新型アウディQ2の大きな変更点は外装のブラッシュアップとハンドリングの改良、そして新型1.5Lターボエンジンを搭載したことだ。今回はそのQ2に試乗、都内と峠を1日中走らせてみた。なぜ、Q2はベストセラー・カーであるのか、アウディ80やA6を乗り継いで現在はA4を所有する元F1メカニック津川哲夫氏に検証してもらった。
文/津川哲夫
写真/のぐちとしお
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■上級SUVとはひと味違うファミリアなイメージのQ2
今回の試乗はとても馴染みの深いアウディだ。しかもサルーンやアバントではなく、今年マイナーチェンジをしたコンパクトSUV、アウディーQ2なのである。実は筆者はアウディが好きで、遠い昔の80サルーンに始まり、A6アバントそして現在はA4アバントに乗っている。そう結構なアウディファンなのだ。
現在日本で使用しているA4アバント以外の80とA6では、英国中心にヨーロッパ全域を走ってきた。手放す時には80もA6アバントも30万キロを達成していたので、自分勝手なアウディ感は質実剛健、永久不滅みたいに思い込んでいた。しかし、近年のアウディーからはそれらのゴツさが消え、スマートでアーバンなイメージへと変貌している。
Q2はそんなアーバン・ユーズを上手く捉えたコンパクトSUVに仕上がっているように思う。外見はA3等のカテゴリーに近いアウディ感を出しながら、上級SUVとはひと味違うファミリアなイメージを造り上げている。
上級SUV群の持つ威圧感はなく、コンパクトでおしゃれなエクステリアは都会に似合う
実際Q2には、現在街を闊歩している高級SUV群の持つ威圧感はなく、日常の街乗り、スーパーマーケットへのショッピングや子供の送迎等のシーンでも違和感がない。
■スタイリッシュに変わってもアウディの質実剛健のポリシーは生きている
コクピットに収まって見ると車体のストラクチャーは間違いなくアウディスタンダードが維持されていて、この強固なフレーム感には昔からの質実剛健のポリシーが滲んでいる。しかしこのフレーム・ワークの造る安心感は、何も頑丈さのアピールからだけではないのだ。
バーチャルコクピットはメーターパネル内に液晶ディスプレイを配置しフルデジタルで、速度計や回転計、ナビゲーション、地図などを鮮明に表示する
Q2のコクピットに座ってみると、流石にSUVの設定だけあって、シートポジションは通常の乗用車より若干高いのは当然だが、流行の大型四駆タイプなどに見られるシートへのよじ登り感はなく、女性のユーザーでもスカート等を気にせずに楽々と着席が可能だ。さらにSUVとしての絶妙なロードクリアランスを維持しているので、着座時の視線は通常の乗用車よりも高いので、駐車時の見切りなど視認性が良く、視線の高さは走行時の並走車等からの威圧感も削減され、さらなる安心感をもたらしてくれる。
5ドアハッチとしての使い勝手も良く、リアゲートの比較的高い床高もSUV故に許容範囲内にあり、デイ・キャンプなどのライトなアウトドアユーザーなどが気楽に使える。
■ファミリーユースだけじゃなく、ちょいワル親父も満足出来るパワフルな走り
ではQ2は女性中心のファミリーカーなのかというと、そういうわけではない。若干ヤンチャな、ちょいワル親父にとっても面白い存在だ。エンジンは1.5LターボでほぼVWゴルフのエンジンに類似する。しかしハイブリットは搭載せず、純粋に内燃エンジンだ。これに低トルク使用時には2気筒の点火と燃料をカットして、通常走行での燃費と排気の効率向上が行われている。これだけだとまさにファミリーコンパクトに思える仕様なのだが、いざ走って見ると話は変ってくる。
若干ヤンチャ好きな筆者はやはりエコ走行には多少の不満があり、このQ2のエンジンカットと再点火(多少ターボラグもあるかも)の一瞬のラグが気に入らない。といっても通常走行では気づきもしないのだが、ちょっと気張って急加速やスロットルワークを掛けるとこの一瞬が気になるところだ。
しかしパフォーマンスは流石に1.5Lターボ、その気になれば強力なパフォーマンスを生み出せるサイズなのだ。
エンジンは最高出力150ps、新開発の1.5Lターボエンジン+7速Sトロニック。ゴルフ8のエンジンだがハイブリットは搭載せず
■それでは、試乗の最も楽しいパートであるワインディングへ
実は個人的にアウディのSトロニクスの7速ギアが結構好きなのだ。通常のドライブレンジから必要に応じたSレンジへの変更が実に気持ちが良い。もちろんデュアルクラッチを使ったシームレスシフト。Sレンジでの加速感は実に気持ちが良い。さらに横押しでマニュアルシフトを選べばシーケンシャル・シフト感を体感できる。上手く遊べば信号グランプリでも満足感が高い。
残念ながらワインディングでの走りはやはりSUV。ただしFF仕様ながらもFFを感じさせないスムースな走りは流石というところ。大型アウディにありがちな車体の重量感も横置きエンジンのQ2では気にならない。
Q2のエンジンカットと再点火の一瞬のラグが気になったが、1.5Lターボのパフォーマンスには大満足
それでも若干高速でワインディングを走るとSUV的なサスペンションからのよじれ感は隠せない。特にリアのロールはほんの僅かだが一瞬の遅れがありリニア感を減らす。これがアンチロールバー的な捩じれメンバーを利用したトレーリングアームからの反応かは定かではない。
とはいえSUVという設定のQ2なのだから、ワインディングを攻める事自体が的外れ、Q2は峠ではなく都会が似合うSUVなのである。
■コンパクトになってもアウディユーザーには違和感がない
Q2の精悍な8角形のシングルフレームの位置は下げられ、フロントの幅の広さが強調されている
コクピット・インテリアもアウディスタンダードを維持していて、筆者のようなアウディユーザーには違和感ないが、ひとつ苦言を呈するならばアウディのサテライト・ナビの使い勝手の悪さは相変わらずだった。
Q2はFFなれど流石ドイツ車。駐車場での取り回しも楽で視界も良く見切り感もしっかりとしていて、これこそ街に降りたファミリーSUV、それがアウディーQ2の狙いなのだろう。
TETSUO TSUGAWA
TETSU ENTERPRISE CO, LTD.
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津川哲夫
1949年生まれ、東京都出身。1976年に日本初開催となった富士スピードウェイでのF1を観戦。そして、F1メカニックを志し、単身渡英。
1978年にはサーティスのメカニックとなり、以後数々のチームを渡り歩いた。ベネトン在籍時代の1990年をもってF1メカニックを引退。日本人F1メカニックのパイオニアとして道を切り開いた。
F1メカニック引退後は、F1ジャーナリストに転身。各種メディアを通じてF1の魅力を発信している。ブログ「哲じいの車輪くらぶ」、 YouTubeチャンネル「津川哲夫のF1グランプリボーイズ」などがある。
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