りや隙間風を気にしないなら平気だが、走っていて分解してしまう恐怖心がね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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