■まさに王道といえるスポーツカーを振り返る
近年、ニーズの変化からだいぶ数を減らしている状況なのが、スポーツカーです。スポーツカーを名乗る必須条件は、ハイパワーなエンジンと優れた足まわりによる高い走行性能を有していることで、かつては2ドア(3ドア)のクーペというイメージでしたが、今では4ドアセダンでもスポーツカーに該当するようになりました。
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しかし、生粋のスポーツカーといえば、今もクーペフォルムという意見が根強いのではないでしょうか。
そこで、リトラクタブルヘッドライトのクーペで、ターボエンジンを搭載し、後輪駆動という王道の絶版スポーツカーを、3車種ピックアップして紹介します。
●日産「180SX」
1988年にデビューした日産5代目「シルビア」(S13型)は、スタイリッシュな2ドアクーペボディに高性能なエンジンを搭載したFRスポーツカーというコンセプトが時代にマッチして、大ヒットを記録しました。
そして、1989年に3ドアハッチバッククーペの姉妹車「180SX」を発売。同じくFRのスポーツカーとして人気を獲得しました。
それまでシルビアと販売チャネルが異なる姉妹車は「ガゼール」でしたが、内外装のデザインはほぼ共通となっていました。
一方、180SXはシルビアと主要なコンポーネンツを共有していましたが、外装はシルビアが固定式の異形ヘッドライトだったのに対し、180SXはリトラクタブルヘッドライトを採用。ノッチバックとハッチバックという全体のシルエットもまったく異なりました。
180SXのエンジンは当初最高出力175馬力を発揮する1.8リッター直列4気筒ターボのみでしたが、1991年のマイナーチェンジで205馬力を発揮する2リッターターボと140馬力の2リッター自然吸気に換装。
足まわりは両車共通で、フロントがストラット、リアがマルチリンクです。
その後、1993年にシルビアは6代目の「S14型」へフルモデルチェンジしましたが、180SXは従来型のまま継続して販売され、改良がおこなわれながらフルモデルチェンジすることなく、1999年に7代目の「S15型」の登場を期に生産を終了しました。
●トヨタ「MR2」
トヨタは1984年に、国産乗用車初のミッドシップ車として初代「MR2」を発売。トヨタは運輸省(現在の国土交通省)の認可をスムーズにおこなうためか、MR2を生粋のスポーツカーとアピールしていませんでしたが、上位グレードは高回転型の1.6リッター直列4気筒DOHCエンジン「4A-G型」を横置きに搭載し、軽量な車体と相まって、十分にスポーツカーといえるポテンシャルがありました。
そして、1989年に2代目MR2がデビュー。「セリカ」などに搭載されていた最高出力165馬力の2リッター直列4気筒DOHC「3S-GE型」自然吸気エンジンと、225馬力の高出力を発揮するターボエンジンの「3S-GTE型」をラインナップし、1クラス上の車格へと変貌。
外観は初代からリトラクタブルヘッドライトを継承した低いフロントノーズが特徴で、全体のフォルムは曲面を多用した流麗かつ伸びやかなシルエットとなりました。
初期のモデルは柔らかめのスプリングを用いたマイルドなサスペンションセッティングでしたが、ハイパワーなエンジンにブレーキなどシャシ性能が追いついておらず、かなりナーバスな操縦性と評されます。
そこで、1991年のマイナーチェンジでは、ブレーキの強化やLSDの採用、サスペンションセッティングの変更などで、操縦性の改善が図られました。
また、2度目となる1993年のマイナーチェンジではエンジンを中心に動力系が強化され、ターボエンジンの最高出力は245馬力に向上。自然吸気エンジンも180馬力(MT車)にアップしました。
そして1999年に、後継モデルの「MR-S」へとバトンタッチして生産を終了。
2代目MR2は10年間販売されたロングセラーで、その間に4回のマイナーチェンジがおこなわれました。そのため熟成された最終モデルは、今も高い人気を誇っています。
●マツダ「RX-7」
マツダは1967年に、世界初の量産ロータリーエンジン搭載車の「コスモスポーツ」を発売。未来を先取りしたような外観デザインで、2シーターのピュアスポーツカーでした。
その後、マツダはロータリーエンジン搭載車を拡充していきますが、1978年にはコスモスポーツの正当な後継車というべき初代「サバンナRX-7」が誕生。
さらに代を重ね、バブル景気の末期の1991年10月にアンフィニ「RX-7」(FD3S型)が発売されました。
外観は古典的なスポーツカーの要素である、ロングノーズ・ショートデッキやダブルバブルのルーフを取り入れつつ、複雑な曲面を組み合わせた最新のデザインを融合。フロントも初代から継承したリトラクタブルヘッドライトが採用されました。
エンジンは最高出力255馬力を発揮する654cc×2ローター・2ステージツインターボロータリーを搭載し、比較的軽量な車体と優れた足まわりによって、高い動力性能と運動性能を発揮。
デビュー後も改良が重ねられて1999年には最高出力280馬力に到達し、さらに走行性能を高めた魅力的な限定車や特別仕様車も登場しました。
しかし、排出ガス規制の強化やスポーツカーのニーズの低迷もあり、RX-7は2003年に生産を終了。絶版になってから18年経とうとしていますが、今も国内外に多くのファンが存在します。
※ ※ ※
今回紹介した3台は、どれも各々のメーカーで最後のリトラクタブルヘッドライト車です。RX-7に至っては、国産車で最後にリトラクタブルヘッドライトを採用したモデルでした。
かつて、スーパーカーを思わせるリトラクタブルヘッドライトはスポーツカーの定番アイテムとなっていましたが、部品点数が多くコスト増や重量増となることなどのデメリットもあり、廃れてしまいました。
近年は事故時の対人保護の観点から、とくにフロントエンジン車は低いボンネットの実現が難しく、こうしたシャープなデザインのモデルの復活は困難な状況です。
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みんなのコメント
今は衝突安全だの燃費だのと、愚にもつかない事ばっか重視されて付き合い切れん。
夢も希望もありゃしねーなぁ。
これはピュアスポーツのロードスターを否定しているのでしょうか?
>リトラクタブルヘッドライトはスポーツカーの定番アイテムとなっていましたが、部品点数が多くコスト増や重量増となることなどのデメリットもあり、廃れてしまいました。
当時の記憶ではアメリカの事故時の対人保護規制に対応する為で、海外販売の確保が理由で廃止だったと思う
全体的に当時を知らない人が書いたような印象の記事