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感傷的になるほど「イイクルマ」 シンプルがベスト ヴォグゾール(オペル)・コルサヘ試乗 

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感傷的になるほど「イイクルマ」 シンプルがベスト ヴォグゾール(オペル)・コルサヘ試乗 

根強い人気を維持するエンジン版コルサ

英国オペル、ヴォグゾールのコルサには根強い人気がある。6代目へモデルチェンジしてから数年が経過するが、このクラスの小さなコンパクトカーは、英国では最も多くの台数が売れている。好調に注文を集めていても、まったく不思議ではない。

【画像】感傷的になるほど「イイクルマ」 6代目コルサ 競合クラスのハッチバックと比較 全143枚

しかし英国では、2024年から内燃エンジンに対する規制が一層強化される。全メーカーに対し、バッテリーEVの割合を増やすよう指示が出される。反則金も課せられる。

新しいコルサには、内燃エンジン版とバッテリーEV版が用意されているものの、直近の販売割合は3:1から4:1で、内燃エンジン版の方が遥かに多い。ヴォグゾールは、コルサ・エレクトリックの販売数を増やす必要に迫られている。

読者だったら、どんな方策を取るだろう。内燃エンジン版を減らしながら一定の収益を確保するため、装備内容を改め、価格を引き上げるというのが、一般的な手段といえるだろう。

新しい内燃エンジン車の販売が英国で禁止される2035年に向けて、どのメーカーも対峙することになる共通のテーマだ。それでも、まだ数年間はそれが主力になることも、間違いはないようだ。

実際、ヴォグゾールは2024年に新しいパワートレインを導入予定にある。電圧48Vのシステムでアシストされる、1.2Lガソリンターボのマイルド・ハイブリッドで、最高出力は136psがうたわれている。

ガソリンターボ版は価格以上の仕上がり

フェイスリフトを受けた6代目コルサだが、従来どおり気持ちの良い走り味は変わらず。フロントマスクがリフレッシュされ、新しい技術や内装を得ているが、シンプルなコンパクトカーという魅力は継承している。

新ユニットの登場まで、英国で選べるエンジンは1.2L 3気筒ガソリンのみ。自然吸気では75ps、ターボでは100psか129psの最高出力を発揮する。トランスミッションは、オートマティックの他にマニュアルも選べる。

英国価格は、約2万ポンド(約370万円)からとお手頃。航続距離が伸ばされた、ステランティス・グループ第2世代の電動パワートレインを搭載したコルサ・エレクトリックは、3万5000ポンド(約648円)から。小さなハッチバックのお値段とは思えない。

というわけで、少なくない英国人は、まだしばらく内燃エンジンを積んだコルサを選ぶだろう。しかも、フェイスリフト後のガソリンターボ版は、価格以上の仕上がりにある。

今回試乗したコルサは、中間グレードの100ps仕様でマニュアル。アクティブLEDマトリックス・ヘッドライトにネットワーク化されたインフォテインメント・システム、ワイヤレス充電パッド、快適なフロントシートなど、フェイスリフトの恩恵を実感できる。

実用性は先代コルサの方が優れていた

車内を観察すると、メーター用モニターとステアリングホイールが新しくなったことがわかる。ファブリックも上質になり、印象を高めている。とはいえ、このクラスで最も魅力を感じるインテリアとまではいえない。

インフォテインメント・システム自体に、目立った変更はない。しかし、使い勝手が悪いわけではない。

ベースグレードでも、コルサ・エレクトリックより装備は勝る。タッチモニターは7.0インチではなく10.0インチと大きく、スマートフォンとのミラーリング機能も、有線ではなく無線で対応する。

エアコンの操作パネルには実際に押せるハードスイッチが残り、車線維持支援システムの切り替えスイッチも独立して用意されている。欧州で義務化される速度制限の警告システムは、2024年6月までに機能させるという。ソフトウェアで対応するようだ。

車内空間はほどほど。リアシート側は、子供用だと割り切った方が良いだろう。実用性だけを見れば、先代コルサの方が優れていた。

感傷的な気持ちになるほどイイクルマ

走りの洗練性や動力性能、扱いやすさは、バッテリーEVのコルサ・エレクトリックと遜色なし。車重は約350kgも軽く、落ち着いた操縦性と乗り心地が備わっている。コルサ最大の魅力が「シンプル」であることを、体現する仕上がりにある。

1.2Lガソリンターボはトルクが太く、充分以上にたくましい。6速マニュアルは、変速フィールが好ましい。連続するコーナーを、意欲的に駆け抜けられる。

高速巡航は静かで快適。ライバルと比べて、1番機敏というわけではなく、洗練性で他を凌駕するわけではないが、心地良く経済的。長時間でも運転しやすい。バッテリーEV版へ、英国の既存ユーザーを惹きつけることが難しいほど。

コルサが、英国最後の内燃エンジン車になる可能性はゼロではない。クラス・ベストではないかも知れないが、お別れの日がいずれ来ることを考えると、感傷的な気持ちになってしまうほどイイクルマだ。

ヴォグゾール(オペル)・コルサ 1.2ターボ 100GS(英国仕様)のスペック

英国価格:2万2905ポンド(約424万円)
全長:4060mm
全幅:1765mm
全高:1433mm
最高速度:193km/h
0-100km/h加速:9.9秒
燃費:19.2km/L
CO2排出量:117g/km
車両重量:1100kg
パワートレイン:直列3気筒1199cc ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:100ps/5500rpm
最大トルク:20.8kg-m/1750rpm
ギアボックス:6速マニュアル(前輪駆動)

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