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いまあるクルマで乗降性が激変! なんと「レカロ」も選べる後付け回転シートの中身

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いまあるクルマで乗降性が激変! なんと「レカロ」も選べる後付け回転シートの中身

いっしょに出かける人の助手席こそフォロー

 介護は不要という元気な高齢者であったとしても以前と比べれば手足に力が入りにくくなっているし、身体をひねったりするような動かし方は苦手になったというケースは多い。こうした衰えはふだんの生活のなかでも伺い取れるので、高齢のご家族や知人をクルマに乗せて出かけるときなど「乗り降りしにくそうだな」と感じる人も多いのではないだろうか。

「回転シート」車は購入前に「絶対」チェックが必要! 確認すべき「差」はドコにあるのか?

 そういったニーズに対して自動車メーカー各社は、高齢者向けに助手席が外向きに回転して乗り降りしやすいよう改良した「回転シート装着車」を設定しているのだけど、代替え時期でもない限り「乗り降りがしにくそうだ」という気持ちだけでクルマを買い換えることはなかなか難しい。そこでチェックしたいのが、あと付けの手動式助手席回転シートだ。

乗り降り楽々を みんな誰にでも

 前後スライド機能に加えてシートを回転させることができるシートベースをあわせたこの製品は、介助が必要な人向けにというだけでなく、ひとりでも乗り降りできるけど「回転機能があるとより楽だ」という人の使用を考えたものである。つまりふつうの人が使用するのもまるでおかしくない製品なのだ。

 こうしたアイテムは福祉用品を扱ういくつかの企業から発売されているようだが、今回紹介するのは三菱自動車などの自動車メーカーに純正シートを納入している自動車内装部品メーカーの「丸菱工業株式会社」が製造、販売をしている「らくらく快転シート」だ。

 らくらく快転シートについては約2年前、国際福祉機器展レポート内でも紹介したことがあるが、最大の特徴は「助手席回転シートがあと付けできる」という部分で、シートサイズのコンパクト化に形状もシンプルにしていることから車内の広さに余裕がない軽自動車へも対応するようになっている。

 現在のラインアップは表のとおりだが、最新の情報では現行のスズキワゴンR、ハスラー、そして3代目のekワゴン用が近日発売予定及び開発計画中となっているようだ。

 このうちワゴンR、ハスラーのいずれかは2021年4月頃に予定されている大阪のバリアフリー展で展示したいという方向で動いているとのことだった。らくらく快転シートはシート+回転ユニットのセットで価格は16万円(税抜き)となっている。

 ラインアップに加える車種の選定については社内で検討するものもあれば、ユーザーからの要望で設定車へ追加されることもあるようだ。

 こちらのケースとしては2020年5月頃、トヨタのプレミオという普通車セダンに乗る個人ユーザーから「どうしても取り付けたい」という相談がありワンオフ対応として製作をした。そしてこの製作を通じてデータを取得できたので以後、同じ車種用の依頼があれば対応可能になっていると言うことだ。

 プレミオの件に限らず、こうした依頼を受けることは他の車種でも可能とのことだが、快転シートを付けるには室内寸法の採寸やシート仮付けなどが必要になるため「作業をするときにクルマを持ち込んでくれること」が条件になる。また、作業は段階を追って進むので現車が必要になる機会は製作期間中、数回発生するので、その都度クルマを持ち込めることも求められる。

 気になる費用負担は回転シートの定価に加えて約2~3万円アップとワンオフ対応にしては格安だが、丸菱工業までクルマを持ち込む費用など、クルマ側に掛かるぶんのお金はすべては依頼主が負担。完成までの期間は受注状況にもよって変わるがおよそ2ヶ月とのことだ。ラインアップにない車種で快転シートを付けてみたいと考えている人は、丸菱工業へ問い合わせて欲しい。

サポート性にこだわるブランド「レカロ」シートも

 らくらく快転シートには標準タイプのほかに「レカロシート」を使用したモデルもある。こちらはシートサイズが大きめなので一部軽自動車用もあるが主に普通車用となっている。価格はシートと回転ユニットのセットで22万3020円(税込)。

 レカロシートは身体のサポートがいいのが特徴だが、この性能はふつうのドライブにおいてもカーブ等での身体の揺れが少ないので疲れにくくなる傾向。高齢者は乗車中に受ける横Gに対して筋力で身体を支えにくいのでサポートのいいシートは疲労軽減にもなるのだ。レカロシート版のらくらく快転シートについても前記したように個別対応は可能だという。

 純正シートを作るようなメーカーでは、アフターパーツであっても安全性や品質などは純正パーツと同等の基準を定めているという。また、車種専用として開発しているので取り付けをする際、作業するメカニックの資格や技量などに左右されることなく正確に取り付けできるよう設計されている。製品自体の品質がよくても取り付けに不備があれば安全性が脅かされるだけに、こうした配慮も品質同様重要な部分である。

 また、細かい部分だが純正かららくらく快転シートに換えた際にシート座面の高さが純正とほぼ同じようになるように設計されているので、以前と視点が変わらない安心感が得られるだけでなく、シートベルトを締めた際に斜めのベルトの位置が首に掛かったりするような変な状態になることもない。こういう部分はそれぞれの車種専用の設定になっているからこそ実現できる部分だ。

 快転シートは衝突試験もクリアしたものである。また、取り付け法に関しても法規に沿ったものになっているので車検の際も装着したままで問題ないとのことだが、検査場によっては必要な保安基準に適合していることを記載した資料が必要になることもあるので、希望者にはその書類を配付しているという。

 今回紹介した丸菱工業の快転シートは全国の自動車販売店、整備工場でも取り寄せができると言うことなので、ふだん整備を依頼しているお店に快転シートの取り付けが可能かどうか問い合わせをして欲しい。

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みんなのコメント

1件
  • 可動部が多い、ガタ付きの原因が増える
    ガタついたらせっかくのレカロの台無しですね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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