■「ハイパーフォース」は「次期GT-R」? 予想出来る市販化のポイントとは
日産が「ジャパンモビリティショー2023」で世界初公開した「ハイパーフォース」は、そのエクステリアデザインから「GT-R」の将来の姿を示唆したコンセプトモデルであると考えられます。
そこから次期GT-Rについてどのようなことが予想出来るのでしょうか。
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「ジャパンモビリティショー2023」において、5台のEVコンセプトモデルを出展した日産ですが、そのなかでも特に注目を集めているのが「ハイパーフォース」です。
日産はハイパーフォースについて「究極のドライビングプレジャーを追求しながら、高い環境性能と日常での快適性を兼ね備えた次世代の高性能スーパーカー」と説明しています。
具体的には、最高出力1360PSを発揮する全固体電池と高出力モーター、進化した電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」。
さらには高強度カーボンを採用した軽量ボディなどの採用によって、サーキットやワインディングロードで今までにないコーナリング性能と卓越した操作性を実現するとしています。
しかし、ハイパーフォースの最も大きな特徴と言えるのが、そのエクステリアデザインです。
日産はハイパーフォースのデザインについて「日産のハイパフォーマンスカーのデザインDNAを織り込んだ」と述べるにとどまっていますが、その「ハイパフォーマンスカー」が「GT-R」を指し示していることは明らかです。
実際、ハイパーフォースのフロントマスクやリアコンビネーションランプのデザイン、全体のシルエットなどからは、GT-Rの面影を強く感じることができます。
さらに、モザイク加工が施されてはいるものの、GT-Rのものと同様と思われるロゴをフロント部に見ることができます。
こうした要素から、ハイパーフォースは、将来のGT-Rの姿を示すものであると言うことができます。
なおハイパーフォースについて、日産の社長兼CEOの内田誠氏は「本当にワクワクするクルマです。この究極のハイパフォーマンスカーは、現実の世界でもヴァーチャルの世界でもドライビングを愛する人にピッタリなクルマです」とコメントしていました。
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現在販売されているGT-Rは登場からおよそ16年が経過しており、次期型の登場を望む声が少なくありませんでした。
ただ、GT-Rはハイパフォーマンスモデルであるがゆえに多くの販売台数を期待することができず、また環境規制や騒音規制への対応が難しいモデルでもあることから、そもそも次期型が登場するのかが危ぶまれていました。
しかし、今回ハイパーフォースが登場したことで、日産はGT-Rの次期型をリリースをする意志があることはほぼ確実であると言えそうです。
■次期GT-Rのカギとなる「全固体電池」ってどういうこと?
次期GT-Rが登場するために欠かすことができないのが、ハイパーフォースにも搭載されているという全固体電池です。
日産では、全固体電池を「EVの普及を促進させるゲームチェンジャーとなる技術」と位置付けており、2028年度までに自社開発の全固体電池を搭載したEVを発売することを宣言しています。
高いエネルギー密度を持つ全固体電池は、航続距離の向上や最高出力の向上にも貢献することから、ハイパフォーマンスカーにとって大きなメリットをもたらします。
全固体電池の実用化が順調に進めば、次期GT-Rが「最高出力1360PS」を発揮する可能性は決して低くはありません。
一方、全固体電池の価値はそれだけではありません。日産では、全固体電池に対してより安価な材料を組み合わせることで、バッテリーコストの低減も期待していると言います。
この点は、次期GT-Rを考えるうえで非常に重要なポイントになると言えます。
その高いパフォーマンスばかりが注目されやすいGT-Rですが、2007年に登場した際には777万円という衝撃的な価格も話題となりました。
現在はさまざまな事情から高価なものとなってしまっているGT-Rですが、当初は多くのユーザーに手の届くハイパフォーマンスカーがコンセプトのひとつとされていました。
もし、次期GT-Rにもそのコンセプトが受け継がれるのであれば、単にパフォーマンスだけを追求した「超高額モデル」とはならないと考えられます。
もちろん、GT-Rの名を冠する以上、世界が驚くハイパフォーマンスカーでなければならないのも事実です。
ハイパフォーマンスとリーズナブルな価格という、GT-Rにとって欠かすことのできない相反する要素を実現するために必要なのが、日産が開発を進めている全固体電池というわけです。
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うがった見方をすれば、今回登場したハイパーフォースが「次期GT-R」と明言されず、ロゴにもモザイク加工が施されていたのは、全固体電池の今後に対して不透明な部分があるということなのかもしれません。
逆に言えば、今後「次期GT-R」であることが明言されたコンセプトモデルが登場した場合、それは全固体電池の実用化のめどが立ったということを意味していると言えそうです。
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